1. トップ
  2. 町を見つめることで、真のアメリカが見えてくる。『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』【今月のプロ押し映画!】

町を見つめることで、真のアメリカが見えてくる。『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』【今月のプロ押し映画!】

  • 2018.10.29
  • 1065 views


町を見つめることで、真のアメリカが見えてくる。『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』【今月のプロ押し映画!】
2018.10.27 10:00
ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンが40作目に選んだ地は、ニューヨーク・クイーンズ地区にある『ジャクソンハイツ』。世界中からの移民とその子孫が暮らし、ニューヨークがニューヨークであるために、なくてはならないこの町のリアルな姿を映し出す。

(C)2015 Moulins Films LLC All Rights Reserved

【さらに写真を見る】町を見つめることで、真のアメリカが見えてくる。『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』【今月のプロ押し映画!】



3時間と少し。ずいぶん上映時間の長い映画だが、マンハッタンから川を越えてすぐ、クイーンズ地区の一角にあるジャクソンハイツにドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマンがカメラを据え、再開発の波に飲み込まれかけているこの街の人々と日々の暮らしを映し取った。


人種のるつぼと言われるニューヨーク市の中でもさらに人種が入り乱れ、167もの言語が喋られているそうだが、街を歩いて真っ先に聞こえるのはスペイン語。次が英語。そして色とりどりの言語。


ここには移民やLGBTの人々、不法滞在者、屋台の商売を出発点に街に根を下ろそうとしている人や再開発に追い立てられようとしている商店主などが住む。教会があり、回教徒のモスクもユダヤ教のシナゴーグも、コインランドリーやレストランもあって生活がある。それを丁寧に映し取る取ることから見えてくるこの街の本当の姿や歴史。


ワイズマンの映画はいつも長く、『パリ・オペラ座のすべて』『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』など、観ていて行った気分にさせられるのも楽しい。

『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』

公開中

配給/チャイルド・フィルム、ムヴィオラ
http://child-film.com/jackson/

元記事で読む
の記事をもっとみる