ゴールデン・グローブ主演女優賞受賞! 名優陣の妙味が光る心理サスペンス!<連載/ウワサの映画 Vol.68>

1月6日(現地時間)に発表となったゴールデン・グローブ賞で、実力派グレン・クローズが主演女優賞をゲットした「天才作家の妻 -40年目の真実-」。世界的作家である夫を慎ましく支える妻…。ノーベル賞受賞の知らせを受けた人生最高の瞬間が、”おしどり夫婦”崩壊の引き金を引いちゃうっていう皮肉なお話です。心理サスペンスの様式をとり、愛増入り混じる夫婦の実像を知的に暴き出す佳作! 心の機微を魅せる役者陣の力量にも圧倒された~。

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「Daybreak」('03)でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いたビョルン・ルンゲ監督が、メグ・ウォリッツァーの小説を映画化。演劇的なアプローチにも注目の1本です!
©META FILM LONDON LIMITED 2017

アメリカ・コネチカット州。現代文学の巨匠ジョゼフ・キャッスルマン(ジョナサン・プライス)と妻ジョーン(グレン・クローズ)のもとに、ノーベル文学賞受賞の吉報が! やがて夫婦は、授賞式に出席するため、息子を伴いストックホルムへ。そんな折、ジョーンは、ジョセフの経歴に疑惑を持つ記者ナサニエル(クリスチャン・スレーター)から”夫婦の秘密”について問われ動揺します。若い頃から文才に恵まれていた彼女は、出版界に根づいた女性蔑視の風潮に失望し作家になる夢を諦めた過去があり、ジョゼフとの結婚後は、“影”として世界的作家の成功を支え続けてきたのでした。やがて心に押しとどめてきた夫への不満や怒りがジョーンの中で沸き起こり、崩壊へと向かう夫婦の関係…。そして迎えた授賞式当日、ジョーンが下す決断とは…!?

友人や教え子らを招いた場で、最愛の妻に感謝の言葉を述べるジョセフ。2人は理想的なおしどり夫婦に見えましたが…
©META FILM LONDON LIMITED 2017

1990年代半ばを舞台に、主人公の若い頃(1950~60年代)の回想を交えながら夫婦の秘密を追っていく本作。男女の格差問題も盛り込まれた、実にタイムリーな内容でした。夫の栄光を尻目に、自身の犠牲を巡る鬱憤が制御不能になっていく妻役のグレン・クローズが、もう圧巻! 特に、晩餐会での夫のスピーチについにブチ切れる(詳細は言えないけど、妻を”ミューズ”として讃える夫が無神経すぎる...)シーンの、凄みと悲哀が同居した表情が大迫力なんです。「結局は独創性のない自分が選び取った人生」という”引っかかり”感も絶妙だしねぇ。時代の変化にも翻弄されるヒロインの不信や憂い、愛情…。全感情を眼力で伝える名人芸に注目ですっ。

若い頃、”ウケる作家”として時代が求めたのは、ユダヤ人である夫だった...。「“影”として彼の伝説作りをすることに、うんざり?」と記者に核心を突かれたジョーンが揺れ動きます
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回想シーンで主人公・ジョーンに扮するのは、グレン・クローズの実娘アニー・スターク(美人!)。母娘が同じ人物の今昔を演じるなんて…、感動するー
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監督は、演劇界でも活躍するスウェーデン人のビョルン・ルング。父に劣等感を抱く息子(作家の卵)も投入し、夫婦間から親子間に至るまで緊迫感を途切れさせません。理想の夫婦像を印象付けた受賞通知前後から時が経ち、授賞式へ向かう機上では一転、妻がピリついてる…。その”間”に含みを持たせ、授賞式に向けて不協和音をあおる演出に拍手です。ホテルでの口論シーンに代表される演技力ありきの舞台的な見せ場では、夫役のジョナサン・プライスの巧さも存分に引き出してましたね。グレンの名演を際立たせた、ジョナサンの”妻ナシではダメダメなエゴ丸出し男”ぶり…、説得力満点!

すさまじいケンカの最中に、孫が生まれたと知って手を取り合い歓喜する、感情的にも大忙しの夫婦…。のちに荒れ気味の息子(右)との修羅場も控えています…
©META FILM LONDON LIMITED 2017
妻子持ちの大学教授だったジョセフと略奪婚に至ったジョーン。彼女は”天才作家の妻”を貫くのか、人生を取り戻すために真実を発するのか…!? ノーベル賞授賞式の舞台裏も一興です!
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”依存し合い離れられなくなる関係性”の複雑さは、どこまでも普遍的。フライトアテンダントの「特別な絆」ってセリフが染み入ります。授賞式から帰るコンコルドで主人公が開くノートの真っ白なページ…、想像をかきたてるね~。ばあちゃん&じいちゃんが主人公だけど、若き恋人たちも「結婚って大変…」と覚悟するために見たほうがいい(笑)。

ジョゼフの伝記本を書くために、夫妻の過去を事細かに調べ上げている記者ナサニエル。久しぶりに見たわ、クリスチャン・スレーター! クセ者路線、いいねぇ!
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アカデミー主演女優賞に過去6回もノミネートされているグレン・クローズも、はや71歳。年齢と共に演技は成熟を極めてるし、これ以上何を望むっていうんだ? 「THE WIFE」(原題)を完璧に体現した大女優の手に、今度こそオスカー像を!【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします! 最近のお気に入りは「メリー・ポピンズ リターンズ」(2月1日公開)のベン・ウィショー!(東海ウォーカー・おおまえ)

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