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乃木坂46、大規模かつシンプルなライブだからこそ見えたその実力

  • 2018.8.13
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ヤンマースタジアム長居で公演を行った乃木坂46。「夏のFree&Easy」のパフォーマンス中には夏の野外ライブでしかできないウォーターキャノンを使った演出が
KADOKAWA

8月4日、5日に大阪・ヤンマースタジアム長居で「乃木坂46真夏の全国ツアー2018」が開催され、2日間で約10万人を動員した。乃木坂46にとって「真夏の全国ツアー」は6年連続での開催。初ツアーとなった2013年の大阪公演はZepp Nambaでスタートし、翌年には大阪市中央体育館、さらに大阪城ホールと会場を拡大しながら、ついに5万人を収容するヤンマースタジアム長居へとたどり着いた。

【写真を見る】「裸足でSummer」の曲中“Hey!”の掛け声と同時に走り出す齋藤飛鳥と一斉にタオルを掲げる観客たち。会場が一体になった

乃木坂46の“バースデー”とされているのは、1stシングル「ぐるぐるカーテン」がリリースされた2月22日(2012年)だが、グループの結成日は8月21日(2011年)。つまり、今夏で丸7年活動してきたことになる。これまでに21枚のシングルと4枚のアルバム(1枚のアンダーメンバーによるアルバムを含む)をリリースし、オリジナル曲の数が160を超えた今、各ライブでのセットリストを予想するのは難しい。これはファンにとって大きな喜びであるに違いない。

今回の大阪公演は、初日、2日目ともライブのオープニングを飾るあおりの「Overture」に続き、「裸足でSummer」(2016年)、「夏のFree&Easy」(2014年)と夏らしさ全開のシングル表題曲でスタート。それぞれ、齋藤飛鳥と西野七瀬という今やグループの顔になった2人がセンターポジションに立つ楽曲だ。さらに、伸び盛りの3期生メンバー・大園桃子と与田祐希がWセンターを務めた「逃げ水」(2017年)、ライブでの盛り上がり曲の定番となっている白石麻衣センターの「ガールズルール」(2013年)など多数の“夏曲”が披露された。

他にも、齋藤が2度目のセンターに立つ最新シングル「ジコチューで行こう!」(2018年)、同シングルで初選抜入りを果たした2期生の鈴木絢音が、ことし1月のリリース当時、アンダー楽曲ながら初めてセンターを務めた「自惚れビーチ」(アンダーアルバム『僕だけの君~Under Super Best~』収録)では一味違った盛り上がりを見せた。

アイドルグループは何もセンターに立つメンバーが全てではないが、その顔触れが多彩であることは大きな魅力だ。その一方で、ポジションや加入した期、また表題曲やアンダー曲という違いを乗り越えて輝けることも、このグループが持つ多面的な魅力である。大阪公演で披露された“夏曲”だけに注目しても、今の乃木坂46の力を真正面から感じることができた。

今回のツアーでは、最新シングルのタイトルにちなみ「ジコチューコーナー」というブロックが用意されている。各メンバーが、歌いたい曲を思い通りの演出で披露するという企画だ。ストレートに歌とパフォーマンスを見せるだけではなく、コント調の演出で笑いを誘うメンバーもおり、それぞれの個性が大いに発揮され好評を博している。

そんな中、大阪公演の2日目に披露された松村沙友理プロデュースの「命の真実 ミュージカル『林檎売りと白米』」は替え歌だった。オリジナル曲はメンバーの生田絵梨花とミュージカル俳優の坂元健児がデュエットした「―『林檎売りとカメムシ』」。15thシングル「裸足でSummer」のカップリング曲だ。いかにグループ単独でのライブといえども、新規のファンも多い乃木坂46だけにカップリング曲を替え歌にするというのはなかなかのチャレンジだったと思うが、客席は大いに沸いた。あれだけ大きな会場でありながら、笑いどころやファン心理をくすぐるポイントでしっかりとリアクションが起こったのだ。このあたりは乃木坂46の現在の愛されぶりが垣間見えた場面だと言えよう。替え歌は、元ネタが十分に認知されていなければパロディーとして成立しないからだ。

ことしの全国ツアーは、7月6日、7日に東京・明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場の2会場をメンバーが行き来しながら行われた“シンクロニシティ・ライブ”としてスタート。史上初の「同一アーティストによる2会場同時でのライブ開催」として話題になった。そのトリッキーな演出と比べると、ヤンマースタジアム長居での大阪公演はごく普通だったかもしれない。しかし、シンプルだからこそグループの底力が見えるライブになった。

大阪公演の2日目を締めくくるMCで、キャプテンの桜井玲香が「こんなに広い会場でできるなんて…。3年ぐらい前だと、(客席が)埋まらなかったりっていう悔しい思いをしたのが大阪だったので『うれしいな~』って心の底から思います!」と率直な思いを口にした。全会場がスタジアム&ドームという大規模ツアーは、この後、愛知、宮城と続くため大阪公演が折り返しとなるが、グループの真骨頂はまだその先にあるのかもしれない。アイドルグループの取材を続けていると、どうしても「今がピークなのでは?」と考えてしまう瞬間がある。その疑心を何度も乗り越えさせてくれる力が、乃木坂46にはある。

取材・文=大小田真(ザテレビジョン)

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