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米・医学博士が提唱する腰痛を防ぐ3つのヨガポーズ

  • 2018.9.30
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安全に体をねじり、腰痛を防ぐための方法|ヨガ解剖学
Cover image by RICK CUMMINGS

ヨガのポーズでは、安全性よりも形を重視しがちである。その最たる例が、ねじりのポーズだ。パリヴルッタウトゥカターサナ(ねじった椅子のポーズ)を行ったときのことを思い出してみよう。安全に体をねじるためにどの筋肉を働かせようかとは考えずに、ねじりを「深める」ことを第一の目標としなかっただろうか。だとすれば、それが腰痛の原因になっている可能性がある。
世の中に腰痛になりやすい人が大勢いるとしても、何の慰めにもならないが、アメリカ人の実に90%に、加齢による退行性の椎間板疾患があるとみられている。これは椎間板から潤いが失われて高さが損なわれた状態である。こうなると、筋肉の凝りと腰痛が引き起こされ、時が経つにつれて悪化する傾向がある。しかし、ねじりのポーズを適切に行えば、腰の調子を良くするのに役立つ。体をねじると腰椎周辺と腹部の芯部の筋肉が活性化されて安定性が高まるほか、その部分への血流と酸素の供給が増大する。また、ねじることにより、椎間板の潤いも改善するとみられていて、退行性の椎間板疾患による変化を和らげるのに役立つ可能性がある。

腰椎周辺の筋肉を働かせよう

体をねじる前に、まず腰椎周辺の筋肉を働かせることによって体幹芯部を安定させる方法を習得しよう。次の段階では、少なくともこの安定させる動きが自然にできるようになるまで、深くねじらずに練習を重ねよう。すでに腰痛がある場合は、この段階が特に重要になる。研究によって、腰痛がある人は腰椎周辺の筋肉をうまく働かせられないことと、体幹芯部の筋肉が弱いことがわかっている。今回紹介するポーズを練習すれば、ねじりのポーズで痛みを感じないだけでなく、ヨガマットを離れても腰痛が起きにくくなるだろう。
腰椎周辺の筋肉といえば、腰筋、腰方形筋、臀筋などが挙げられる。いずれも背骨のまわりの筋膜につながっている筋肉だ。

ねじりのポーズで腰痛を防ぐ方法
上半身の筋肉についてはこちらの図を参照のこと(Illustration by MICHELE GRAHAM)

また、 腹横筋を収縮させることもきわめて重要である。腹横筋を収縮させると、天然の「コルセット」が出来上がる。このコルセットは、体の前面から始まって胴体の両側を包み、胸腰筋膜(3層からなる結合組織で、胸椎と腰椎に関係する筋肉を包み込んでいる)に付着している。体幹部のまわりを回るように体の両側を走っている腹斜筋も、この筋膜組織に付着している。
胸腰筋膜は、最も重要な筋膜のひとつだ。というのも、肩帯から骨盤帯へ荷重を伝達する役目を果たしているのと同時に、仙腸関節(背骨の基部にあり、仙骨が腸骨に結合している部分)の安全性を保つうえで重要な組織だからだ。興味深いことに、腹横筋と胸腰筋膜を引き締めると腹部コンパートメント内の圧力が高まり、腹部の臓器が腰椎を圧迫して、腰椎がさらに安定する。
背骨は極端に回旋したり屈曲するようにできていないため、このような筋肉を働かせることが重要になる。実際、だからこそ背骨には面関節がある。面関節とは、内側が軟骨で覆われた関節で、背骨に沿って並んでいる。面関節と面関節の間から脊髄神経が出て他の部分につながっている。面関節は、背骨の動きを制限することにより、過度な回旋や屈曲から背骨を守る働きをしている。背骨を安定させずにねじると、椎間板だけでなく面関節にも炎症が起きて、痛みがさらに大きくなる恐れがある。

ねじりのポーズを始める前に、腹横筋の「スイッチ」を入れよう。ウディヤーナバンダ(腹部引き上げの締め付け)を行う、と言い換えてもよい。あらゆるねじりのポーズを行う前に、この締め付けの動きが必要になる。締め付けを行うには、へその5センチ上の部分を腰椎のほうに引き込むことをイメージしよう。こうすると腹横筋が引き締まり、それによりきわめて需要な胸腰筋膜が引き締まって背中を保護する働きをする。
*妊婦のほか、ヘルニアや腹直筋離開(腹筋が中央で組み合っておらず両側に引き伸ばされてしまう状態)が認められる人は、ねじりのポーズを始める前に医師に相談すること。

ねじったときの腰痛を和らげる3つのポーズ

ねじりのポーズを行う前は後屈のポーズで胸を開いておこう。ねじった後は左右対称のポーズを行い、ねじりで生じた緊張を和らげるとよい。

パリヴルッタトリコナーサナ (ねじった三角のポーズ)

ねじりのポーズで腰痛を防ぐ方法
(Photo by RICK CUMMINGS)

山のポーズから両足を120cmほど開き、右足を45〜60度外側に向ける(左足は前方を向いている)。左脚の膝を曲げ、息を吸いながら両腕を頭上に上げる。息を吐きながら、胴体を左に向けて、骨盤がマットの先端を向くようにする。ここで、左脚の上に身をのり出して、右手を(左足の内側でも外側でもよいので)床かブロックの上に下ろし、左手を真上に上げる。左脚の膝を曲げたまま、胴体を太腿に強く押しつける。しばらくこの姿勢を保ったら、(写真のように)大腿四頭筋を少しずつ働かせて左膝を伸ばしていく。腰を肩から遠ざけて、背筋を伸ばす。5回深く呼吸する間この姿勢を保ったら、反対側も同様に行う。

スフィンクスのポーズ

ねじりのポーズで腰痛を防ぐ方法
(Photo by RICK CUMMINGS)

ねじりのポーズを行う前には、スフィンクスのポーズのような胸部を開くポーズで体の前面を伸ばすとよい。この動きは、ねじりのポーズでも鍵となる。まず、うつ伏せになり、脚を揃えて伸ばし、臀筋を収縮させる。後屈するときに腰と仙骨を守るために、太腿の外側を床のほうに回転させることにより大腿骨を回転させて、腰と仙骨を広げて伸ばす。肘を肩の下に揃えて、前腕を左右平行にして伸ばす。息を吸いながら、胴体の上部を引き上げ、頭部を床から離して、軽い後屈を行う。3〜5回深く呼吸をする間この姿勢を保ったら、アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)に移る。

パスチモッターナーサナ (西側を強く伸ばすポーズ)

ねじりのポーズで腰痛を防ぐ方法
(Photo by RICK CUMMINGS)

ねじりのポーズにより生じた緊張を和らげるために、ねじりのポーズの後で背骨が左右対称になるポーズを行うとよい。ウッターナーサナ(立位前屈)やパスチモッターナーサナのような前屈のポーズが最適だ。パスチモッターナーサナは、床またはたたんだブランケットの上に座って、脚を前に伸ばす。かかと全体を積極的に押し下げ、太腿の付け根をやや内側に曲げて太腿を床に押しつける。息を吸いながら、胴体の前面を伸ばし、息を吐きながら、股関節から胴体を傾けて、尾骨を骨盤から遠ざけるように伸ばしながら、両脚の上に胴体をかぶせる。5〜10回深くゆったりと呼吸をする間この姿勢を保つ。

Model by Stephanie Schwartz
Styling by Jessica Jeanne Eaton
Hair&make-up by Beth Walker
Translated by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.53掲載

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