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糖質制限ダイエットは危険?管理栄養士が詳しく解説

  • 2018.8.20
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糖質制限ダイエットは、「○○㎏痩せた!」など魅力的な情報が多いため、興味を持っている方も多いのではないでしょうか? 確かに炭水化物を抜くとストンと体重が落ちやすく、素晴らしいダイエット法のように思えます。ですが、極端な糖質制限(糖質を含む食品を一切食べない、1日の糖質量を20g以下に制限するというような極端な方法)の場合はカラダへのデメリットも懸念されます。間違ったダイエットをしないためにも正しい情報を得ておくことが大切です。

極端な糖質制限ダイエットの危険性

1.体重は減っても、体脂肪は減少しにくい

極端な糖質制限ダイエットは始めた当初からすぐに体重が落ちますが、その理由は体脂肪が落ちているわけではなく、実は体内の水分量が減っているからなのです。

糖質を制限すると肝臓に貯蔵してある糖質(グリコーゲン)が使われます。肝臓に糖質1gを貯蔵するときに水分3gが付いた状態で貯蔵されているため、グリコーゲンが使われると同時に体の水分量も減るというメカニズムになります。

大幅に体重が減ってもそのほとんどが水分で、体脂肪が減っているわけではないのです。

2.栄養素の偏りによる病気のリスク

【糖質不足による脳の機能低下】 脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源とする器官。糖質抜きの状態が長期間続くと、集中力の低下やイライラといった状態に陥りやすくなります。

【ケトン体増加による障害】 糖質不足によりブドウ糖が枯渇すると、脂質を燃焼してエネルギー源としますが、その代謝産物として産生されるのがケトン体。ケトン体が多くなると体液が酸性に傾き、悪心や嘔吐、ひどい場合には昏睡状態などを引き起こすようになります。

【栄養バランスの乱れにより、ドロドロ血液に】 糖質を摂らない分、タンパク質や脂質の摂取量が増え、栄養バランスが乱れます。 さらに過剰なタンパク質は腎機能を悪化させ、過剰な脂質は動脈硬化を促進させて心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める恐れがあると指摘されています。

【食物繊維不足によるカラダの不調】 穀物やいも類・果物などから得られる食物繊維や人体に不可欠な栄養素が不足し、便秘などの不調を起こしやすくなります。

その他、骨粗しょう症や低栄養性脂肪肝を引き起こす可能性もあるようです。

3.イライラによる過食

糖質不足のイライラから過食に走り、リバウンドしやすくなります。また、長期的にみるとダイエット継続率は低いという研究結果も報告されています。

このように、極端な糖質制限ダイエットは、結果的にカラダに支障をきたしてしまう危険性もあります。”1日の糖質量を20g以下”などという糖質制限を独自で行うと、上記で説明した通り、タンパク質や脂質の過剰摂取により血中脂質の上昇や腎臓への負担が懸念されるため、医師の指導のもとで行うことが必要です。 また、極端な糖質制限食は自己管理が難しいことや、長期間追跡したエビデンスがまだ十分には揃っていないため、現段階では安全か危険かの結論を出すことは難しいとあすけんでは考えています。

あすけんとしては、栄養バランスを維持できる“ゆる糖質制限ダイエット”を推奨しています。ゆる糖質制限ダイエットなら、ごはんなどの主食やお菓子を適度に食べることができるので、食の楽しみを保ちながら、健康的にダイエットをすることができますよ。

【執筆者】衞藤 敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

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