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ルチア・ピカに聞く、ティルダ・スウィントンを際立てる女優メイクと、冬の注目トレンド。

  • 2018.12.13
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ルチア・ピカに聞く、ティルダ・スウィントンを際立てる女優メイクと、冬の注目トレンド。
2018.12.13 08:00
『VOGUE JAPAN』1月号のカバーおよび特集では、世界的女優のティルダ・スウィントンが登場。57年前にアラン・レネが監督した映画『去年マリエンバートで』をイメージし、美しいストーリーを展開している。


ティルダの美しい表情を際立てるメイクを手がけたのは、シャネルのグローバル クリエイティブ メークアップ&カラーデザイナーであるルチア・ピカ。今ストーリーのためのメイクのポイントと、彼女自身が注目するビューティートレンドを、VOGUE読者のためだけにこっそり教えてくれた。


「ティルダと初めて仕事をしたのは、数年前の『VOGUE UK』の撮影。なので出会いは少し前なのだけど、9月に行われたヴェニス映画祭で、シャネルがデジタル復元した『去年マリエンバートで』が特別上映された際、彼女に再会したの。素晴らしいディナーをともにして、いろんな話をしたわ。だからまた彼女と一緒に仕事ができて、とってもハッピー!」と笑顔で話し始めたルチア。


「今回のストーリーは、その『去年マリエンバートで』のヒロインのデルフィーヌ・セイリグがインスピレーション。メイクも60sを意識したけれど、だからといって古い感じや演劇っぽくなるのは避けたかったので、肌感をより立体的に仕上げたの。コンシーラーを駆使して、輪郭にはダークな色、目の下部分には明るい色、さらに頬骨にはハイライトをプラス。リップは、ちょっとロージィかつニュートラルな色を使い、でもキリッと存在感のある印象に。こうすることで、ミニマムなんだけれどすごく強くて、グラフィックな印象になったわ」


今回のメイクは、目もとが特にクールで印象的だが、意外にもステップはごくシンプル。「ジェルライナー(シャネルのカリグラフィー ドゥ シャネル 65)を使って、まぶたの内側から少し長めにラインを。ポイントは、ハッとする印象をつくるために、はね上げたりせず、とにかくまっすぐ引くこと! そして目尻部分の下には、明るいコンシーラーをこっそり仕込んでいるの。これがリフティング効果をつくって、ラインはまっすぐでも目もとはポップアップしてくる。これは誰にでもお勧めできる、ちょっとした隠し技ね。アイシャドウは使わず、上下のまぶたともコンシーラー(シャネルのパレット エサンシエル 150)でカバー。このパレット エサンシエルはとてもクリーミィで、重ねても決してヘビーにならないからすごく気に入っているの」


そしてリップも、リップライナー1本のミニマム仕上げに。「クレヨンタイプのリップ スティック(シャネルのル ルージュ クレイヨン ドゥ クルール 257)で、ほんの少しだけオーバーぎみに描くと、やや唇が大きくふっくら見えて、くっきり主張も出てくる。それでも、けっしてトゥーマッチにならないのがいいところ。輪郭を取ったら中も全部埋めて、完成」


最後に、彼女が今一番伝えたいビューティートレンドを尋ねると「シャネルから新しいマットコレクションを発表したのだけれど、これにもう本当に夢中なの! マットな唇にシャイニーな肌、またはマットな目もととシャイニーな肌など、質感の違いを楽しむのが面白いなと思っているところ。この冬は当面、マットというテクスチャーをより深くまで探求したいと思っているわ」

Photographer: Peter Lindbergh Fashion Editor: Jerry Stafford Featuring Actress: Tilda Swinton Hair: Odile Gilbert at L’Atelier(68) Makeup: Lucia Pica using Chanel Manicure: Anatole Rainey at B Agency Producer: Margaux Huguet for 2b Management Styling Assistant: Hisato Tasaka Text: Mamiko Izutsu

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