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寡黙でツンデレ。三毛猫の密かな愛情表現とは…【猫カレ】

  • 2018.11.8
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シャム猫、三毛猫、マンチカン……可愛い猫たちが、もしも人間の彼氏になったら?

とびっきりツンデレだったり、ドSだったり、甘えん坊だったり……。

見た目も性格もそれぞれ違う8人の「猫カレ」たちが、飼い主であるあなたに甘いひと時をお届けします。

さて、寡黙でツンデレな三毛猫カレの場合は……?

猫カレ 三毛猫

******
プロフィール
品種:三毛猫
年齢:32
職業:剣道の師範
性格:寡黙でツンデレ
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「「めえええええんっっ!!」」

――ム。
思わず、眉間にしわを寄せる。

隣町の道場と行った交流試合は、劣勢と認めざるを得ない。
確かにあちらさんは地区大会優勝を目指す強豪。
対してこちらは、町の子供たちが集う小さな道場。

だからといって、
「敵は強いですから、しかたないですよね」
なんて、笑顔で試合を投げるわけにもいかない。

交流試合、面倒を見ているちびっ子たちの親御さんたち。
だれもが必死の表情だ。

「いつもクラスの子にいじめられてて……やり返せる力をこの子へあげてください!」
「体が弱くて、少しでも強い子に育ってくれれば」

と、願いを託して預けてくださったからには、
試合を投げるわけにはいかない。

そして何より、どんな親御さんにも負けない声で
「がんばれえええええっ!!」とさけぶ、お前の声が聞こえるから。

剣道の道場とはいえ、交流試合で師範は戦わない。
だから師範である俺の試合は当然見られない。
公式の試合でもないから、座る席すら碌にない。

それなのにわざわざ見に来るなんて……。
よっぽどの変わり者だよ、お前は。

「声が大きすぎる。試合の邪魔をするな」
と、休憩時間にクギを刺したら
しおれた花のように、みるみる小さくなった。

――ム。
そういうつもりでは、ないんだが。

試合後半、静かになった会場で竹刀の音が響く。

だが、俺の耳にはしっかり届いた。
「がんばれ……! がんばれ……!」
こっそりと応援している、お前の声が。

なにせ猫だから、耳はいい。

ヒトの子どもは、大人より聞き取れる音域が広いそうだ。
だからきっと子どもたちにも、お前の声は届いているだろう。

「「どうーーーー!」」

見事な打突。
最後まで決めきる、みごとな動き。
最後の試合で、道場の子が勝ちをもぎとった。

「すごかったね、最後の試合!」
笑顔が止まらない、という様子でお前が飛び跳ねる。

「――ああ」
「試合見てたあの子のお母さんが泣いちゃってね! もうつられて私も涙が出てきたよ」

「――ああ」
「……ねえ、さっきから『ああ』ばっかり。ちゃんと聞いてる?」

むくれるお前を見て、罪悪感が湧いて出た。
お前がかわいくて、集中できなかった。

……とはさすがに言えなくて。
「……ああ」
とだけ、俺は答えた。

口数の分だけ愛があるというなら、お前を愛していないことになるけれど。
せめてどれほど思っているかだけでも、お前に届けばいいと願う。

***

三毛猫カレに愛されるヒント

・彼は話ベタ。あなたが話しすぎるくらいが、彼にとってはちょうどよさそう。無理に話を聞きださないで、思ったことを話して大丈夫。

・ぱっと見て不機嫌に見えても、カレはそうじゃありません。不安になったら「怒ってるの?」と直接確認しちゃいましょう。勝手に「嫌われたかも」と思いこむと、とんだ誤解をすることになります。

・笑顔だけが、あなたの魅力じゃありません。怒ったり、悲しんだり、笑ったり……いいところだけを見せようとせず「自由にしていていいんだ」と自信を持ってふるまって。

(トイアンナ/ライター)

猫カレ 三毛猫

次回の猫カレは……? 11月15日(木)公開予定です!

(愛カツ編集部)

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