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不妊治療・妊活に協力的でない彼に協力してもらうには?【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2018.10.23
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8月に不妊治療をテーマとした『鈴虫』という中編小説を出版したら、即座に何人もの人から「実話ですか?」と聞かれました。「実話だと小説としてではなく、ノンフィクションとして売り出します」なんて、つれない返事ができるわけもなく「いや、まあ」とお茶を濁しました。 小説って、「小説的な書き方」をするから小説になるのであって、実話をもとに書いたとしても、そこにはいわゆる小説的な嘘が含まれているものです。 さて今回は、不妊治療に協力的でない彼に協力してもらうにはどうすればいいのか?について、一緒に見ていこうと思います。

とにかくよく話し合うこと!これに尽きる

不妊治療にかかわる肉体的な負担は、言うまでもなく女性が一身に受けることになります。

「もし子どもを授かれなかったら」という不安や恐怖、それに加え、治療のために会社を早退する時の心苦しさなども、女性が一身に受けることになります。

彼にできることは……まずは言うまでもなく、彼女が安心して治療を受けることができる経済的な環境を整えることです。

心身の苦痛と経済的不安、それらすべてを女性が引き受けなくてはならないとなれば、女性はもう地獄ですよね。 がしかし、「頑張っても今月も妊娠しなかった」という結果を聞いて、ある旦那さんは近所のスナックに飲みに行くそうです。半分やけ酒みたいなことだろうと思いますが、「そのお金、婦人科に渡せば?」ですよね。

彼に悪気はない、理解できていないだけ

当たり前みたいに聞こえるかもしれないけれど、不妊治療に協力的でない彼に協力してもらうには、まずは夫婦でよく話し合うことです。これに尽きます。

男はなにも悪気があってスナックに行くわけじゃあないんですよね。また、悪気があって「今日の治療も大変だったよ」と言う奥さんの話を聞き流しているわけでもないんですよね。男として、不妊治療がいかに大変かを理解・想像できないから、女性がカチンとくる(あるいは悲しくなる)言動に出るのです。

そのような男に、妊娠の大変さをリアルに想像できるまで理解させようと思えば、これはもう話し合うしかないです。 女性は小6か中1の時に、女子だけ集められて妊娠の話を先生から聞かされたと思います。その時、男子が何をしていたか知ってますか?自習です。あるいは自習とは名ばかりのおしゃべり大会。

それ以降、男が女性のカラダについて知る機会は……保健体育の授業で「男」の先生がちょろっと教えてくれて……あとはエロ本の世界でしょう。 つまり男って、女性のカラダのことや妊娠のことを、ほぼ何も知らないのです。だから女性が言って聞かせるしかない。

不妊治療の「ゴール」を旦那さんと共有しよう

とはいうものの、不妊治療をしていればお金はどんどん消えていくし、婦人科に通っていれば夫婦ですれ違いの生活になりがちだしで、どうしても、「気がつけば今週は夫と10分しか会話してない」ということになりがちだったりします。

夫婦で話をする時間を「強制的に」たくさんつくる――この意識を旦那さんに刷り込むことです。それしかないです。 男って、不妊治療をすれば妊娠すると、牧歌的なことを考えているところがあります。だから、治療の終わりをいつにするのかを考えたことのない人が大勢います。「治療の終わりは妊娠した時であって、それ以外の終わりって、わたしが妊娠しないとわかった時だって言いたいわけ?」というトークは「なし」です。治療の終わり、つまり妊活のゴールが漠然としているがゆえに、夫婦がすれ違うこともあるのだから。

いったんすれ違ってしまった夫婦の心には、鈴虫が鳴くのみです。それはあなたにとっても旦那さんにとっても、生き地獄以外のなにものでもないのです。そうなる前に、まずは夫婦でおしゃべりをば。

(ひとみしょう/作家)

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