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ストールをアップデートする大人でいよう【30代からの名品・愛されブランドのタイムレスピース Vol.17】

  • 2018.11.13
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「いいストール」は、一生もの。カシミヤやシルクの上質な素材で、確かなクラフトマンシップのもとに生まれる1枚の布。羽織ったり、巻きつけたり、フレキシブルに着こなせば、時にはアウター1着に匹敵するほどの存在感を発揮する。縫い断ちされていないものを、自由に身にまとうというのも、まるで古代の服の起源、「装う」ことの原体験をたどるようで面白い。

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出典:@BAILAスコットランドの伝統的なチェックパターンを用いた「ジョンストンズ」のカシミアストール。ストール各¥62,000/リーミルズエージェンシー(ジョンストンズ)

暖かく、シンプルな服にアクセントを加えてくれるストール、やはり30代になったら、これから一生の付き合いになるものを手に入れたい。素材の質や値段のレンジが幅広いものだから、クローゼットにはたくさんのストールが眠っているという人も多いのでは? あるいは、何にでも巻けるからと、ずっと同じ1枚で過ごしている人もいるかもしれない。素敵に歳を重ねていくために、今回提案したいのは、上質なストールを数種類だけ、でも、自分の服に合わせてアップデートしていくという方法。名品ブランドには、伝統や製法に独自のストーリーがあり、だから美しい。自分のスタイルに合わせて、厳選した1枚を身にまとい、冬をエレガントに過ごしてみて。

【select point】
・カシミアやシルク、リッチな質感の天然素材を選んで。
・名品なら、定番のチェックかきれいな発色の無地を。上質感に差が出る。
・色違い、大きさ違いをコレクションして、コーデによって使い分けて。

上質な肌触りに包まれたい! ストールの名品5

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出典:@BAILA【JOHNSTONS】 創業から200年以上の歴史を持つ、イギリス伝統のブランド「ジョンストンズ」。大判のカシミアストールは、魅惑の肌触りで、日本でもファン多数。トップページで紹介したタータンチェックが定番だけど、ターコイズのラインが新鮮なベージュのチェック(左)や、発色の美しい無地ストール(右)もおすすめ。アウターの上から、たっぷりと広げて巻いて。 ストール各¥62,000/リーミルズエージェンシー(ジョンストンズ) 問)リーミルズエージェンシー TEL 03--5784-1238
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出典:@BAILA【FALIERO SARTI】 もとはイタリアの最高級テキスタイルメーカーとして有名な「ファリエロ サルティ」。トップメゾンから信頼されるその技術を結集し、創業者の娘、モニカがストールブランドとして1995年にスタート。シルクウールを薄く、繊細に織り上げた軽やかなストールは、コートの内側にゆるりと結ぶとフェミニンな印象に。辛口なモノトーンチェックも素敵。 ストール(右)¥32,000(左)¥42,000/アッシュ・ぺー・フランス(フェリエロ サルティ) 問)アッシュ・ペー・フランス(本社) TEL: 03-5778-2022
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出典:@BAILA【BRUNELLO CUCINELLI】 高級カシミアニットで有名なイタリアンブランド「ブルネロ クチネリ」。細かなスパンコールを糸に撚りこんだ「ダイアモンドストール」は、職人の技術が光るカシミア、シルク混紡で、毎シーズン新色が登場。シルクスカーフのように、様々な巻き方を楽しめる。 ストール各¥79,000/ブルネロ クチネリ ジャパン(ブルネロ クチネリ) 問)ブルネロ クチネリ ジャパン TEL 03-5276-8300
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出典:@BAILA【CRUCIANI】 イタリア発のニットブランド「クルチアーニ」は、美しい光沢のあるシルクカシミアのアイテムで一躍有名に。同素材のシンプルな薄手のストールも、とろけるような質感にうっとり。つややかな発色で、季節ごとに色を揃えたくなる。ショールのように大判で、たたむとコンパクト、旅先にも持っていきたい1枚。 ストール各¥57,000/クルチアーニ銀座店(クルチアーニ) 問)クルチアーニ銀座店 TEL 03-3573-6059
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出典:@BAILA【BEGG & CO】 1866年、手織りショールから始まったスコットランドの老舗織物メーカー。天然素材にこだわり、世界的なファッションブランドからのオーダーも数多い。そのカシミア100%ストールは、柔らかで艶やか、一生ものの品質を楽しむなら、あえてシンプル&ベーシックな無地を選んで。肩からゆったりと羽織り、アウター感覚で。カシミアのぬくもりを感じて。 ストール各¥69,000/ボーダレス(ベグ アンド コー) 問)ボーダレス TEL 03-3560-5214

「ジョンストンズ」は、1797年、スコットランド北東にあるエルガンの街で創業した。カシミア、メリノウール、ラムズウール、キャメルヘアーなどの高級生地を、全て自社工場で一貫して生産する織物メーカーは英国でも珍しい。19世紀のスコットランドには、同じ地域で働き生活する人を特定するための『エステートツイード』という織り柄が、生活の中で用いられてきた。同じ氏族を特定する織り柄『タータンチェック』と同様、この地に根ざした柄織物の生産が「ジョンストンズ」のメーカーとしての始まりであり、現在の製品にも、『エステートツイード』を起源とするパターンが多く選ばれている。

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出典:@BAILA創業当時の織物工場の写真より。刈り取ったたくさんの羊毛と職人たち

200年以上の長きにわたり『最高のもののみがすべて』という経営理念に基づき、熟練の技術と確かな品質で生産を続ける「ジョンストンズ」。現在も、自社工場で、原毛の厳選、染色、紡績、織りを一貫して生産している。独自の染色レシピで原毛を染め、それを撚ってさまざまなタイプの糸を作り、織り機にかけて、細やかな仕上げが施されて作られた一枚のストール。そこには、スコットランドの伝統と、産業革命時代からの技術のストーリーも織り込まれている。

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出典:@BAILA創業者であるジョンストンズ家とハリソン家の集合写真。19世紀初頭のスコットランドにて。

文・久保田梓美 撮影/富田春菜

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