1. トップ
  2. ファッション
  3. 2019年春夏NYコレクション開幕! 大注目の若手からレジェンドまで、見どころを徹底解剖!

2019年春夏NYコレクション開幕! 大注目の若手からレジェンドまで、見どころを徹底解剖!

  • 2018.9.6
  • 1586 views


2019年春夏NYコレクション開幕! 大注目の若手からレジェンドまで、見どころを徹底解剖!
2018.09.06 17:00
NYファッションウィークは、ここ数シーズン、スターブランドの不在などでパリやミラノに比べて劣勢と言われてきたが、2019年春夏シーズン、ついにスランプを脱し、未だかつてない盛り上がりが期待されている。世界が注目する若手ブランドから、設立50周年を祝うラルフローレン(RALPH LAUREN)といったレガシーブランドまで、今季の見どころを解説する。


世界4大コレクションの中でもNYコレクションは、ずっとその立ち位置を決められずにいた。ロンドン、ミラノ、パリとの距離は遠く、「あまりにも商業的になり過ぎている」という業界の批判も受けてきた。数シーズン前には、トム ブラウン(THOM BROWNE)やジョセフ アルチュザラ(ALTUZARRA)ロダルテ(RODARTE)、プロエンザ スクーラーといったNYのスターブランドがショーの舞台をパリへと移し、ヴィヴィッドなエネルギーを失っていた。


しかし、今季のNYコレクションは、かつてないほどパワフルになりそうだ。主要ブランドのいくつかがNYに復帰するのに加え、重要なアニバーサリーを祝うブランドや、期待の新進気鋭ブランドが揃うなど、2019年春夏NYコレクションのスケジュールは、近年でも稀にみるほど華やかでエキサイティングだ。

NYに新たな息吹を吹き込むのは誰!?


NY帰還を果たすのは、プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)ロダルテ(RODARTE)。前シーズン、ロダルテ(RODARTE)はランウェイを行わなかったが、こうした勢いのあるブランドがNYに復帰することは、大きな意味がある。


彼らの不在中、NYで頭角を現してきたのは、エクハウス ラッタ(ECKHAUS LATTA)。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生であるエクハウスとラッタによるこのブランドは、今年のLVMHプライズとANDAMアワードというファッション業界の2大アワードで、ファイナリストに選出された実力派。さらに、現代アート界の権威の一つであるホイットニー美術館で、ブランド初となる個展も開いた。ホイットニー美術館でファッション関連の展覧会が開催されたのは、実に21年ぶりのことだった。

>> エクハウス ラッタ(ECKHAUS LATTA)の展覧会の様子はこちらから。


深い独特の色使いと、美しいドレーピングが特徴のシエス マルジャン(SIES MARJAN)をここ5シーズンにわたって率いるのは、サンダー・ラック。彼の手腕によって、同ブランドは、新進NYブランドの中でも非常に安定した評価と業績をあげている。


プリスカ・ヴェラ・フランケッティが3年前に立ち上げたプリスカヴェラは、9月8日にオフスケジュールでショーを開催する。大胆なセクシーさとユーモアが共存するプリスカヴェラのコレクションは、デムナ・ヴァザリアの初期のヴェトモン(VETEMENTS)コレクションからキッチュさを除いたようなスタイルで、人気急上昇中だ。

押さえておくべきNYの気鋭ブランド。


今季NYデビューを果たす日本人デザイナー、赤坂公三郎によるコウザブロウ(KOZABURO)にも注目だ。東京で生まれ育った彼は、セントラル・セント・マーチンズで学んだ後、ニューヨークに移り、パーソンズ美術大学で修士号を取得。卒業後はブルックリンを拠点に活動し、2017年にLVMHプライズを受賞した。先端的かつ、現実離れした奇抜さが特徴の赤坂のデザインは、どこかタカヒロミヤシタザソロイストの系譜を引いているようにも思える。


NYのクイーンズ出身のデザイナー、テルファー・クレメンスが2005年に設立したテルファー(TELFAR)は、NYのファッションシーンにおいて注目されてはいたものの、思うような評価を得られないでいた。しかし、非常に知的で現代的なブランドポジショニングとマーケットへの訴求において、テルファー(TELFAR)は常に突出した存在だった。特に、2016年春夏のランウェイ後に、タイムズスクエアのホワイト・キャッスルで行われた伝説的パーティは、業界に大きな存在感を示し、2017年にはCFDA/Vogueファッション・ファンド・アワードを受賞。ついに、テルファー(TELFAR)が正当に評価される時代がきたのだ。


今年のCFDA/Vogueファッション・ファンド・アワードのファイナリストの中でも特に注目すべきは、マシュー アダムス ドラン(MATTHEW ADAMS DOLA)と、ラウル・ロペスによるルアール(LUAR)だ。前者は、誇張されたプロポーションを得意とし、リアーナの寵愛ブランドとしてすでに注目を集めている。後者ルアールは、強いDIY色とクラブキッズのエネルギーを具体化した、とても今日的なブランドといえる。

レガシーブランドの次章の幕開け。


注目すべきは、若手だけではない。創立40周年を迎えたドイツブランド、エスカーダ(ESCADA)は、ハンター(HUNTER)のデザイナーだったナイル・スローンをディレクターに迎え、新たな門出を祝う初のライウェイを開催する。また、フランスの老舗ブランド、ロンシャン(LONGCHAMP)は今年、ブランドの顔としてケンダル・ジェンナーを起用。創業者の孫娘でアーティスティックディレクターでもあるソフィ・ドゥラフォンテーヌの指揮のもと、さらに大きな飛躍を狙う。


アメリカのレガシーブランドの中では、カルバン クライン(CALVIN KLEIN)ラルフローレン(RALPH LAUREN)の双璧に注目だ。

カルバン クライン(CALVIN KLEIN)のアーティスティックディレクター、ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)は、アメリカーナのダークサイドをさらに追求したコレクションを見せてくれるだろうし、ラルフローレン(RALPH LAUREN)は、ブランド設立50周年の大きな節目とデザイナーの偉業を祝う、記念碑的ショーを開催する。そして、今回もNYコレクションのトリを務めるのは、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)。9月12日、パーク・アベニュー・アーモリーを舞台にどんな夢を見せてくれるのか、楽しみだ。

Text: Adam Wray

元記事で読む
の記事をもっとみる