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春の京都に彩りを添える、美しき「椿」の名所へ

  • 2015.3.13
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冬から春へと季節が移ろうなか、古くから茶花としても愛されてきた「椿」の花が咲き始めてきました。歴代の天皇や戦国武将が愛した名椿や願いを叶える白玉椿など、京都の春を彩る「椿」の名所をご紹介します。

椿の飾りで春の装いになる「大豊神社」狛ねずみ

市バス東天王町(ひがしてんのうちょう)バス停から東へ10分ほど歩くと、東山の山麓に辺り一帯の氏神として古くから信仰を集めてきた「大豊神社」が祀られています。

深い木々に囲まれた神社では、3月になると椿の花が咲き始めます。末社の大国社の前には祭神・大国主命(おおくにぬしのみこと)にちなんで狛犬ではなく”狛ねずみ”の石像があり、毎年、椿の花が飾られた狛ねずみのかわいい姿をひと目見ようと多くの参拝者で賑わいます。

○大豊神社(おおとよじんじゃ)

[所]京都市左京区鹿ヶ谷宮ノ前町1

[TEL]075-771-1351

[時間]参拝自由

[拝観料]境内自由

苔庭に散る椿が趣深い、「等持院」の有楽椿

嵐電等持院(とうじいん)駅から北へ徒歩10分程のところに、1341(暦応4)年に創建された足利将軍家の菩提寺「等持院」があり、境内には初代将軍・足利尊氏の墓や、室町幕府の歴代将軍の木像が祀られています。

等持院の庭園は、天龍寺や苔寺の庭も手掛けた禅僧・夢窓疎石(むそうそせき)作と伝わる東の庭と、池を中心とした四季の変化に富む西の庭があり、足利義政ゆかりの茅葺の茶室が趣を添えています。

3月になると、庭園には樹齢約400年、高さ十数メートルを誇る京都でもっとも大きな「有楽椿(うらくつばき)」が美しい花を咲かせます。その名は戦国武将・織田信長の弟で茶人として名を刻む織田有楽斎(うらくさい)が好んだ花であったことにちなみ、茶室に飾る茶花としても好まれています。等持院の有楽椿はその大きさから花の数も多く、苔庭へ散った椿の花がまた京都らしい趣を感じさせてくれます。

○等持院(とうじいん)

[所]京都市北区等持院北町63

[TEL]075-461-5789

[時間]9:00~17:00(受付は~16:30)

[拝観料]500円

願いを叶えた平岡八幡宮「白玉椿」の伝説

市バス平岡八幡前バス停からすぐの「平岡八幡宮」は、809(大同4)年、弘法大師が高雄・神護寺の守護として創建した神社で、境内には約200種の椿が咲き誇ります。

なかでも樹齢約200年の白玉椿が人気を誇り、この椿に願いを掛けると一夜にして純白の花が咲いて成就したという言い伝えがあります。神社には白玉椿の絵馬もあるので、願い事を書いて奉納してみましょう。

さらに、2015年3月6日(金)~5月17日(日)の期間中、本殿内陣に描かれた44枚もの極彩色の花の天井画が特別公開となります。描かれている花はすべて異なり、天井一面に咲き誇る圧巻の絵画を仰ぎ見てください。

○平岡八幡宮(ひらおかはちまんぐう)

[所]京都市右京区梅ヶ畑宮ノ口町23

[TEL]075-871-2084

[時間]境内自由、花の天井特別拝観期間10:00~16:00(受付は~15:30)

[拝観料]通常境内自由、花の天井特別拝観料800円

天皇も愛した名椿が咲く「霊鑑寺」

市バス錦林車庫前(きんりんしゃこまえ)バス停から東へ5分程歩くと、皇室ゆかりの高い格式を伝える「霊鑑寺」があります。通常非公開のお寺ですが、春と秋だけ特別拝観が行われます。1654(承応3)年に創建された皇室の女性が入寺する尼門跡寺院で、御所ゆかりの人形や狩野派の襖絵のほか、境内に数多くの椿が咲く“椿の寺”としても知られています。

境内に入ってすぐの場所には、後水尾天皇が愛した日光椿(じっこうつばき)が美しい花を咲かせ、京都市の天然記念物にも指定されています。霊鑑寺は珍しい品種の椿が多く、色や形、散り方の違いなどを見比べながら境内をゆっくりとおさんぽしてみましょう。

一日ごとに春めいてゆく京都。陽気に誘われるように椿が咲きほころぶ社寺へと足を延ばしてみませんか。

○霊鑑寺(れいかんじ)

[所]京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町12

[TEL]075-771-4040

春の特別公開 2015年3月28日(土)~4月12日(日)

[時間]10:00~16:00

[拝観料]600円

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