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フィンランド聖地巡礼記! 大人のラブストーリー『雪の華』のロケ地巡り

  • 2019.1.31
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(C)2019映画「雪の華」製作委員会

2003年に大ヒットした、中島美嘉のウィンターラブソング「雪の華」。発売から15周年を迎えた今、この名曲にインスパイアされたラブストーリー映画『雪の華』(2月1日公開)が誕生! ひたむきに夢を追いかける悠輔(登坂広臣)と、余命宣告を受けた美雪(中条あやみ)の期間限定の恋が、東京とフィンランドを舞台に描かれます。

同作は冬と夏の長期フィンランドロケを敢行し、北欧ならではの美しい街並みと雄大な大自然が、ストーリーを盛り上げます。そこでVisit Finlandフィンエアー協力のもと、同作のメガホンを取った橋本光二郎監督と渡井敏久プロデューサーと共にロケ地となったフィンランドの首都ヘルシンキと、北部ラップランドの中心地レヴィに行ってきました。

ちなみに今年2019年は、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年。そんな記念すべき年、私たちが訪れた1月下旬は、急な大寒波に見舞われ同月の平均気温マイナス5度を大幅に下回る連日マイナス20度前後! ただその極寒だからこそ映える美しさに終始圧倒されました。またロケ地巡り以外にも、オーロラ観測や犬ぞり体験、そしておしゃれカフェ記事なども近日公開します。

■ヘルシンキ編

余命を宣告された美雪の夢は、<約束の地>フィンランドでオーロラを見ること。そんなある日、ひったくりにあった美雪は、ガラス工芸家を目指す青年・悠輔に助けられます。半年後に偶然再会した悠輔が、男手ひとつで兄弟を育てていること、そして彼の働く店が危機に陥っていると知った美雪は、「私が出します、100万円。その代わり1カ月、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかけ……。

そんな期間限定の恋人のふたりが訪れた夏のフィンランド。主にフィンランドの首都ヘルシンキで撮影が行われました。まずはヘルシンキでのロケ地巡りからスタート! ロケ地を一緒に巡った橋本監督の解説を交えてご紹介します。

フィンランド

こちらはふたりがヘルシンキで滞在するホテル「GLO Hotel Art(グロ・ホテル・アート)」。ヘルシンキのモダンな市街に忽然と現れる石造りの美しい古城風ホテルは、ロマンチックな気分を盛り上げてくれます。思いを寄せつつもなかなかお互いの気持ちを伝えることができないふたりの切ないシーンが撮影されました。

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橋本監督曰く「映画を観た観客が泊まりたくなるような可愛らしい造形がいいなと思いながらロケハンして見つけました。フィンランドはシンプルシックなホテルが多いなか、ここは“異国にきた感”が演出できるホテル」。

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劇中では、この両サイドの扉の向こうにある部屋にふたりはそれぞれ宿泊。後ろ髪を引かれながら部屋に入る……という印象的なシーン。でも、実はこの部屋は客室ではなく、なんと会議室なんだそう。

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悠輔が宿泊した部屋の内部の撮影は、ひとつ上の階にあるこの401号室を使ったそうです。こちらの部屋は実際に泊まることができます。

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こちらはヘルシンキのランドマーク、ヘルシンキ大聖堂。劇中では、美しい白亜の外観がふたりのデートシーンでちらりと登場します。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

悠輔と美雪が初めて手をつなぐこのシーンは、トリ・クオーターのソフィア通りで撮影されました。小さなショップが立ち並び、背景にはヘルシンキ大聖堂が見えます。

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悠輔と美雪がマーケットでいちごを一緒に食べるシーンはマーケット広場で撮影。フィンランドは、7・8月にベリーが最旬期を迎え、さまざまな種類のベリーが市場に並びます。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

地元の人はここでフレッシュなベリーや野菜を買い、そのままフェリーでスオメンリンナ島や他の島へ。そこでのんびりピクニックを楽しむそう。ただ、私たちが訪れた冬場は外には屋台がひとつも出ておらず、ただの広場になっていました。

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そのマーケット広場の前を走るトラム。劇中でトラムが走るシーンの撮影はなんと……

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ドローン撮影したわけではなく、このようにクレーンを使って、交通量が少ない早朝に撮影したそうです。劇中に登場するヘルシンキの美しい街並みにも注目を!

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ヘルシンキ市街にあるクリエイティブなショップや施設が建ち並ぶエリア、デザイン・ディストリクト。そのフレドリキンカトゥ通りにある古本屋と雑貨屋で美雪と悠輔はデートをします。

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こちらは古本屋「C.Hagelstam Antikvariaatti」。監督は「肖像権の承認が通った本を手前に並べたな……」「店主のマダムが映っているシーンは泣く泣くカットしてしまった……」と、撮影を振り返っていました。

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こちらは雑貨屋「Paper Shop」。ポストカードやラッピング用紙、文房具など、かわいい雑貨がたくさんありました。次回はこの辺りをもっと散策してみたい!

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続いて訪れたのは、映画『かもめ食堂』(2006)にも登場した最も歴史ある公園、カイヴォプイスト。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

劇中でふたりが桟橋で戯れるシーンが印象的です。夏は海とのコントラストが美しく、冬は雪景色がとてもきれいでした。

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こちらはフィンランド湾沿いに広がるトコイ海岸公園。日が落ちて少し暗くなると、街頭のライトが水面に反射し、とてもロマンティックな風景に。ドレスアップしたふたりは楽しそうに話をしながら、この道沿いを歩きました。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

訪れた日の気温はマイナス16度。海が一面凍っていて、同じ景色とは思えないほどでしたが、美しい眺めでした。ここはヘルシンキ市民にとっても憩いの場だそうです。

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ヘルシンキのマーケットから歩いて行くことができるテルヴァサーリ島。美雪が悠輔に別れを切り出すシーンの美しい海岸です。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

こちらも目の前の海が一面凍っていましたが、夏のふたりをイメージしながら同じ場所で同じように座ってみました。

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「印象的なシーンのひとつなので、観光地よりも落ち着いていて、かつ背景にヘルシンキの街並みが感じられる場所で撮影したかった」と橋本監督。このシーンの撮影は一日がかりだったそうです。

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ロケ地巡り・ヘルシンキ編のラストは、ヘルシンキ中央駅。何も言わず再度ひとりでフィンランドに行ってしまった美雪を追いかけ、悠輔がフィンランド北部ラップランド行の電車に乗るシーンに登場します。

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短距離、長距離双方の発着駅となっているヘルシンキ中央駅は、「世界の美しい駅ランキング」の常連です。ラップランドは国内線の飛行機で行くのがメジャーですが、列車で行くことも可能。ヘルシンキからラップランドの中心地レヴィの最寄駅コラリ駅までは、約15時間かかります。

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■レヴィ編

ヘルシンキから飛行機で約1.5時間、ラップランドの中心地レヴィの最寄空港キッティラ空港へやって来ました!

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レヴィは、フィンランド屈指のスキーリゾートとして知られ、若者を中心にフィンランド内外から毎年多くの観光客が訪れます。街の雰囲気はおしゃれで高級感があり、スキーのワールドカップも開催されています。

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そんなレヴィでまず最初に向かったのは、「Ravintola Kammi(レストラン・カンミ)」。ここは美雪と悠輔がディナーデートを楽しんでいたレストラン(劇中ではヘルシンキ市内の設定)です。

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

外観はこんな感じで、フィンランドの先住民サーミ人の小屋をイメージしています。階段を降りて地下のレストラン入り口へ。

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このテーブルでふたりは食事を楽しんだそうです。

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ここでは伝統的なラップランド料理が登場します。訪れた日は定休日だったので、残念ながら料理はいただけなかったのですが、トナカイ肉の料理が絶品だそうです。

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またレヴィはオーロラの観測スポットとしても有名で、深雪はフィンランドでオーロラを見るという夢を叶えるためにひとりでここを訪れます。ロケ地となったのは妖精をモチーフにしたテーマパーク「Elves'Hiedaway(エルフの隠れ家)」。こちらは宿泊施設も兼ねた複合観光施設で、ラップランド地方の文化や神話などを体感することができます。劇中にはあまり登場しませんが、妖精に扮したスタッフがいたり、いろいろな場所に妖精のオブジェが点在します。

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そして奥にどんどん進んで行くと、美雪がオーロラが現れるのを待ちわびる、あのクライマックスシーンの光景が!

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橋本監督から教えていただいた、実際のカメラ位置から撮影してみました。あの幻想的なシーンはここで誕生したんですね!

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ここで監督が撮影秘話を語ってくれました。「人工物がそれほど多くなくて、木造の建物があるこの場所が美しいと思いました。ここに一日がかりでレールを作り、役者にだけライトを当てて、朝と夕方のスカイラインの瞬間を狙いました。朝8時に集合してカット割りを決めて、空が明るくなるのを待って撮影し、明るくなりすぎたら終了。夕方も同じです。それを5回くらい繰り返しました」。

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冬場のレヴィの日照時間は短く、暗く寂しくなりすぎないように、このようなキャンドルを置いて、幻想的なムードを演出。

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ラブストーリーの舞台としては、これ以上ない最高のシチュエーションで、果たして美雪は夢を叶えることができるのか? 美雪と悠輔は再会することができるのか?

(C)2019映画「雪の華」製作委員会

そして、せっかくオーロラスポットに来たので、私もオーロラ鑑賞や犬ぞり体験などレヴィならではのアクティビティを満喫してきました。その模様は近日アップ予定です。お楽しみに!

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最後に1月21日(現地時間)にヘルシンキの劇場「Maxim」で行われたヘルシンキ・プレミアのレポートもお届け。プレミア上映会には、フィンランド政府要人やフィンランド大使館関係者、フィンエアー航空関係者など約140名が集まり、上映前に橋本監督と渡井プロデューサーが登壇しました。

左からペッカ・ソイニ氏(ビジネスフィンランド)、橋本光二郎監督、渡井敏久プロデューサー、山本条太氏(駐フィンランド特命全権大使)

渡井プロデューサーは「日本とフィンランドの外交樹立100周年にあたる節目の年に、映画が公開されることに深い縁を感じています。世界に先駆けてここヘルシンキでプレミアができることが幸せです。『雪の華』は僕らの宝物です」と話しました。橋本監督は「東京の片隅に住む1組の小さな恋の物語が、フィンランドの力をお借りして、大きな愛の物語へと昇華することができました」と感謝の言葉を贈っていました。

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上映後にはスタンディングオベーションが! 映画を鑑賞した現地の20代女性に感想を聞いてみると、「とても美しい映画でした。ハリウッド映画と違って、落ち着いた感じが良かったわ。ほかの日本の映画も観たくなりました」「夏のヘルシンキの美しいシーンを観て、私も真似してみたいと思ったわ。あと、主人公のふたりはいい俳優ですね。とくに彼(登坂)はカリスマ性があって、とってもキュートね!」と、お気に召した様子でした。

(C)Visit Finland

現地の方々に好評を博した『雪の華』。東京とフィンランドの美しい景色のなかで繰り広げられる運命の恋。今回のロケ地巡りを思い出しながら、劇場でふたりの恋の行方を見届けてください。

『雪の華』
2月1日(金)より全国ロードショー
公式サイト

(C)Visit Finland
(C)Finnair

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