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ノロウイルスとロタウイルス「感染経路、予防、症状、対処法」【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第4回】

  • 2018.11.20
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冬が近づくと心配になるのが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。



保育園などで次々と感染したり、一家全員かかって散々な目にあったり……。インフルエンザ同様にママたちを震え上がらせる怖い感染症です。

ノロウイルスとロタウイルス。どちらも感染性胃腸炎で、その症状から俗に“おなかにくる風邪”“胃腸風邪”と呼ばれて一緒くたにされることが多い感染症ですが、違いはあるのでしょうか? 感染するとどのような症状? 感染を防ぐためにはどうすれば? くわしく見ていきましょう。

■ノロウイルス・ロタウイルス「流行時期は?」

ノロウイルスとロタウイルス、どちらも感染性胃腸炎の一つですが、何が違うのでしょうか? 流行時期から見ていきます。

国立感染症研究所の近年の患者報告数によると、年によって異なりますが、ノロウイルスは晩秋から流行り始め、12月から1月ごろにピークを迎えることが多いようです。子どもも大人も関係なくかかり、再感染することもあります。

一方で、ロタウイルスはノロウイルスやインフルエンザの流行が落ち着いてくる冬の終わりごろから流行り始め、3月から4月にかけてピークを迎えることが多いようです。乳幼児がかかりやすいのが特徴です。

ちなみに、感染性胃腸炎は一年中かかることがあります。

■ノロウイルス・ロタウイルス「症状、潜伏期間、感染経路は?」

ノロウイルスとロタウイルスでは症状にどのような違いがあるのでしょうか? また、見極め方や検査方法はあるのでしょうか?

【ノロウイルス】


【症状】
主な症状は嘔吐と下痢。急に激しい嘔吐に見舞われることが多いようです。1日から3日で治るケースが多いですが、脱水症状を招くことがあるので注意が必要です。

【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は12時間から48時間と短いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が高まりますが、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。

【感染経路】
経口感染、接触感染、飛まつ感染によって広まります。二枚貝、氷、サラダ、パンなどの食品を介して感染することもあります。便の中に大量のウイルスが排出されています。また、吐しゃ物の感染力も強いのが特徴です。保育園などでの集団生活により、流行することが多くあります。

【ロタウイルス】


【症状】
主な症状はノロウイルス同様に嘔吐と下痢です。下痢便が白くなるケースが多いのが特徴です。2日から7日で治りますが、脱水やまれにけいれんや脳症などの合併症を引き起こすことがあります。

【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は1日から3日とノロウイルスよりはやや長いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が強く、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。

【感染経路】
経口感染、接触感染、飛まつ感染。

【ノロウイルス・ロタウイルスの検査方法】


厚生労働省によると、ノロウイルス・ロタウイルスともに便の中のウイルスを検出できる検査キットを用いて、一般病院などで調べることができます。3歳未満、65歳以上には健康保険が適用されます。

結果が早く出るのはいい点ですが、感染していても陽性とならない場合があります。調べたい場合は、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。検査をしていなくても、流行状況から臨床診断する場合もあるようです。





■ノロウイルス・ロタウイルス「ワクチン接種で予防できる?」



ノロウイルスやロタウイルスを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?

共通していえるのは、手洗いやうがいなど一般的な予防法を行うことが大切です。アルコール消毒はノロウイルスには効かず、ロタウイルスにも効きにくいため、きちんと流水で石けんを使って手洗いをするようにしましょう。

ウイルスは、付着した水や食べ物、手を介したり、周辺に飛び散って感染します。そのため、感染した子どものおむつ替え後もしっかり手洗いをしましょう。

嘔吐物や下痢便のついた衣服は破棄するか、0.1%次亜塩酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたものなど)で消毒をします。

【ノロウイルスの予防法】


殺菌には、食品の場合、85℃から90℃で90秒以上の加熱。食器類は85℃で1分以上の加熱が有効です。

【ロタウイルスの予防法】


予防接種により、防ぐことができます。2011年から経口ワクチンの接種(任意)が始まりました。2回接種と3回接種、2種類のワクチンがあります。

2回接種の場合、1回目の接種の推奨期間は生後2~4カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。3回接種の場合、1回目の接種は生後2~5カ月の間に、3回目の接種は生後32週までにすませます。

生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。

【ノロウイルス・ロタウイルスの登校(登園)基準】


ノロウイルス・ロタウイルスともに嘔吐や下痢症状が良くなり、全身状態がよければ登校(登園)していいことになっています。保育園によっては登園許可書が必要となるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。症状がおさまってからも、引き続き手洗いをしっかり行いましょう。

大人がかかってもつらいノロウイルス。一日に何度も嘔吐や下痢になってしまっては、小さい子どもにとってはかなりつらい感染症といえそうです。

ロタウイルスは予防接種により防ぐことができます。任意接種のため、費用の負担はありますが、わが子をつらい目にあわせないためにも、また周囲に感染を広げないためにも、決められた期間のワクチン接種をぜひ検討しましょう。

また、日頃から親子で手洗いやうがいをしっかり習慣づけておきたいですね。

参考サイト:
・国立感染症研究所「ノロウイルス等検出状況」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-noro.html

・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=46

・日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=263

・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html


(コバヤシカヨ)

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