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子どもをたたいてしまう親「ダメと分かっているのに…」その心理は?

  • 2018.10.29
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子育ては思うようにいかないことが多いものですよね。日々のなかで解消されない行き場のない感情は、時として爆発してしまうこともあるかもしれません。子どもを持つお母さんたちのなかには「わが子をたたいてしまいそうになる」あるいは「たたいてしまったことがある」という人もいるようです。

今回は、子どもに手をあげてしまう心理状態と、気持ちの整理の仕方について考えていきましょう。

■子どもをたたいてしまう親「どんな時、どんな気持ち?」

子どもをたたいてしまいそうになる、あるいは、たたいてしまうのはどのような時なのでしょうか? それは、子どもを手っ取り早く自分の言う通りにさせたい時や、思い通りに動かしたいのに、そうならない時ではないでしょうか。

例えば、出かける予定があるから、早く食事を食べて着替えをしてほしい。終わらせなければならない家事があるのに「ねえねえ」とまとわりついて、静かにしていてほしい…などなど。

「たたく」という行為は話したり諭したりすることより、はるかに簡単に子どもを操作することができますよね。けれど、それがしつけといった意味合いを含んだとしても、たたくことは暴力です。そして暴力を使うということは、恐怖や苦痛で子どもを支配していることになります。

■子どもをたたいてしまう親「手が出てしまうのはどうして?」

子どもを傷つけたいと願う親はいないはずです。では、どうしてわが子をたたいてしまう親がいるのでしょうか?

ここからは、親の視点から考えてみましょう。たたいてしまう親には大きく分けて、下記の2つのタイプがあるように思います。

【たたくことでストレス解消をしているタイプ】


子育ては本当に疲れます。子どものペースに合わせていると時間に余裕がなくなり、イライラしてしまうことも多くあるでしょう。子どもをたたくことによって、そうしたイライラを解消していませんか?

人によっては育児以外のこと、例えば、仕事や人間関係で生じたストレスまで子どもにぶつけてしまうこともあるようです。たたくことで自分自身のストレスを解消しています。

【親にたたかれて育ってきたタイプ】


子どもを持つ親のなかには「自分もたたかれて育ってきた」という人がいます。このタイプの人はたたく=しつけととらえているので、悪いことをすればたたかれても仕方がないという認識を持っています。しつけという大義名分で、自分自身もたたかれて育ってきたため、子どもをたたいて育てることに抵抗感を感じないのでしょう。

たたくことを「しつけ」と正当化している人は「自分が親からされてきたことはきっと正しいはずだ」と信じているのかもしれません。そのため「たたくことを否定することは、自分の親まで否定することになる」と心のどこかで感じているのではないでしょうか。

しかし、たたくことは何度も言うように暴力です。親から暴力をふるわれる小さな子どもは「イヤだ」「やめてほしい」と抵抗することができるでしょうか。親からたたかれた子は、たたかれることを受け入れるしかできません。




■子どもをたたいてしまう前に「親自身でできること」



では、子どもをたたいてしまいそうになった時、どうやったらそれを止めることができるのでしょうか?

ここからは、対処法を子どもの年齢別に考えていきましょう。まずは、生まれたばかりの新生児から1歳くらいまでの子どもに対する対処についてご紹介します。

【新生児〜1歳くらいの親の場合】


産後は赤ちゃんのいる生活に慣れず、精神的に余裕がない状態です。子どものぐずりに時間がかかり、精神的にいっぱいいっぱいとなることもあるでしょう。1歳くらいまでは、親の言葉も理解できないので、言い聞かせることもできません。

そんな時は、すべてにうまく対応しようと思わなくて大丈夫です。

もしも「いまイライラしている。子どもをたたいてしまうかもしれない」と感じた時は、例えばクッションなどを活用しましょう。子どもと少し離れた場所でクッションを投げたり、ボスボスとたたいてストレスを思う存分解消します。

【1歳~幼児期の親の場合】


言葉がある程度分かる年齢になってきたら、子どもには言い聞かせるという手段ができる一方、そのやりとりによって余計にイラついたり、カッとくることが増えてきます。

言葉ではあなたの思いが子どもに伝わらず、たたきそうになった、もしくはたたいてしまった後に罪悪感を感じ、自分を責めてしまうことがあったら、(子どもにすぐ「たたいたことはごめんね」と謝ったうえで)「ママは今、たたきたくなるくらい怒っているの」と口に出してしまいましょう。そして「ちょっとママ考えてくる」などと言って一旦、子どもと離れてみてください。

親自身は「子どもをたたいてしまう自分、たたきそうになる自分」を見つめなおすチャンスです。例えば、子どもをたたくのは自分の憂さをはらすためではないか、自分自身に問いかけてみてください。たたく行為に少しでも違和感を感じているなら、「なぜ自分はたたこうと思ったのか」を考えてみましょう。

また「自分もたたかれて育ったから、しつけのうえでたたくのは当たり前」と思っているなら、同じことをする前に、自分自身がたたかれていた時にどう感じていたかを思い出してみてください。たたかれて痛くなかったか、怖くなかったか…。そのうえで、わが子はたたかれたらどう感じるだろうかと、想像してみてほしいのです。

それでも、もし感情的になって手を上げそうになった時は、子どもとは別の部屋に移動して気持ちを落ち着かせる方法もあります。子どもが、つきっきりで見守らなくても大丈夫な年齢なら、少しの間だけ隣室で1人になるなど冷静になる時間を設けることで、イライラをやわらげることができるかもしれません。

また、子どもが1歳くらいまでの対処法と同じく、クッションをボスボスするのもいいでしょう。

子どもをたたいてしまいそうになる時、たたいてしまった時。まずは自分が「子どもをたたきたくなる心理状態」にあることを受け入れてあげましょう。それから、どうやったらそこから抜け出せるかを考えていきましょう。

(佐藤栄子)

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