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魅せる和食のスーパー割烹 銀座「六雁(むつかり)」

  • 2018.12.21
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魅せる和食のスーパー割烹 銀座「六雁(むつかり)」

編集部の足跡コメント

地下鉄銀座駅B5出口からわずか1分。まさに大都会東京の代名詞とも言える銀座の街で、頼りはたったひとつの小さな看板。「六雁」と書かれたそれを目印に細い入り口を進むと現れる漆黒のエレベーターに乗れば、次にこの扉が開いた時にはどんな光景が飛び込んでくるのかと、胸が高鳴ります。客席は3フロア。料理が出来上がるまでの全ての物語を、見て、聞いて、楽しむことができるフルオープンキッチンの6階、7階には落ち着いた時間と空間を過ごすことができるテーブル席を。そして専用キッチンを備え、専属シェフとスタッフが目の前のひと組のお客様のためにもてなしの全てを尽くしてくれる8階の特別室。技・味ともに日本古来の伝統を継承しながらも、常にその先を目指し続ける「六雁」。新しい日本料理の姿で客を魅了します。

夏果(なつか)の白和え最中

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上品で愛らしい見た目と、ふわりと舞い上がる香ばしい香り。このひと皿が和食の定番「白和え」であるなどと、想像できるでしょうか。芳しさの正体は、まるでもうひとつの器であるかのようにお皿の上に重ねられたドーナツ状の最中の皮。「軽く焼いて、パリッとした食感とお米が焼ける香りを引き立たせています」。そう語る総料理長の秋山能久さん。日本古来の伝統的な技や味を継承しながらも、常にその先を目指し続ける秋山さんが表現する白和えは、熟成みりんで香りづけしたフォアグラを加えた豆腐と、爽やかな季節の果物を合わせます。この日は、初夏を感じさせるパイナップル、マンゴー、キウイの3種を。「料理人に表現できることは無限大にある」と熱意を見せる秋山さん。「香りや見た目、食感・味を楽しんでいただくことはもちろん、お客様自身で最中を挟むというワクワク感や、手で持つことで感じられる触感・重量感も、料理人の表現力次第でご提供できるおもてなしのひとつです」。パリッとした最中の皮の中にはクリーミーでコク深い豆腐。そこに時折やってくるフルーツの甘酸っぱさや生粒胡椒の香りが爽やかなアクセントを加えてくれます。白和え、最中といった親しみある日本料理が、秋山さんの手により全く新しいかたちで表現されたひと皿です。

活け鮎の炭火焼き ガーデンクレス

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「日本料理店の鮎の塩焼きって、鮎が数匹にすだちが添えられた正統派のものがほとんど。でも、もっと違う形があってもいいんじゃないかと思って」。秋山さんが旬の鮎に添えるのは、大根餅、そして胡椒草という和名をもつガーデンクレス。

まずは主役となる鮎。炭火の香りをまとったふっくらとやわらかな鮎は、初夏の代表的な日本料理のひとつ。尾がピンっと立った姿が新鮮で美味しい何よりの証です。

「六雁」では長野県天竜川産の鮎を使います。「どんなに美味しいものでも、輸送の距離が長くなればその分ストレスはどうしても大きくなる。だからできるだけ近場の食材を使いたい」。その日使う分だけを仕入れ、焼く直前まで生きている新鮮な鮎。鮮度が落ちないうちに素早く串に刺し、何度も何度も返しながら、20分以上つきっきりで焼き続けます。フルオープンキッチンの6階席や8階の特別席では、その伝統技術を直接見られることも「六雁」の楽しみ方のひとつです。

鮎に添えられた大根餅は、粗めに潰した大根に少量の葛を合わせ、表面をオリーブオイルで軽く焼いて仕上げます。葛のモチっと優しい食感の中から、とろけるように溢れ出す大根のみずみずしさには驚きを隠せません。ガーデンクレスの爽やかな辛みも重なり、まるで鮎が流れる清流を表しているかのよう。す。

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秋山さんの目指す「伝統と、その先」が、調理の道具・技、そして使われる食材や器に至るまで、あらゆる世界で体現される「六雁」。訪れるたびに、新しい日本料理で私たちを魅せ続けてくれることでしょう。

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