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まさか…!家族のお出かけに怒った飼い猫がした驚きの行動とは!?

  • 2018.12.16
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猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。ご夫婦で本のデザイン&編集の仕事をされている籾山(もみやま)ご夫妻にも、そんな心当たりがあるようです。「トラ」との出会いは13年前。子猫の時から変わらないトラのあるスタイルが、おふたりに教えるものとは?

猫を飼うなんて思ってもみなかった

野良出身のオス猫・トラは13歳。人間でいうと70歳くらいでしょうか。「おとなしくて、シャイで、臆病で、ぼんやりしてて…」とトラの性格を話すのは、飼い主の籾山真之(もみやま まさゆき)さんと妻の伸子さんです。真之さんはグラフィックデザイナー、伸子さんは編集者&ライター。ご夫婦で「snug.」(「心地よい」の意)というデザインと編集の事務所をされています。

トラさんと籾山ご夫妻の出会いは13年前。近所の野良猫が、お二人の住む家の下に子猫を産んだのがきっかけでした。

「猫を飼った経験がなかったので、5匹の子猫を前に途方にくれました。そこで、ご近所の方たちにも相談して、地域猫として見守ろうということになり、周りの手を借りながら一年かけて全員を去勢・避妊手術したんです」(伸子さん)

「その中の1匹がトラです。去勢手術を終えて、そのまま家に連れ帰ったら、『外に出せ』と鳴くことも、暴れることもなく、すんなりと居ついて13年」(真之さん)

「猫を飼ったこともなければ、正直、飼いたいとも思ったことがなかったので、今でも不思議に思います」(伸子さん)

「なのに気づけば、もうトラのいない生活は想像ができない」(真之さん)

トラの「一番高い場所」と「一番の意思表示」

ともに暮らし始めた当初、トラは1歳。まだまだ子猫なのに、走り回ったりもしなければ、高いところにも上らない。甘えもしないし、威嚇もしない。「ただそこに居る」というスタイルを貫き通して、13年が経つといいます。

「家の中に階段があるのに、上ったり降りたりすることはありません。トラが唯一上る、一番高い場所は、そこにある低いソファです(笑)」(真之さん)

「何年か前に家を建て替えるため、仮住まいに引っ越したこともあったんですけど、特に反応することもなく、淡々と居てくれました」(伸子さん)

「トラの強い意思を感じるのは、家族でキャンプから帰って来た時くらいです」(真之さん)

「5歳の息子を連れて、週末は家族で泊りのキャンプに行くことが多いんですけど、帰って来ると、留守番をしていたトラが必ず粗相しているんです。怒りの意思表示だと思います。この間なんて、私たちが帰って来る音を聞いてから踏ん張ったであろう、ほかほかのソレが、私たちが上る階段の最上段、ど真ん中にしてあって(笑)」(伸子さん)

「まぁでも、前日にキャンプの用意をしている時から、すでにおもしろくない顔はしてるよ。『この道具を出すということは…』みたいな」(真之さん)

サウイフモノニ・ワタシハナリタイ

下の階がご夫妻の働く事務所、上の階がご家族の住まいになっている籾山さんの家。トラはいつも上の階にいて、階段でつながっている下の階に降りてくることはありません。そんなトラが、籾山さんご夫妻に教えたのは「ただそこに居る」という存在の大きさ。

「一日のほとんどが僕は下、トラは上。僕も特別何かしたり、トラも特別何かしてくれるわけじゃないけど、『ただそこに居る』のがわかっている。『ただそこに居る』という、そこはかとない安心感だったり、しあわせというにはささやか過ぎるほどのしあわせは、日々もらっているように思います。

休憩のために階段を上って、いつものようにソファに座っているトラに、話しかけるわけでもなくそっと触れるんです。たったそれだけのことが有難いなって」(真之さん)

トラの「在り方」を垣間見て、あの有名な詩の一節が浮かびました。「ミンナニデクノボートヨバレ・ホメラレモセズ・クニモサレズ・サウイフモノニ・ワタシハナリタイ」。期待されなくたっていい、その代わり自分も誰かに期待することなく、猫のように自分を生きる。そういう者に私もなりたい!精進が必要です。

さて、次回は、トラが教えてくれた「偶然と必然」についてのお話です。お楽しみに!

writer / 宇佐見明日香 筒井聖子

取材協力

snug.
http://www.snug-net.com/

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