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「おっさんずラブ」でブレイクの田中圭の“色気”のルーツとは?【夏目かをるの最強女になる!vol.23】

  • 2018.9.16
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世界観は少女漫画なのに、出てくるのが全部オジサンというBLドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日 系)でブレイクした田中圭。塩男子、イケメン、細マッチョ、プルンとした赤い唇、そしてきょとんとした子犬のような表情と慌てた時にパニクル様が「可愛い」と大評判になりましたね。

さらに細マッチョな肉体からそこはかとなく漂う彼の色気に、ノックアウトさせられたこともしばしば。34歳、二児の父親である田中の色気はどこからやってくるのでしょう。

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田中圭の色気はどこからやってくる?

放送作家の鈴木おさむ氏は、彼の色気について気になる発言をしています。

「少々香る、男としての色気。あの色気は僕は、人としてのクズ感から出ていると思っている。男があこがれるクズ感というか。それが田中圭の根幹にはあって、それがあの人の人としてのパワー、人間力になっていると思う。すごく人間っぽいんですよ」(dot 2018年6月14日号)。

“人としてのクズ感”。何だか凄い表現です。田中圭がクズを演じて注目されたのはドラマ「東京タラレバ娘」(2017年・日本テレビ系)の“クズ不倫男”でした。

田中演じるサラリーマン・丸井は、妻子がいながら居酒屋の看板娘・小雪(大島優子)と不倫関係になります。小雪とデート中、丸井は、第一子出産後に慣れない育児によってノイローゼに陥った妻と“産後クライシス”(出産から数年後に夫婦仲が悪化すること)になったことを告白します。そのセリフに男の本音がにわんさかにじみ出ていました!。

「僕が思い描いていた幸せとは色々違った」

「こうやって小雪さんと話したり、美味しいもの食べるときのほうが楽しくてよっぽど幸せ感じちゃう」

女性にしてみると「これまでの人生で予想もできない育児を担っている妻に、何をほざいているのか~!」と怒り心頭してしまう発言ですが、女性の権利を擁護するフェミニストの男性でさえも、このシーンを心ひそかに「わかる」と頷いていたそうです。ダメな男の本音も嫌味がなくさらっと演じた田中を鈴木おさむ氏が「人としてのクズ感から出る色気」と絶賛したのでしょう。

視聴者からも「田中圭にしか許されない」という声が多く寄せられました。男のそこはかとない狡さを、憎めない子犬のように演じられるのは、同年代のアラサー俳優の中で、彼しかいないのです。

田中圭の色気はいつからついた?

では男も絶賛する“男の色気”を、田中圭はいつごろから身につけていったのでしょう。

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1984年7月10日生まれ。蟹座の0型。渋谷教育学園幕張中学校・高等学校卒業。偏差値75の同校は東京大学に78名、京都大学に11名が合格する(2017年)進学校で、水卜麻美アナなどの放送業界や、田中マルクス闘莉王サッカー選手も輩出しています。俳優になっていなくても、別の世界で活躍していたかもしれませんね。

田中圭は中3の時に、母親の「5000円あげるから」という言葉につられて、映画「死者の学園祭」のオーディションを受け、1万3000人中最終の10人に残り、入賞を逃がしましたが、これがきっかけで小栗旬が所属するトライストーン・エンターテイメントにスカウトされます。先輩の小栗旬からは俳優としての生き方を、映画「WATER BOYS」(2003年)で共演した山田孝之から演劇手法、さらにNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(14年)で石田三成を演じた時は、主役の岡田准一から筋トレを勧められるなど、第一線で活躍する俳優たちから、多くを学んだ彼でしたが、26歳で「俳優をやめようか」と思い悩み、事務所に相談に行ったこともあったのです。

「勢いのある後輩が出てきて、焦りに近いものを感じていた時期もありました。芝居で負けているつもりはなかったけど、人気者の仲間が出ている舞台を見に行くと、僕の出ている舞台より全然拍手が大きくて。内容よりも知名度のほうが大事なの?と思うとむなしくなって……。」(週刊女性2018年8月7日号)。

ところが彼は踏ん張ります。その踏みとどまり方が、いかにも田中圭らしいです。

「でもよく考えたら、芝居ってみんなで作り上げていくものだから、僕が嫉妬していた役者たちも敵ではないって気づいて。それで、僕なりに芝居で戦っていこうと覚悟を決めてからは気持ち的にも楽になったし、仕事も楽しくなりました」(同)。

彼のこの開き直りが、今後の役者としての立ち位置を決定しました。「芝居ってみんなで作り上げていくものだから」という彼の境地は、主役にこだわらず、脇役も引き受けていくという覚悟の表れなのです。

その後は朝ドラ「おひさま」や「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(テレ朝)、映画「図書館戦争」など、彼の名わき役ぶりが光ります。そしてブレイクした「おっさんずラブ」では「(吉田)鋼太郎さんとのシーンは、僕は受けの芝居をしているだけで、鋼太郎さんに、このドラマの面白いところをすべて託しています(笑)」(週刊女性2018年5月29日号)と、主役でありながら、“受けの芝居”を意識的に行うとによって、作品のクオリティーの高さはさることながら、彼の色気を全開させていったのです。

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これはキャラが全く違いますが、斎藤工にも同様のことがいえます。ドラマ「昼顔」で主役の上戸彩演じた人妻との恋愛で、斎藤の抑えた演技の中に、色気がむんむんでした。

抑えた受け身の演技には、演じる俳優の人となりが見え隠れします。斎藤の場合は野性味のある人間性が、そして田中には「戸惑い」という女性の心をキュンとさせる彼の性格が現れています。グイグイと押しのアプローチをかけずに引く。及び腰になりながらも「受け止めなきゃいけないのかな」という戸惑う表情を浮かべる。それは素の彼の不甲斐なさを象徴する次の発言からわかりますね。

「自分に自信がないので、すぐ心が折れます。(中略)でもちょっといいことがあると、ケロッと気分が変わったりするので、根はプラス思考ですね」(「pumpkin」2015年3月号)

「僕は意志が弱いというか、自分に甘いので、周りにいる方によって気付かせられることが多々あるんです」(日経エンタテインメント2018年8月号)

34歳なのに、少年のような戸惑いと照れの表情。そこに女性たちはキュンとしながらも、「困っている顔を見た~い」というSっぽい感情も湧き上がります。この“二刀流”の色気が、女性たちにむわっと興奮させる。それが田中圭のオンリーワンの強みなのでしょう。

(夏目かをる)

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