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【吉高由里子インタビュー】苦しくて苦しくて、素の自分が出てしまいました

  • 2018.8.23
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映画「検察側の罪人」に出演する吉高由里子にインタビュー!
撮影=岡本英理

【写真を見る】シックな黒のワンピースに身を包んだ吉高由里子

木村拓哉と二宮和也が共演する映画「検察側の罪人」が8/24(金)に公開。ある強盗殺人事件の捜査方法をめぐって、木村演じるエリート検事・最上と、二宮演じる若手検事・沖野が対立する姿を描く。今作で、検察事務官役を演じた吉高由里子に、今作への思いを聞いた。

——先日、東京国際フォーラムで行われた映画「検察側の罪人」の完成披露試写会は、すごい熱気でしたね。

「本当に! びっくりしました! ご挨拶させて頂いたときにもお話ししたんですけど、木村(拓哉)さんと二宮(和也)さんが少し近付いただけで、歓声が上がって、正面から4,000人の歓声の風を感じましたからね(笑)! 本当にすごいなぁと思いました。でも、ファンの方達も、あのテンションの後に『検察側の罪人』の試写を見たら、気持ちの切り替えが大変だったんじゃなんじゃないかなと思いました(笑)」

——今作では、吉高さんは、橘沙穂という東京地検・刑事部の検察事務官役を演じていらっしゃいますが、吉高さんの中で、橘沙穂という人物をどう演じていこうと考えていましたか?

「今回の映画のテーマは、“正義感”というところでもあるんですけど、橘沙穂も、沙穂なりの正義感を持って検察事務官になっていたというところが描かれているんです。そういうところからも、信念があり、野心もある人物だなと感じていましたね。もちろん、彼女はそれを隠しているので、なかなか背景は見えないのですが。今、何に興味を持ったとか、誰の話に耳を傾けているのかというのを、セリフではなく、目の動きだったり、表情だったりでお芝居をしていかないといけないなと思いました」

——役作りは何かされましたか?

「何を考えているのかよく分からない雰囲気を出すために、なるべく顔が出ている部分を少なくしようと思って、前髪を作りました。でも、普段の生活においては、前髪は無い方が楽だなって思いましたけどね(笑)」

——劇中で沙穂は、木村さん演じる最上を尾行したりと、かなり積極的な行動に出る場面もありましたね。

「沖野(二宮)とバイクに乗って最上を尾行するシーンは、監督のこだわりが強くあったみたいで、何度も撮り直ししました。10回くらいはやったのかな? あのシーンは、実際に二宮さんが運転して、私が後ろに乗った状態で撮影したんですけど、最初、“こんなに大きなビックスクーターを二宮さん運転できるのかな?”って心配で(笑)。何度も“大丈夫? 大丈夫?”と聞いてしまい、二宮さんから、“大丈夫だから! 大丈夫だから!”と言われました(笑)」

【写真を見る】シックな黒のワンピースに身を包んだ吉高由里子
撮影=岡本英理

吉高由里子が素になってしまったシーンとは!?

——今作は“正義”がテーマとなっている映画だというお話が出ましたが、最上と沖野の対立についてはどう思いますか?

「最上の正義は、正義というよりは、復讐心だと思うんですよね。最上は、被害者の辛かった思いや、怖かったであろう思いを晴らしてあげたいという気持ちがあって、沖野は沖野で、それに気付いてしまったからこそ、見逃す訳にはいかないという正義で。一線を越えないでいてほしいと願う正義感だとも思います」

——そして、今作の中で印象的なシーンといえば、沖野が被疑者の松倉(酒向芳)の取り調べをするシーンは圧巻でした。

「2人とも迫力がありましたから、あのシーンは本当に怖かったです。沖野が松倉を怒鳴りつけて取り調べるんですけど、あのシーンは、テストをやらない段取りだったんです。6分くらいの長いワンシーンということもあって、1回始まったら6分間終わらないんですよ。もう、苦しくて苦しくて。あのシーンの沙穂の表情は、素の自分だったかもしれません(笑)」

——シーン的には張り詰めたシーンが多かったと思いますが、舞台挨拶では、吉高さんが木村さんのことを“タクちゃん”と呼んでいたという話題がでましたね。

「はい、“タクちゃん”って呼ばせて頂いていました(笑)。怒られるかな?と思ったんですけど、とても器の大きな方で、受け入れて下さいました(笑)!」

——木村さんに、撮影合間に“キリン”の絵を描いてもらったとか。

「はい(笑)。事務官の役なので、ノートが手元にあって、撮影が始まるまで待ち時間が結構あったので、ノートに絵を描いていたんです。キリンの絵を描いてたんですけど、“あれ? キリンの鼻ってどんなのだったっけ?”と思って。近くに木村さんがいたので、“ちょっとキリンを描いてもらっていいですか?”ってお願いしたんです。そうしたら、すごく上手にキリンを描いてくださって、びっくりしました。その後で、木村さんから、二宮さんと私に“日本地図”というお題が出されたんですけど、私は全然描けなかったです(笑)。なぜか石川県のところだけはすごく鮮明に描けたんですけど(笑)。 二宮さんはすごく上手に描いていました。やっぱりツアーで全国飛び回ってるからなのかな?と思ったんですけど、二宮さんからは“そんなの関係ないよ!”って言われましたね(笑)」

――すごく和やかな現場ですね

「そうですね。木村さんと二宮さんも一生分くらい話していたんじゃないかと思います(笑)。私は近くでそれを聞いてみたり、その会話にちょっと参加してみたり、遠目から見たりしてましたけど、すごく和やかな空気でした。でも、すごいなって思ったのは、役に入るスピードが2人とも早いこと。あんなに和やかに話していたのに、カメラが回った途端、いきなり役の顔になるんです。信頼し合っていたからこそ、本番の寸前までお話ししていたんでしょうね。でも、本当に木村さんもすごく気さくで、常にスタッフさんのことを考えていて、大きく包み込んで下さる方だなと思いました。勝った人がおごるっていう“男気ジャンケン”をしたんですけど、綺麗に勝って。そんなところもさすがスターだなって思いましたね。二宮さんも、嫌われる要素の無い方だなって思いました。二宮さんは、いつも私服が“夏休み”みたいな格好だったんですけど、すごく似合ってましたよ(笑)。虫取りに行った少年みたいでした(笑)」

役作りのため、前髪を作ったという
撮影=岡本英理

自分が正しいと思うことも、実は人を傷つけているかもしれない

——原田眞人監督の現場についてはいかがでしたか? 厳しい現場という話がよく話題にあがっていますが。

「私自身は怒られたことはなかったですし、そこまで張り詰めた空気は感じませんでしたが、緊張感のある現場でした。声がすごく大きくて通るので、それはちょっと驚いたこともありましたね(笑)。大人数のエキストラさんも全部監督自身が仕切られていたので、すごいなと思いました」

——最後に、吉高さんはこの映画から、観客のみなさんに何を感じ取ってもらえたらうれしいですか。

「見て下さる方によって感じ方は違うと思うんですけど、私自身は、自分が正しいと思って貫いていることや、格言だったり思考だったりが、実は人をすごく傷つけたり、不快な思いをさせることもあるのかもしれないなって、ふと考えさせられる映画だなと思いました。自分では正義だと思っていても、それがエゴになっている場合もあるかもしれない。“本当の正義って何だろう?”とも思いました。なので、自分自身に置き換えてこの映画を見てもらえると、いろんな感じ方ができるんじゃないかと思います。ぜひ、楽しみに見て頂けたらと思います」(ザテレビジョン)

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