1. トップ
  2. お仕事
  3. 転職の面接で気をつけたいこと【ひとみしょうの余談ですみません】

転職の面接で気をつけたいこと【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2018.10.9
  • 4235 views

先日、期せずして、2つの企業の採用担当者とお酒を飲む機会に恵まれました。ふたりとも僕と仲良くしてくださっている大学の同級生であり、お酒が入っていることも手伝ってか、生の「採用あるある情報」が酒席を飛び交いました。 その中から、今回は、ポイントと思われる2つのことについてお届けしましょう。

「またマニュアル通りの受け答えが始まった」

面接される側って、とにかく緊張しているし、面接官のウケを良くしたいと思って、ついマニュアルに手を出しがちじゃないですか。『面接必勝マニュアル』とか。そういう本に手を出すのが良くないというより、そういう本の著者はいったい何を考えているのか?

ということなんですが、「御社に貢献したくて」とかという言葉を聞いて、面接官は「また始まったよ」と思うそうです。 君はいったい「御社」の何を知ってるの?貢献したいってことはうちの会社のことを知ってるってことだよね?知らないのなら「知りません」とか「とにかくどこでもいから就職しないと生活費が困るんです」とかと言ってみれば?と、ちょっと意地悪なことを腹の中で思いつつ、マジメな顔で「御社に貢献したいんです……それで……」みたいなトークを聞いているらしいっす。 ひと通りマニュアル通りの受け答えが終われば、ある採用担当者はマニュアルを読んでも答えに困る質問をするんだそうです。

たとえば「昨日の夜、何を食べましたか?なぜそれを食べましたか?」とか「最近、何にハマってますか?」とか。まあ、当然といえば当然ですよね。採用担当者が本当に知りたいのは「その人の人となり」なのだから。

素直かどうか

また、別の採用担当者は、そもそも面接に来た人の話の内容なんてほとんど聞いていないのだそうです。ではその採用担当者は何を見ているのかといえば、1つしかなくて「素直かどうか」だけだそうです。

とくに中途採用の場合、その人のそれまでのキャリアがうんぬんというより、「弊社」の仕事のやり方に慣れてくれそうな人かどうかというのが、採用する側の死活問題だというのは、あなたが採用する側に立てばよく理解できることですよね。

同じ業界の似たような職種に転職したところで、会社ごとに仕事のやり方が違うなんてことはよくある話で(いわゆる潰しがきかない仕事)、だからいかにうちの会社のやり方に早く慣れてくれそうか――簡単にいえば素直な性格かどうかしか見ていないんだそうです。

「いい人材って、ホントいないのよねえ」

新卒を200人採用しましょう、みたいな巨大企業の新卒採用の実態は知らないけれど、アラサーになれば、きっと多くの人は上にご紹介したような感じの面接になるだろうと思います。

たとえば大きな会社に面接に行っても、じつは部署単位での採用であって、今回の面接は**さんという特定の上司と相性の良さそうな人を採用したいという意図が採用担当者にあるとか。 人間らしい受け答えができて、かつ、素直であること――これが今回、酒席で暴かれた採用担当者の採用基準でした。

ほかの採用担当者と仲良くなって酔わせると、またちがった意見が出てくるのかもしれませんが、今回はこういうことで。 ちなみに、お話をお聞きした2名が口を揃えて言ったのは「いい人材って、ホントいないのよねえ」でした。そのうちの1名は、「うちの会社に履歴書を持ってくる人材紹介会社の人に『たまにはまともな履歴書を持ってこい!』とブチ切れた」そうです(人材紹介会社にかなりの額を支払っている会社の採用担当者のボヤキだと解釈してくだされ)。

それにしても、採用する側もされる側も、苦労が絶えないんですねえ……しみじみ。

(ひとみしょう/作家)

元記事で読む
の記事をもっとみる