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【冬のアート散策4】『挑戦』展で安藤忠雄フィーバー。

  • 2018.12.10
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ポンピドゥー・センターで開催中の『安藤忠雄展〜挑戦』。プレス発表の際、安藤忠雄は少々遅れて会場に姿を現した。その瞬間、何が起きたかというと、まるでロックスターでも登場したかのように、瞬く間にカメラマンが彼を取り囲んだのだ。氏はにこやかに愛想よく対応。説明しながら会場を移動し、手にした青いペンで会場の白い壁にデッサン……シャッターチャンスを求めるカメラマンたちを、これまた刺激していた。

ポンピドゥー・センターの展覧会場前でポーズする安藤忠雄。

現在パリで開催されている「ジャポニスム2018」の一環として開催されている回顧展ではあるが、こうした枠を外しても、来年オープン予定のフランソワ・ピノーのコレクションを展示する「ブルス・ドゥ・コメルス」を手がけている彼ゆえに話題性は高い。

ブルス・ドゥ・コメルスの模型。手を付けられぬ歴史的記念建造物に指定されている建物を、いかにアート作品の展示の場とするか。コンクリートの円柱を建物内部に作り上げる。それがこの挑戦への答えだった。©Hervé Veronese Centre Pompidou

「空間の基本的造形」「都会の挑戦」「直島」「景観の形成過程」「歴史との対話」と会場は5つのテーマで構成されている。デビュー作の「住吉の長屋」から始まり、ブルス・ドゥ・コメルスまで未完のプロジェクトも含め約70作品を模型、写真、ドローイングなどで紹介。スライドで仕上げたミニフィルムも巧みな編集により、まるで建物を訪問しているような臨場感を得られるものだ。彼自身による鉛筆画、写真の展示も。パリっ子たちの間で日本の観光地として大人気の場所「直島」については、会場の中央の半円状のスペース内にインスタレーションが設置されていて、プロジェクトの全容を知ることができる。

フランスで建築に特別興味がない人にも、どれほど安藤忠雄の仕事が注目されているか、どれほど彼の知名度がフランスで高いか。来場者たちの好奇心に満ちた濃い空気が会場内に感じられるのも興味深い。

『Tadao Ando, le Défi』展会期:開催中〜2018年12月31日会場:Centre PompidouGalerie 3, niveau 1tel:01 44 78 12 33開)11:00〜21:00(木 〜23:00)休)火料金:14ユーロhttps://www.centrepompidou.fr/en

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