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察しない夫「生かすも殺すも“伝え方”次第」【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第1回】

  • 2018.10.21
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夫から言われた言葉に「カチン」ときたことはありませんか? 逆に、自分が発したなにげない一言に夫がイライラ。そんな最悪な状況、子育て中のママなら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

新婚当初はラブラブで、夫とはなにを話しても楽しかったのに、出産を機に、話題は子どもの話が中心に。仕事や育児に追われていると、気づけば夫との会話は乏しくなり、夫婦仲も冷めてしまい…と、負のループにおちいってしまうことはよくあります。

一番近い存在だからこそ、本当はケンカなんてしたくないのに…。夫との良好な関係を保つための“ヒント”を、『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出したばかりの作家で心理カウンセラーの五百田達成さんに教えてもらいました。

「夫のことは愛しているけれど、今さら口に出して自分の気持ちを伝えるなんて気恥ずかしい。でもやっぱり、ずっと仲良くしていたい」。そんな夫婦間のジレンマを解消するには、「日常の会話を意識することが大切」だと五百田さんはおっしゃいます。

一体、どんな会話が効果的なのでしょう?

五百田達成さん プロフィール


作家・カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(新潮文庫)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
HP:五百田達成オフィシャルサイト



■コミュニケーション障害?「敵をつくらない」回りくどい言い方

――日常生活を送るうえで欠かせない「会話」。あまりにも当たり前すぎて見逃しがちですが、そもそもなぜ会話に着目したのですか?

五百田達成さん(以下、五百田さん):私は普段から言葉の本来の意味や正しい使われ方を気にしていて、例えば、レストランでの注文時に「◯◯でよろしかったですか?」と店員さんに聞かれると、すごく不自然に感じてしまうんです。ほかにも、「五百田さんのためを思って言うけど」と相手から言われても、内心「本当に私のことを思って言っているの?」と疑問に思ってしまったり。

じゃあ、どうしたら心がザワつかない言い方になるのか? 自分なりにずっと考えていたのですが、どうやら、ストレートに言った方が相手は不快にならず、かつ明確に伝えられることが経験上分かりました。

例えば、コーヒーが飲みたい時。カフェの店員さんに「おい、コーヒー」ではあまりにも無礼ですが、かといって「なんだか、のどが渇きました」では、回りくどくて相手にはまったく伝わりません。ここは「コーヒーを一つお願いします」と注文すればいいわけです。

特に、大人の女性はとても気をつかうので、なるべく角の立たない会話をしがちですが、もっと主観的に気持ちを伝えてもいいのではと、よく感じるんですよ。

――確かに最近、回りくどい言い方をよく耳にする気がします。現代の社会背景が関係しているのでしょうか? それとも、もともとの国民性なのでしょうか?

五百田さん:おそらくSNSの定着が理由のひとつでしょうね。失礼なこと、変なことを言うとすぐ炎上してしまう昨今、穏便で無難なゆるい人間関係が好まれるようになりました。

つまり、面と向かってストレートに話すこと、生のコミュニケーションに多くの人が逃げ腰になっているので、会話も遠回しな言い方になってしまう。「◯◯してもらうことって可能ですか?」なんて言わずに、ストレートに「◯◯してください」と言えばいいのに。

日本人の和を重んじる国民性も関係していると思います。確かに、日本人特有の角の立たない会話もいいですが、もう少しストレートに言っても問題ないと思いますよ。

要は伝わり方がすべてですからね。回りくどく言って相手に理解してもらえないのでは、コミュニケーションとしては失敗です。それよりも、ストレートに、フラットに伝えて相手に思い通りに動いてもらう。これこそが本来のコミュニケーションであって、得する話し方なのですから。

それと、会話するうえで意識したいのが、明るくポジティブであること。毒舌を売りにしている芸能人やコメンテーターがもてはやされていますが、彼らはプロ中のプロ。素人の私たちが皮肉や悪口ばかりを言っていたら、相手はうんざりしてしまいます。

それよりも、いつも前向きな会話をしているほうが、結局はみんなに好かれます。




■察しない夫「わかっているはず」は禁物!



――ストレートでフラット、そして明るくポジティブな会話が、円滑なコミュニケーションには大切なのですね。でも、肝心の夫に、今さらそんな話し方ができるかどうか心配です…。

五百田さん:大丈夫です。どのご家庭も、同じような悩みを抱えていらっしゃいますから! まず言えるのが、世の夫は奥さんの心情を察しない、ということです。残酷な言い方ですが、これが事実です。

夫婦はもっとも近い関係なので、つい阿吽(あうん)の呼吸で会話をしがちですが、相手には通じていないことが多いのですね。例えば、「今日よろしくね」と奥さんがお願いしたとしても、夫にはほとんど意味が通じていません。

ここはもっと具体性を持たせて、かつストレートに「今日、◯◯時に子どものお迎えよろしくね」と言うのが正解です。

大事な相手だからこそ、コミュニケーションをサボってはいけないのです。初めての仕事の取引先と同じように、状況や要望をきちんと説明する。しかも毎回。それが大事です。

■妻が社長、夫はアルバイト!?「言いすぎず、やり過ぎず」

――相手はわかってくれているだろうと、つい会話に手を抜いてしまいますが、家族だからこそ真剣に話す必要があるのですね。

五百田さん:その通り。特に夫には120%の気持ちで話すようにしましょう。長年一緒にいると会話が乏しくなる夫婦もいますが、ここも120%の会話を意識すればいいのです。

「今日は何時に帰宅?」「雨が上がったね」、どんな些細(ささい)な内容でもいいんです。とにかく声をかけ合ううちに、新婚当初のような会話のたえない夫婦に戻れるはずですよ。

また、子育て中のママから、「夫が家事や育児に消極的」なんて嘆きの声を聞きますが、これも当然のこと。なぜならやりたくないから(笑)。なかには家事も育児も進んでこなすイクメンの方々もいらっしゃいますが、基本、夫というものは家では働きたくない生き物です。

だから、夫が家でゴロゴロしていたとしても、いちいちイラっとしないように。ここは冷静に、「◯◯やってくれる?」とストレートに、笑顔でお願いするのが賢い会話の仕方です。

家の中では、妻が社長、夫はアルバイトぐらいの気持ちでいれば、相手に高いパフォーマンスを求めることもなくなりますよ。

――仕事の取引先のようにフラットに付き合う。そうすれば余計な感情も生まれず、結果として夫と衝突することもなくなり、夫婦仲も良好な関係が保てそうですね!

五百田:特に女性は感情的になりがちですが、常に冷静さをキープして。たとえ夫が仕事で疲れて帰ってきても、過度なやさしさは必要ないと思います。

おだてたり、持ち上げたりすると夫は家庭で手を抜くようになるので、結果として奥さんにタスクが増えて疲れるだけ。仕事も育児もしているのに、これ以上負担をかかえないためにも、夫にはフラットな対応がベストではないでしょうか。

「◯◯までに◯◯してほしい」などとストレートに伝えれば、夫もひとりの大人として、甘えることなく奥さんの要望に応えてくれるはずです。

夫は唯一無二の存在だからこそ、真剣に、丁寧に対応することが大切だと思います。

仕事や育児で日々追われていると、夫との会話をおろそかにしがちですが、そんな時は深呼吸。いったん冷静になって伝えたいことをストレートに言えば、相手も不快に思うことなくすんなり受け止めてくれることでしょう。

一番近い存在だからこそ、全身全霊で会話につとめる。ぜひ今晩、ご主人と今日あったできごとで盛り上がってみませんか?

参考図書:
『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)


ベストセラー著者であり、話し方のプロフェッショナルである五百田氏渾身の話し方の決定版。話し方のちょっとした違いで、「損する人」にも「得する人」にもなる。よかれと思ってやっていたこと、ダメだなと思いつつ言ってしまっていること、その「損する話し方」を「得する話し方に」変えるだけで、こじれていた人間関係が改善したり、あたらしい出会いが広がる!? 本書では、各項目で「損」「得」2つの話し方を紹介。

取材・文/長谷部美佐

(ライターチーム123)

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