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迷惑ばかりかける人生「自分に価値が見い出せない…」【心屋仁之助 塾】

  • 2018.10.11
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メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「他人に迷惑しかかけていない人生。自分に価値がないと感じてしまう」という、かなさん(25歳・フリーター)に、心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。

■かなさんのお悩み

私は親の期待を裏切り、実家でフリーターをしています。

よくしていただいた会社も、二度裏切るような形で退職しました。他人に迷惑しかかけていない人生です。

子どもの頃の家族の言動や兄の友人から受けたいじめが原因なのか、自分に対する無価値観がぬぐえません。「生きていくだけで迷惑をかけ続ける存在」だと思ってしまいます。

私はどうすれば変われるのでしょうか。

※一部、質問内容を編集しています。



■心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんより

かなさん、ご質問ありがとうございます。

「私はどうすれば変われるのでしょうか」という文章でご相談がしめくくられています。つまり今、かなさんは「こんな自分はいけない」と思っているのですね。

でも、私はこの文面を何度読んでも、かなさんが「いけない人」だとはまったく思いませんでした。むしろ自分に正直に生きている方だなと感じました。

もちろん、かなさんご自身が苦しんでいらっしゃる様子はよく伝わってきました。「こんな自分はダメ、あんな自分はダメ」と自分を否定してしまう。かなさんの中にある“理想の自分”と“現実の自分”が大きく隔たっているので、苦しさを感じてしまうのでしょう。

「どうすれば変われるのでしょうか」という問いかけは、つまるところ「どうすれば理想の自分になれますか?」ということになるかと思います。

結論を先に申し上げますね。かなさんは変わる必要はありません。ただ、気づいていただきたいことがいくつかあります。

かなさんはご自身のことを「生きていくだけで迷惑をかけ続ける存在」と書いています。

でも、ぜひ考えてみてください。「ただ生きていく」という純粋な行為だけを考えてみても、人に迷惑をかけずに生きられる人はいません。

どんな人も家族や周囲の人、赤の他人にも、多かれ少なかれ迷惑をかけながら生きています。食事だって、誰かが育ててくれた作物をいただいています。排泄(はいせつ)だって、誰かが水の処理をしてくれているから問題なく清潔に行えているのです。

誰の手も借りず、迷惑もかけず、ひとりですべてをこなしながら生きていくのは、この現代社会で不可能です。むしろ、そのように人に迷惑をかけながら生きていくのが、人間らしい生き方ではないでしょうか。




こう書くと、かなさんは「いやいや、私は迷惑をかけているだけで、誰の役にも立っていない」とおっしゃるかもしれません。でも「迷惑をかける」ことは、同時に誰かの役に立っていることも多くあります。

例えば、誰かが育ててくれた作物をいただくことにしても、作物を育てた方にとっては「収入」や「自分が作った野菜や果物を消費してくれた喜び」につながってもいます。

人が生きていくことは、それだけで誰かに迷惑がかかっているし、役にも立っています。一方的に誰かに迷惑をかけるだけの人、誰かの役に立っているだけの人というのは、この世の中にいないのです。



「そうか、私、生きているだけでいいんだ」
「そうか、私、生きているだけで役に立っているんだ」

ぜひ上記の言葉を、口に出してつぶやいてみてください。かなさんはなにも変わらなくていいし、変わる必要はありません。

かなさんは「役に立つ」イコール「親や周りが期待するような人でなければいけない」と感じているのかもしれませんね。ご相談にも「裏切る」という言葉が二度出てきました。でも、そうできないことは、本当に「裏切り」なのでしょうか。

誰かの期待するような人になりたいけれどできない、そんな自分に従った結果、退職してフリーターという立場になりました。その選択は、なによりもご自身にとって正直な選択だったのではないでしょうか。

もしそうなのであれば、「周囲のの期待どおりにできない自分」をどうか認めてあげてください。自分は親や周りが期待するような人間ではないし、そうなろうとすることもあきらめてしまいましょう。自分を偽って、できる自分になろうとしない。それは苦しいだけです。

今のままの自分を認めて、「楽しいと思えること」「やりたいと思うこと」を大切にして生きていくほうが、よっぽど正直で素直な生き方です。





子どもの頃の経験は、とてもつらかっただろうと思います。怖かったでしょうし、長年しんどかっただろうと思います。

たまたま、かなさんはそんな目にあって、誰かの気持ちのはけ口にされてしまいました。でも、かなさんに価値がないからそんな目にあった…というわけではありません。「あんな経験をしたから、自分は価値がないんだ」と思ってしまったのであれば、それは後づけです。

かなさんは価値のある人です。ほかの皆と同じく、生きているだけで、すでに誰かの役に立っているし、迷惑もかけています。そうだとするならば、どんな人生を歩んでいきたいですか? 自分のために、どんなことをしてみたいですか?

小さなことでも大きいことでもいいので、ぜひ考えてみてください。そして、それをできるところから実行していく勇気も、ぜひ持ってみてください。

かなさんのこれからを応援しています。

・このカウンセラーのブログ
http://ameblo.jp/norhashiguchi/

(編集/外山ゆひら)

(はしぐちのりこ)

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