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心がほっこり♡猫のようにシンプルに、自由に生きる方法とは

  • 2018.8.15
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猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。料理家の坂田阿希子さんも、その一人。神社に集う野良猫たちと過ごした幼少期。野良猫たちの生と死から学んだのは「命をまっとうする」潔よい美しさでした。

神社の野良猫と過ごした幼少期

大らかで怖いもの知らずのビスコ(メス・2歳)の飼い主は、料理家の坂田阿希子さんです。坂田さんは、開校20周年を迎えた料理教室「studio SPOON」を主宰するかたわら、書籍や雑誌、TV出演などで活躍する料理家。「猫の美しい生き方に憧れる」と言う坂田さんの猫との接点は、小学生の頃にまで遡ります。

「新潟にある実家の2軒隣りが大きな神社で、小学1年生くらいの頃からかな、家に帰ってランドセルを置くとすぐ神社へ。神社にある能の舞台の下に野良猫が集まっていて、会いに行っていました。それも毎日です。行く時はいつも一人で、遊ぶといっても追いかけっこしたりとかではなく、ただじっと一緒にいるだけ。たまに一緒にお昼寝しちゃったりして(笑)。常に6匹くらいの野良猫がいて、皆、私のことを覚えているから、行くとサーッと集まってくるんです」

野良猫の最期

秘密の場所で一人、野良猫たちと過ごした幼少期。坂田さんは「命」についても猫から学びました。

「寝ているのかな?と思って触ったら、固く冷たくなっていることもありました。死に場所を探してフラッといなくなってしまう子も。生きているものは死んでしまうという事実にショックを受けつつも、『あの子は死んだんだ』と淡々と受け止めていたような記憶があります。
野良猫の最期ってね、すごくさりげないんですよ。死にたくないとか、もっと生きていたいとあがくこともなく、自分に与えられた命をまっとうしてスッといなくなるんです」

与えられた命をまっとうする

「猫の美しい生き方に憧れる」坂田さんは、猫のように「与えられた命をまっとうしたい」と言います。

「猫のように、やりたいように好きなように、多くを望まずシンプルに生きて、いつこの命が果ててもいいように、『生』をまっとうしたい。
料理は命をつなぎ、一緒に食べた人の心と心をつなぐものだと私は思っています。命をつなぎ、人と人をつなぐ料理は、より美味しい方がいいし、作る人が疲れない方がいいし、作っていて楽しい方がいい。そのことを伝えるために、私は私の命を、仕事を、まっとうします。そうやってシンプルに生きられたら、後悔はないだろうなと思うんです」

猫のように与えられた命をまっとうする。「まっとうする」は漢字で「全うする」と書きます。全てを終わらせるという意味です。多くのことをまっとうするには、命って短すぎるのかもしれません。だから、できるだけシンプルに、自分が一番大切だと思うことをまっとうできたら…。
さて、次回は、今回ちゃんとご紹介できなかった、坂田さんと共に暮らすビスコのこと。そして、坂田さんが猫との暮らしをスタートさせた初代猫のまるちゃんのこともお話しします。お楽しみに!

writer / 宇佐見明日香 筒井聖子

取材協力

料理家・坂田阿希子
http://www.studio-spoon.com/contents.htm

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