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【温泉療法専門医が教える】健康的に美肌になる正しいお風呂の入り方

  • 2019.2.5
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健康的な美肌になる6つのポイント

お風呂は肌を洗浄し清潔にするだけではありません。体を温めることで、血行が促進され、肌の代謝もよくなります。しかし、間違った入り方をしていると、皮膚を傷める結果になってしまいます。そこで早坂さんから美肌になる6つの入浴ポイントを伝授していただきました。

(1)42℃以上のお湯は厳禁!
「42℃を超える熱すぎるお湯は、皮膚を乾燥へと導いてしまいます。美肌の必須条件は、『うるおい』『きめ細かさ』『色』の3点ですが、熱すぎるお湯はうるおいを奪います。

うるおいのひとつの目安は、皮膚の一番表面にある角質の水分量です。角質層には、『セラミド(角質細胞間脂質)』という天然の保湿オイルが詰まっています。セラミドの中には、大量の水分が脂に包まれるようにキープされ、『うるおい=セラミド』といえるほど重要なものなのです。

しかし、4℃を超える熱いお湯では、角質の水分量が減ってしまうことが実験によりわかっています。また、42℃を超えるお湯では、炎症やかゆみの原因となる『ヒスタミン』ができやすくなり、かくことで肌を傷つけることにも。乾燥させないためには、冬でも40℃くらいのお風呂に浸かりましょう」

(2)15分以上の長湯と1日に何度も入るのはNG!
「美容目的やダイエット目的などで、1時間以上お湯に浸かっていたり、汗もかいていないのに1日に何度も入浴したりするのは、じつはお肌によくありません。お風呂に入った直後は角質が水分を吸っているので、見た目はうるおっていますが、それは一時的なもの。天然保湿成分のセラミドは、お湯に浸かることで流出してしまいます。うるおい肌を目指した長風呂や1日数回の入浴が、逆にセラミドを失う結果になり、乾燥肌を招いてしまうので気をつけましょう」

(3)石けんやボディソープの使用は2〜3日に1回でOK
「石けんやシャンプー、ボディシャンプーには、油を溶かして流す作用の『界面活性剤』という物質が含まれています。ある程度の使用なら問題ありませんが、使いすぎると肌にうるおいをもたらす皮脂やセラミドまで洗い流してしまいます。結果、肌荒れや乾燥肌を招くことになるので、使いすぎないよう気をつけましょう。そもそもたいていの汚れや脂は、温かいお湯だけで流れ、毎日石けんやボディシャンプーを使う必要はありません」

頭部、顔、陰部、背中の上部、足の指の間やわきの下など、皮脂腺の多い場所は毎日石けんを使って洗っても構いませんが、そのほかの場所は、2〜3日に1回、たっぷり泡立てた泡でやさしくなでるように洗う程度でOK。皮脂の少ない手足は、1週間に1回でも十分です」

(4)ボディタオルなどでゴシゴシ洗わないこと!
「ボディタオルやスポンジで、体をゴシゴシと強く洗うのもNGです。皮膚の一番表面の角質層は、ラップ1枚ぶんという薄さ。なのでゴシゴシこすっては、角質層をムリにはがし、肌を傷つけて乾燥肌を招く結果になってしまいます。こすると垢が出るといいますが、その垢は、ムリにはがした角質層で、決して不要な汚れではありません。しっかり立てた泡で優しくなでるように洗うだけで十分なのです」

(5)半身浴ではなく全身浴を!
「ブームにもなった半身浴ですが、じつはなんの健康効果はありません。そればかりか半身浴は、温熱作用や静水圧作用、浮力作用などすべての入浴効果が全身浴の半分しか得られません。それから、美肌の3条件のひとつ『きめ細かさ』は、角質層のターンオーバーの状態がポイントです。表皮層で細胞が生まれ変わるターンオーバーがうまくいっていないとザラザラ・デコボコの肌になってしまいます。そこで、全身浴の温熱効果と静水圧効果によって血流がアップすれば、皮膚に十分な栄養素や酸素が届き、新陳代謝(ターンオーバー)がうながされます。

美肌の3条件の最後のひとつの「色」ですが、これも血液循環の状態(毛細血管に流れるヘモグロビンの状態)が改善されれば血色がよく健康的な肌の色になります。全身浴の温熱効果と静水圧効果で新鮮な血液の流れがよくなれば、自然と肌の色もよくなっていきます」

(6)湯上りは10分以内に保湿ケアを!
「私たちの研究チームが行った実験で、お風呂から出たあと、10分後までは入浴前より皮膚の水分量が多いことがわかりました。10分を超えると水分量は入浴前と同じ程度になり、30分後では入浴前より減ってしまいます。皮膚科学では、『皮膚の水分量が保たれているうちに保湿ケアをするべき』となっているので、お風呂上がりから10分以内に保湿ケアすることが重要です。体をふいたり、髪を乾かす前にしっかりと保湿をして美肌を目指しましょう」

『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』

参考書籍
『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』

文/奥沢ナツ

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