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「うま味」を知ることで体を変える。今日から実践できる“味覚リセット”法

  • 2018.12.20
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Women's Health

「運動さえしていれば、あまり神経質になりすぎずにおいしいものを食べたい」こんな本音を持っている人も多いのでは。

もちろん、食事は「おいしい!」と幸せに感じながら食べたいもの。でもその「おいしい」と感じる味覚が、加工食品や不必要な添加物摂取などが続くことによって、いつのまにか麻痺していたら? 知らず知らずのうちに脳が刺激の強い味や甘味を欲してしまい、せっかくダイエットを試みていても、肥満や生活習慣病にまで影響を及ぼすことも。

ドキッと思い当たる方に朗報。基本五味の一つである“うま味”の感受性を高めていくことで、本来の味覚に戻しやすくなるそう。

「うま味感受性が低下すると食の満足感を得るために甘味嗜好が強くなり、結果的に肥満につながりやすくなる(※1)という研究結果もあります。ダイエットや健康維持、美肌を効果的に手に入れたい方は、甘味や刺激の強い味に自然と頼りにくくするためにも、是非うま味感受性を高める効果のある食事法を取り入れててみてください」

と話してくれたのは、前回に引き続きお話をうかがうSmart Foodヘッドインストラクターの浅倉さん。では、大人になってからでも、「健康的なもの=おいしい」と感じられるよう味覚をリセットしていくにはどのようにしたらよいのだろうか。

そこで浅倉さんが、自宅や外食時でも実践しやすい“味覚リセット”法を紹介してくれた。

本来の味覚を呼び覚ます、簡単“味覚リセット法”

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Women's Health

1 だしは昆布と鰹節できちんととる

今や、鍋にパッといれるだけの簡単なだしパックも多数あるけれど、裏面の原材料を注意深く見る習慣はあるだろうか。商品によっては、不必要な添加物が含まれていることも多く、便利さと健康がトレードオフになっているケースも。また、きちんとだしをとることには大きなベネフィットもあると言う。そして昆布と鰹節の組み合わせの理由は?

「代表的なうま味物質には、アミノ酸系グルタミン酸の昆布、核酸系イノシン酸の鰹節や煮干し、同じく核酸系グアニル酸の干したきのこ類などがあります。それらを単独で使ってだしをとる方法もありますが、グルタミン酸×イノシン酸、またはグルタミン酸×グアニル酸と組み合わせることでうま味が飛躍的に強くなることが科学的に証明されており(※2)、うま味の相乗効果を引き出すことができるのです。特に昆布と鰹節はどこでも手に入りやすく、トライしやすい組み合わせ。ほとんどの鰹節のパッケージの裏側に「昆布と鰹節のだしの取り方」レシピが記載されているので、それらを参考にだしをとり、ぜひ天然のうま味だしでまずは味噌汁を飲んでみてください。格段にうま味が増し、食の満足度が高まるのを感じるはずです」

2 発酵食品を食べる

「いわゆる善玉菌を生きた状態で含むプレバイオティクスである発酵食品は、腸内有用菌の増殖や、発酵により栄養素を分解して身体に吸収しやすくする他、発酵の段階でうまみ成分が増加しているのも特徴です。外食時でも意識しながら、納豆、キムチ、味噌、ピクルスなどさまざまな種類の発酵食品を食べるのがおすすめです。

また、肉や魚などを塩麹や醤油麹に約5時間以上漬けておくことにより、麹菌が分解しながら内部に浸透し、グルタミン酸などのうま味成分も増してくれます。身体に良い栄養成分の増加や未消化になりがちな動物性タンパク質も消化吸収しやすい状態にしてくれる働きもあるので、ご自宅でぜひ試してみてください」

せっかくの前向きなダイエットも、制限ばかりだとつらくなるばかりでストレスフル。心身共に健康的に美しくなるためにも、「おいしいから続けられる」うま味感受性を高める食事法を取りいれてみては。

出典 ※1……水田栄之助「味覚感受性と生活習慣病のリスク」Yakugaku zasshi, Vol.135 No.6 (2015) p.789-792※2……国中明「核酸関連化合物の呈味作用に関する研究」日本農芸化学会誌 34巻 (1960) 6号 p.489-492

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