1. トップ
  2. グルメ
  3. 贅沢な食材で作る料亭仕込みの家庭料理 東銀座「寛幸(ひろゆき)」

贅沢な食材で作る料亭仕込みの家庭料理 東銀座「寛幸(ひろゆき)」

  • 2018.12.17
  • 1569 views

贅沢な食材で作る料亭仕込みの家庭料理 東銀座「寛幸(ひろゆき)」

Foodport
foodport.jp.

銀座だからこそ求められる、親しみある味

Foodport
foodport.jp.

東銀座駅からわずか徒歩1分。銀座駅からも5分という場所にありながら、一歩足を踏み入れればそこは安らぎを感じる小さな一室。格式高い店が多く立ち並ぶ銀座に「寛ぎ」と「幸せ」を。岐阜県の料亭「たか田 八祥」、東京都・三田の「晴山」で技術を培った大将・佐藤寛幸(さとう ひろゆき)さんは、自身の名前とそんな願いを重ね合わせ、店名を「寛幸」と名付けました。贅沢な食材を使いながらもどこかホッとする家庭料理をベースにした、粋な日本料理に出会うことができます。

メニューに並ぶ様々な東海地方の食材

Foodport
大らかな表情で取材に応じてくれた、大将の佐藤寛幸さん。 foodport.jp.

「一応、夜のおまかせコース15,000円のみなんですけど、カレーが食べたいって言われたら作りますし、休日は事前予約限定でランチもやってます」。その柔軟な姿勢こそ、大将・佐藤寛幸さんの人柄と「寛ぎと幸せ」という店に込めた願いの表れ。

「寛幸」のコースは全部で8品。最高級の食材を使い、それでいて懐かしさを感じる和食の数々がそろいます。飛騨牛の肉じゃが、美濃けんとんの生姜焼き、名古屋コーチンのチキンカツ。愛知県出身である佐藤さんは「できるだけ東海地方の食材を使いたい」というスタンスを、2015年のオープン当初から貫いています。「お肉は必ずメニューに入れます。僕自身、コースの中にお肉があるとやっぱり嬉しいので。ハンバーガーや味噌カツを作ることも。自分がやりたいことをやっていますよ(笑)」。

「すっぽんのスープ パイ包み」は秋冬のディナーの名物

Foodport
「すっぽんのスープ パイ包み」。おまかせコース(15,000円)の一品。 foodport.jp.

「器が熱いので気をつけてください」。秋から冬にかけ「寛幸」を代表する碗物が「すっぽんのスープ」。しかし、目の前に現れたのは想像していたものとは全く異なるものでした。こんがりと焼かれたパイで覆われた碗から漂ってくるのは、芳醇なバターの香り。ザクッとスプーンを差し込んだ瞬間、出汁の香りが一気に花開き、洋から和の様相に早変わりします。具はシンプルにすっぽんと長ネギだけ。岐阜県・奥飛騨温泉郷で育ったすっぽんを使います。「温泉育ちのすっぽんは旨みの出方が格別です。パイはお麩のイメージですね」。中が見えないワクワク感やパイを崩していく楽しさも、家庭では味わえないもてなしです。

コースの締めは「季節の炊き込みご飯」

Foodport
「名古屋コーチンとごぼうの炊き込みご飯」には、ビー玉ほどの大きさの立派な銀杏も。 foodport.jp.

「開けますよ!」。ドンッとカウンターに置かれたのは、佐藤さんにとって必需品だという土鍋。「寛幸」のコースの締めは、季節の食材を使った炊き込みご飯です。蓋をあけた瞬間にふわりと湯気が立ちのぼり、その下から皮目をパリッと焼いた名古屋コーチン、ごぼう、そして肉に引けを取らないほど存在感を放つ愛知県・祖父江産の銀杏が顔を出します。米も地元・愛知県の「あいちのかおり」を愛用。「大粒で冷めても美味しいんですよ」。佐藤さんが杓文字でご飯をほぐすたびに、米が鍋肌にあたりパチパチと音を立てながら焦げる様子がまた、食欲をそそります。弾力ある歯応えと凝縮した旨みを持つ名古屋コーチンは、ご飯の炊き上がりに合わせ、直火でじっくりと塩焼きに。ほくほくの銀杏、鶏の脂が染み込んだご飯、仕上げに添えたゆずの香り。おなじみの「鶏ごぼうの炊き込みご飯」も、佐藤さんの手にかかれば極上のごちそうに変わります。

気の知れた仲間と楽しむ粋な料理

Foodport
シャンパンだけでも約10種類(10,000円〜)と幅広くラインアップ。お酒は持ち込みも可。 foodport.jp.

「貸切でワイン会を開かれる方もいらっしゃいます。もちろん社長さんクラスの方々もいらっしゃいますが、接待はほとんどなくて(笑)。ご夫婦や仲間内などで、のんびりと食事をされていく方が多いですね」。贅沢な食材と確かな技術で作られる日本料理でありながら、「寛幸」に求められているのは安らぎなのでしょう。

銀座で気取らずにいられる場所を

Foodport
foodport.jp.

落ち着きあるモダンな店内に並ぶ客席は6つのカウンター席のみ。チェック柄の椅子のカバーや、厨房前にかけられた長暖簾など、随所に取り入れられた布使いが温もりと心地よさを演出しています。「お客さんと接することが本当に楽しいです」。大将・佐藤さんからは、6名全員の顔が見られるようになっています。佐藤さんの大らかな人柄にも触れながら、料理を楽しんでほしいものです。

銀座の街で探し求められていたであろう「寛ぎ」と「幸せ」が、ここ「寛幸」には確かにありました。

寛幸ヒロユキ

寛幸
foodport.jp.

住所: 東京都中央区銀座4-10-1 HOLON-GINZA 6F

TEL:03-6264-3317

アクセス:東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座」 駅より徒歩 1分 、東京メトロ銀座線「銀座」 駅より徒歩 5分

営業時間:ディナー/月〜土 18:00~21:30(L.O.) ランチ/土・日・祝 12:00~13:00(L.O)※事前予約のみ

定休日:不定休

支払い方法:クレジットカード可(VISA / Master / JCB / Amex / Diners / DC)

URL:https://www.instagram.com/hiroyuki_sato1016/

写真・安野 敦洋 文・山本 愛理

元記事で読む
次の記事
の記事をもっとみる