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ご近所トラブル勃発! 貰い物で食あたりした場合に治療費は請求できるか

  • 2015.3.13
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【ママからのご相談】

ご近所に住んでいる奥様に、おすそ分けでみかんを1箱いただきました。しかし、もらってすぐに食べたにもかかわらず、みかんが腐っていたのか、次の日にお腹が痛くなってしまいました。 検査に行ったところ、みかんのカビが原因で食あたりになってしまったのだろうと言われました。もちろん意図的に腐ったものをくれたとは思いたくないのですがおすそ分けしてもらったもので食あたりになってしまったのですから治療費だけでも請求できないものでしょうか?

●A. 相手に“故意”や“過失”があったかどうかがポイントになります。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。

せっかくいただいたみかんで食あたりなんて、ついてないですね。こんな場合、みかんをおすそ分けしてくれた奥様に対して、治療費を請求できるのでしょうか?

●カビが生えたみかんは“故意”? “過失”?

みかんをくれた奥様に対して、治療費を請求するには、みかんのおすそ分けが、不法行為(民法709条)にあたる必要があります。

そして、不法行為は、

(1)故意または過失によって

(2)他人の権利や利益を侵害し

(3)損害が発生して

(4)侵害行為と損害の間に因果関係が認められる場合

に、成立します。

今回は、みかんのおすそ分けという行為によって、相談者さんの健康が害され、治療費相当額の損害が発生しているので、(2)権利侵害、(3)損害の発生、(4)因果関係については認められそうです。

では、(1)故意または過失はあるでしょうか?

“故意”というのは、わざとと言う意味であり、“過失”というのは、うっかり(気づくことができたはずなのに、気づけなかった)という意味です。今回、奥様がわざとカビが生えたみかんを渡すことはないでしょうから、“過失”があったかという点が問題になります。

みかんをくれた奥様自身が、みかんを手に入れてからずいぶん時間が経っていて、腐ったりカビが生えたりしているかもしれないと思いながら、あるいは、カビが生えているのがパッと見てわかるにもかかわらず、みかんを配ったような場合には、過失があると言えそうです。

一方、みかんを取れてからあまり時間も経っておらず、見た目等からもカビが生えたみかんであることが全くわからないというのであれば、過失はないということになりそうです。

●“過失”が認められた場合

仮に、みかんの表面にあからさまにカビが生えていて、奥様に過失が認められるとしても、このみかんを見た相談者さん自身も、みかんにカビが生えていて危ないんじゃないかと気づくべきだったということになります。

このように、被害を受けた側にも過失があった場合、過失相殺といって、損害額の全額を奥様に請求するのではなく、過失の割合に応じて請求するということになります。

●もらった側も注意が必要

おすそ分けのみかんで食あたりというのは、お気の毒でした。ただ、こういったケースで治療費を請求するということをやっていると、ご近所づきあいがギスギスしたものになってしまうかもしれません。いただきものについては、もらった側も注意して口に入れた方が、トラブル防止につながると思いますよ。

●ライター/島田さくら(アディーレ法律事務所所属弁護士)

島田さくら(しまだ・さくら)弁護士。大阪大学大学院高等司法研究科卒業。司法修習第65期。東京弁護士会所属。元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられるなど、過去のオトコ運の無さからくる、波乱万丈な人生経験をもとに、悩める女性の強い味方として男女トラブル、債務整理、労働問題などの身近な法律問題を得意分野として扱う。また、離婚等の豊富な知識を有する夫婦カウンセラー(JADP認定)、2級知的財産管理技能士の資格も有する。家庭では1児の母として子育てに奮闘している、シングルマザー弁護士。