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天は二物を与えた! スクリーンで輝くミュージシャンたち。

  • 2019.2.6
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天は二物を与えた! スクリーンで輝くミュージシャンたち。
2019.02.06 08:00
レディー・ガガに、天は二物を与えず、なんて言葉は通用しない。『アリー/ スター誕生』(2018年)を観れば、それは明らかだ。しかし世の中には、彼女のように音楽と演技という二つの才能に恵まれた人たちが、少なからず存在する。デヴィッド・ボウイやマイケル・ジャクソン、そして、1D出身のハリー・スタイルズに歌姫マライア・キャリーまで、銀幕に強烈なインパクトを残したミュージシャンたちを紹介する。


2018年公開の映画『アリー/ スター誕生』(原題:A Star Is Born)は、1937年に発表された同名映画(邦題:スタア誕生)の3度目となるリメイク作品だ。リメイク第1弾は、1954年、ジュディ・ガーランドを主演に迎えて公開され、1976年のリメイク第2弾では、バーブラ・ストライサンドが主役を務めた。そして最新作は、ご存知レディー・ガガ。本作の主役は、いつも実力派シンガーによって演じられてきたのだ。


『アリー/ スター誕生』がミュージシャンを描いた作品だから、というのも間違いではないけれど、過去には、何人もの有名ミュージシャンが、役者として映画界に進出している。とはいえ、映画界に足跡を残せるミュージシャンは、ひと握りだ。『アリー/ スター誕生』のレディー・ガガがアカデミー賞にノミネートされたことを記念して、ミュージシャンと俳優という二足のわらじで、どちらの世界でも輝くスターたちをピックアップしてみた(先に断っておくと、ジェニファー・ロペスは、ミュージシャンではなく女優としてキャリアをスタートさせているため、リストには含んでいない)。

レディー・ガガ × 『アリー/ スター誕生』(2018年)

ブラッドリー・クーパー初監督作品『アリー/ スター誕生』(2018年)は、売れないシンガーソングライターと、新たな才能を探し求めるカントリーロックスターの出会いを中心としたシンデレラストーリーだ。同作が映画初主演となったレディー・ガガは、すでに放送映画批評家協会賞で主演女優賞を受賞(『天才作家の妻 40年目の真実』に出演した往年女優、グレン・クローズと同時受賞だった)、メインの楽曲として使用された「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」は、放送映画批評家協会賞とゴールデングローブ賞で、歌曲賞に輝いている。

ハリー・スタイルズ × 『ダンケルク』(2017年)


『ダンケルク』(2017年)で重要な脇役を演じたハリー・スタイルズは、アイドルから俳優へと、着実にキャリアを広げている。異才、クリストファー・ノーラン監督が指揮を執り、トム・ハーディやキリアン・マーフィー、ジェームズ・ダーシー、ケネス・ブラナーといった名優らが集結した本作で俳優デビューを飾ったことで、アイドルグループ「ワン・ダイレクション」のメンバーから、一人の映画俳優に成長したことを世界に知らしめた。

ビヨンセ × 『ドリームガールズ』(2006年)


デスティニーズ・チャイルドでの活躍と、その後のソロ活動で世界の歌姫の地位を不動のものにしたビヨンセ。『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(2002年)や『ピンクパンサー』(2006年)などのコメディ映画に出演したのち、ビル・コンドン監督の『ドリームガールズ』(2006年)で主役ディーナ・ジョーンズを演じ、初のシリアスな役どころに挑戦。同作が2007年ゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、ビヨンセ自身も主演女優賞にノミネートされるという大快挙を成し遂げたのだった。2019年には、ディズニー映画『ライオン・キング』の実写版でヒロインのナラを演じ、主人公シンバを演じるドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)と共演した。

マイケル・ジャクソン × 『ウィズ』(1978年)


ザ・ジャクソンズで最初の成功を収めたマイケル・ジャクソンは、ソロ活動で「キング・オブ・ポップ」と呼ばれるようになる前の1978年に、ミュージカル映画『ウィズ』(1978年)にカカシ役で出演。主演にダイアナ・ロス、そして黒人俳優だけを起用した当時としては非常に画期的な本作は、公開時こそ興行成績は振るわなかったものの、のちにカルト映画として位置付けられるまでに。ちなみに同作の製作は、ザ・ジャクソンズのレコードレーベル、モータウンの映画部門であるモータウン・プロダクションズが手がけている。

リアーナ × 『オーシャンズ8』(2018年)

リアーナの映画デビューは、カメオ出演した『チアーズ3』(XXXX年)。その後も、女優として『バトルシップ』(2012年)や『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』(2015年)、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(2017年)など、多数の作品に出演している。2018年公開の『オーシャンズ8』では、サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットアン・ハサウェイ、ミンディ・カリング、サラ・ポールソン、ヘレナ・ボナム=カーターなど、錚々たる名女優たちに勝るとも劣らない演技を見せつけ、女優リアーナとしての頭角を現わした。

オークワフィナ × 『クレイジー・リッチ!』(2018年)


2018年のヒット映画『オーシャンズ8』と『クレイジー・リッチ!』の両方に出演し、いまではすっかり「アメリカ人女優」として有名になったオークワフィナ。2019年1月には、3Dアクション冒険映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017年)の続編への出演も決まっている。


そんなオークワフィナの本業は、ラッパーだ。2012年に、ミッキー・アバロンの男性器をテーマにしたラップ『My Dick』の女性器バージョンともいえる『My Vag』をYouTubeに投稿し、一躍有名になったのだ。

ウィル・スミス × 『ALI アリ』(2001年)


ラッパー出身のウィル・スミスは、2000年代前半にアクション・コメディ映画の『バッドボーイズ』(1995年)や『メン・イン・ブラック』(1997年)、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999年)への出演で、すでに俳優としても人気を博していた。その後も『アイ,ロボット』(2004年)や『アイ・アム・レジェンド』(2007年)、『フォーカス』(2015年)、『スーサイド・スクワッド』(2016年)などの人気作に次々と登場した。しかし、彼の俳優としての真価が発揮されたのは、モハメド・アリの半生を描いた『ALI アリ』(2001年)。本作で高い評価を得たスミスは、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされたのだ。

ジェニファー・ハドソン × 『ドリームガールズ』(2006年)


アメリカのTV番組『アメリカン・アイドル』シーズン3では7位という残念な結果に終わってしまったジェニファー・ハドソン。しかし、彼女はこれで終わらなかった。映画『ドリームガールズ』(2006年)のオーディションで、並み居る数百人ものライバルたちを抑えてエフィー・ホワイト役を勝ち取り、エンターテイメント界に爪痕を残すのは優勝者に限らないことを証明してみせたのだ。さらに、本作でジェニファーは女優としての才能を開花させ、2007年の第79回アカデミー賞で助演女優賞を受賞という快挙を成し遂げたのだった。

ジャネール・モネイ × 『ムーンライト』(2017年)


ジャネール・モネイが女優デビューを飾ったのは、2016年の『ドリーム』。翌2017年には『ムーンライト』にも出演し、順風満帆な女優キャリアを歩みだした。『ドリーム』では、NASA航空宇宙エンジニアのメアリー・ジャクソンを熱演し、『ムーンライト』では、出演者全員が黒人の映画として、そしてLGBTをテーマにした作品として史上初となる、アカデミー賞作品賞を獲得した。

ジャスティン・ティンバーレイク × 『ソーシャル・ネットワーク』(2011年)


アニメーション映画『シュレック3』(2007年)や『愛の伝道師 ラブ・グル』(2008年)で脇役を演じた後、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグを描いた『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)で、初めて大役を任されたジャスティン・ティンバーレイク(ザッカーバーグ役はジェシー・アイゼンバーグ)。同作では、ナップスターの共同設立者でフェイスブックの初代社長を務めたショーン・パーカーを演じ、「(The Facebookの)“The”を取れ」というあまりに有名なセリフで、役者としての力量を見せつけた。

マライア・キャリー × 『プレシャス』(2009年)


5オクターブもの音域を持つ歌姫、マライア・キャリーは、1990年代前半から音楽界の第一線で活躍してきた。そして、歌手デビューから10年後にして初めて、映画界にも進出。初の主演映画『グリッター きらめきの向こうに』(2001年)は興行的に大失敗に終わったが、2009年の『プレシャス』では、主人公プレシャスを担当するソーシャルワーカーのワイス夫人を好演して、見事に汚名返上。同作自体も、高い評価を得た。

デヴィッド・ボウイ × 『地球に落ちて来た男』(1977年)

デヴィッド・ボウイの映画デビューは、もはや人間を超えた存在──母星が滅亡しかけている宇宙人トーマス・ジェローム・ニュートン役。ご存知、『地球に落ちて来た男』(1976年)での役どころだ。本作での演技が高く評価されたことをきっかけに、デヴィッド・ボウイは、音楽活動と並行して俳優としても成功を収めていく。1983年の『ハンガー』では、カトリーヌ・ドヌーヴとスーザン・サランドンという大女優らの相手役を見事に演じ、『ラビリンス/魔王の迷宮』(1986年)では、俳優として出演しただけでなく楽曲も提供。さらには、人気コメディ映画『ズーランダー』(2001年)で初のカメオ出演も果たし、お茶目な姿を披露した。

Text: Orla Pentelow

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