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暑い夜に変な夢を見るのはどうして?

  • 2018.8.13
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ヨーロッパは猛暑に襲われ、日本でも熱帯夜が続く。そんな寝づらい夜には、なんだか奇妙な夢を見る気がしないだろうか? 夢も気温とともに活性化するのだろうか?

寝づらい夜は、ふだんは見ないような奇妙な夢を見てしまう? photo:iStock

暑い夜がしばらく続くと、夢がだんだん奇妙なものになっていく。死者が帰ってきたり、魚がレインボーカラーのウィッグをつけて泳いでいたり、自分が海中植物になっていたり……。気温が上昇するにつれ、あなたの夢はデイヴィッド・リンチの映画のような世界になっていく。猛暑は夢の内容や夢を見る回数に影響を与えるのだろうか? そんなあなたの質問に、睡眠専門医と夢分析専門家が答える。

『Amour et sexe dans vos rêves(夢の中の愛とセックス)』の著者クリスティアーヌ・リーデルはこう断言する。「暑さが原因で夢が鮮明になったり、夢を見る頻度が増したりすることはありません」。日常生活の断片を題材にする夢は、いわば私たちに送られた映像化されたメッセージ。でも、夢を見る頻度やその本質的な部分は、外界の状況によって変わるものではないという。

とはいえ、夜更かしや深酒など、普段と違ったリズムの生活を送っていると、「夢が私たちに、生活の乱れに気をつけるよう危険信号を発することはあるでしょう」。

睡眠を安定させるために、必要なこととは?

睡眠専門医のフィリップ・ボーリユによれば、暑い日ほどよく夢を見るような気がするのは、おそらく暑い日の方が夢をよく覚えているからだという。「入眠時には脳の温度を下げることが必要です。猛暑でそれができない場合、睡眠は不安定になり、頻繁に目が覚めます」とボーリユは解説する。そして夢を覚えているためには、この覚醒期間がカギとなる。

2014年には、INSERM(国立健康医療研究所)の研究チームによって、夢をよく覚えている人はあまり覚えていない人に比べて、2倍の頻度で目が覚めるというデータが報告されている。2017年に「フロンティアーズ ・イン・ヒューマン・ニューロサイエンス」誌に発表されたフランス人研究者らによる調査でも、夢をよく見る人の夜間の覚醒時間は平均2分であるのに対して、夢をあまり見ない人の覚醒時間は1分であることがリポートされた。すなわち、あなたの脳が過熱しているのではなくて、あなたがぐっすり眠っていないのだ。

クリスティアーヌ・リーデル著『Amour et sexe dans vos rêves(夢の中の愛とセックス)』トラジェクトワール出版、22.30ユーロ

 

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