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ノロ、ロタ…感染性胃腸炎にかかってしまったら?【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第6回】

  • 2019.1.30
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毎日厳しい寒さが続くと、インフルエンザと同じくらい心配になるのがノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。

特に、保育園に子どもを通わせているママ・パパは、お迎え時に「本日、感染性胃腸炎でお休みしたお子さんが2名いました」などのお知らせを見て、「うちの子にも感染したら、仕事どうしよう」とヒヤヒヤした経験はありませんか?

感染性胃腸炎の現在の流行状況や症状、実際にかかってしまったときの対処法、登園基準などをくわしく見ていきましょう。



■感染性胃腸炎2019「局所的な流行に注意!」

国立感染症研究所によると、12月に引き続き、1月に入っても、今シーズンのノロを含む感染性胃腸炎の全国推定患者数は、過去4シーズンと比べても低い傾向にあるようです。

だからといって、「今年はそんなに流行っていなそうでよかった…」とホッとするのは早計。都道府県別の推定患者数がそこまで多くなくても、局所的に流行しているケースがあります。

例えば、東京都の場合、2019年1月7日~13日の定点当たり患者数は9.12人で過去5年の平均よりやや上回っており、台東区では22.75人と突出して多くなっています。

一方で、千代田区では2.0人とかなり少なくなっています。同じ都道府県内でも患者数にかなりばらつきがあるため、自分の住んでいる都道府県だけでなく、地域で流行っているかどうかにも注目してみるのが良さそうです。

■ノロウイルス・ロタウイルス「症状や潜伏・感染期間、感染経路は?」



ノロウイルスとロタウイルスではどのような違いがあるのでしょうか? 流行時期や症状、見極め方について解説します。

<ノロウイルス>
  • 流行のピークは12月~1月ごろが多い。
  • 子どもも大人も関係なくかかり、再感染することも。


【症状】
主な症状は、おう吐と下痢。急に激しいおう吐に見舞われることが多いようです。1日から3日で治るケースが多いですが、脱水症状を招くことがあるので注意が必要です。

【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は、12時間から48時間と短いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が高まりますが、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。

【感染経路】
経口感染、接触感染、飛まつ感染によって広まります。二枚貝、氷、サラダ、パンなどの食品を介して感染することもあります。便の中に大量のウイルスが排出されています。また、吐しゃ物の感染力も強いのが特徴です。保育園などでの集団生活により、流行することが多くあります。

<ロタウイルス>
  • 流行のピークは、ノロウイルスやインフルエンザの流行が落ち着く3月~4月にかけてが多い。
  • 乳幼児がかかりやすい。


【症状】
主な症状はノロウイルス同様に嘔吐と下痢です。下痢便が白くなるケースが多いのが特徴です。2日から7日で治りますが、脱水やまれにけいれんや脳症などの合併症を引き起こすことがあります。

【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は、1日から3日とノロウイルスよりはやや長いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が強く、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。

【感染経路】
経口感染、接触感染、飛まつ感染。

【検査方法】
厚生労働省によると、ノロウイルス・ロタウイルスともに便の中のウイルスを検出できる検査キットを用いて、一般病院などで調べることができます。

3歳未満、65歳以上には健康保険が適用されます。結果が早く出るのは良い点ですが、感染していても陽性とならない場合があります。調べたい場合は、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。

検査をしていなくても、流行状況から臨床診断する場合もあるようです。





ノロウイルス・ロタウイルス「予防方法は?」

ノロウイルスやロタウイルスを防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?

【予防方法】
ノロウイルス・ロタウイルスともに、手洗いやうがいなど一般的な予防法を行うことが大切です。アルコール消毒はノロウイルスには効かず、ロタウイルスにも効きにくいため、きちんと流水で石けんを使って手洗いをするようにしましょう。

<ロタウイルス>


ロタウイルスは、予防接種により防ぐことができます。2011年から経口ワクチンの接種(任意)が始まりました。



2回接種と3回接種の2種類のワクチンがあります。2回接種の場合、1回目の接種の推奨期間は生後2~4カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。

3回接種の場合、1回目の接種は生後2~5カ月の間に、3回目の接種は生後32週までにすませます。生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。

ノロウイルス・ロタウイルス「かかってしまったらどうする?」

手洗いやうがいなどに気をつけていても、子どもが感染性胃腸炎にかかってしまった場合、どうすればいいのでしょうか?

【対処法】
ノロウイルスやロタウイルスに効く抗ウイルス剤はないようです。病院を受診すると、症状に合わせた治療が行われるのが一般的です。ウイルスを体内から排出することで症状が改善するので、下痢を止める薬を使うのは避けたほうがいいでしょう。

子どもが下痢やおう吐をしたときはどうすればいいのでしょうか?



下痢便やおう吐物には大量のウイルスが含まれていることがあります。下痢便のついたおむつやおう吐物で汚れた床をふき取ったペーパータオルなどは、ビニール袋に密閉して廃棄しましょう。その際、廃棄物がひたる量の次亜塩酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたものなど)につけるとなお良いようです。

ノロウイルスは乾燥すると、空気中に漂い、口に入って感染することがあります。床等に飛び散った吐しゃ物は乾燥しないうちに、処理しましょう。ふき取った後は、次亜塩酸ナトリウムでひたすように消毒をして、水拭きをします。

おう吐物や下痢便のついた衣服は破棄するか、0.1%次亜塩酸ナトリウムで消毒をします。おむつ替えや吐物を処理する時は、できればビニール手袋をし、廃棄物と一緒に処分するのがいいでしょう。もし、直接さわってしまったら、しっかり手洗いをしましょう。

【登校(登園)基準】
ノロウイルス・ロタウイルスともに、おう吐や下痢症状が良くなり、全身状態が良ければ登校(登園)はできます。園によっては登園許可書が必要となるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。症状がおさまってからも、引き続き手洗いをしっかり行いましょう。

一度でも感染を経験したママ・パパなら、その恐ろしさを忘れられないのがノロウイルス・ロタウイルス。乳幼児がかかると、脱水症状を起こしやすく、本当に心配になりますよね。

手洗いやうがいは予防の基本。もしかかってしまった場合も、適切な処置をして、家族内感染を広げないように気をつけたいですね。

参考サイト:
・国立感染症研究所「ノロウイルス等検出状況」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-noro.html

・東京都感染症情報センター「東京都感染症週報」 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/

・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=46

・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html


(コバヤシカヨ)

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