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身体ナビゲーションVol.41「食欲を司るホルモン2つ」

  • 2015.3.6
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こんにちは、健康管理士のSAYURIです。

日本人はダイエットといえば、まず食事制限を思い浮かべる人が多いと思いますが、多くの人が挫折してしまったり、食欲が満たされない欲求不満が爆発してドカ食いをしてしまったりと望まない結果が出ているように思います。実はこの食欲にもホルモンが関係していることをご存じでしょうか?

今回は食欲を司る2種類のホルモンについて解説したいと思います。

●食欲を抑えるレプチン

食事をすることによって、食べ物をかんだり胃が膨らんだりします。この刺激が脳の視床下部にある満腹中枢に伝わります。また、食事で摂取した脂肪が吸収されると脂肪細胞からはレプチンが分泌され、満腹中枢に刺激を与えます。

こういった働きからレプチンは“満腹ホルモン”といわれています。レプチンはこの他にも肝臓や筋肉などに働きかけ、体内にあるエネルギーの消費を促す働きがあるのですが、脂肪過多(肥満)の人は主に視床下部にあるレプチンを受け取る受容体が反応しにくく、食欲を抑制しにくいといわれています。

このようにレプチンがたくさん分泌されているにもかかわらず、その作用が十分発揮されない状態を“レプチン抵抗性”といい、その要因として脂質の過剰摂取などが挙げられています。

●食欲を増進させるグレリン

食欲を抑制する働きをするレプチンとは逆の作用をするのがグレリンというホルモン。グレリンは空腹時に胃から分泌され、脳の視床下部にある摂食中枢を刺激して食欲を感じさせる働きをします。グレリンは空腹時だけでなく、好きな物を食べているときにも分泌されることが分かっています。これが俗に言われる“別腹”ですね。

このようにグレリンとレプチンは相反する働きがあり、レプチンが増えるとグレリンが減って食欲を抑えられますが、レプチンが減ってしまうとグレリンが増え、食べたい衝動を抑えられなくなってしまいます。

●レプチンとグレリンのバランスを整えるポイント3つ

レプチンの分泌は自律神経と密接に関係しているので、ストレスや不規則な生活は自律神経を乱し、レプチンの分泌を低下させてしまいます。また空腹を感じているワケではないのに、「目の前に食べ物があるから」「イライラするから」とつい食べてしまうような生活を続けていると、グレリンが過剰に分泌されたりして“偽の食欲”につながってしまいます。

そうならないためにも以下の3つのポイントを抑えた生活習慣を心掛けるといいでしょう。

●(1)規則正しい生活をする

不規則な生活は自律神経のバランスを乱しレプチンの分泌が減少する原因にもなります。また睡眠時間が短いとレプチンの分泌が減少し、グレリンの分泌が増加することも分かっているので、十分な睡眠を取るよう心掛けましょう。

●(2)バランスの良い食事をする

空腹感を感じていなくても、ついダラダラと食べ続けてしまったり、揚げ物の多い食事が続くとグレリンの分泌が過剰になるので、規則正しく、バランスの良い食生活を心掛けましょう。

●(3)自分なりのストレス解消法を見つけましょう

ストレスが過剰になると自律神経のバランスが乱れ、それがレプチンとグレリンの分泌量に異常をきたす原因にもなります。呼吸を意識するヨガや規則正しいリズムで行うウォーキングなどの運動を取り入れてみたり、リラックスできる音楽を聴くなどの自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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