1. トップ
  2. 【いぬねこ うちのこ。】なまこちゃん(3歳)と猫のサバ美(推定10歳)/坂本美雨さん

【いぬねこ うちのこ。】なまこちゃん(3歳)と猫のサバ美(推定10歳)/坂本美雨さん

  • 2018.8.6
  • 10312 views


犬や猫と暮らしながら、子育てをしているママやパパをご紹介する「いぬねこ うちのこ。」。今回はスペシャルインタビュー。愛猫家としても知られる、ミュージシャンの坂本美雨さんです。

自称「ネコ吸い」の坂本さんは、大の愛猫家。愛猫のサバ美ちゃんと、3歳になったばかりの娘さん、通称 “なまこちゃん”、旦那さまと4人で暮らしています。

娘とサバ美。なんだか似てきた2人。
子育て中のママ、しかも猫が好きならフォロー必至の坂本さんのインスタグラムは、なまこちゃんの成長とともに、愛らしいサバ美ちゃん、また坂本さんが個人でされている動物愛護活動などの情報もあり、たくさんの方から支持されています。そんな坂本さんに、うちのこのベストショット、猫と暮らしながらする子育てについて、たっぷりお話を伺いました。

坂本美雨さん プロフィール


1980年生まれ。幼い頃からノラ猫たちと触れ合いながら過ごし、7歳から猫を飼いはじめる。これまで実家で飼っていた猫は4匹。10代はニューヨークで暮らし、17歳で音楽家としてデビュー。ソロ活動として昨年、聖歌隊CANTUS(カントゥス)とともにアルバム「Sing with me Ⅱ」をリリースしたほか、シンガーソングライターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨」として、多くの音楽フェスに出演。音楽活動の傍ら、ラジオ番組「ディアフレンズ」(TOKYO FM)のパーソナリティーを担当したり、新聞や雑誌での執筆、また子ども虐待問題への取り組むため、チーム「#こどものいのちはこどものもの」を結成するなど、マルチな活動をしている。愛猫サバ美、娘、オットと4人暮らし。著書に『ネコの吸い方』(幻冬舎)。
Instagram:@miu_sakamoto、@yamaguchi_h(オット) #サバ美となまこちゃん
http://www.miuskmt.com

■愛すべき「うちのこ」たちをご紹介!

1歳の誕生日。初めてぎゅっとさせてもらったのが、サバ美からのプレゼント。
・なまこ 3歳
・サバ美 推定10歳 サバ柄

娘は先日3歳になったばかり。“なまこ”胎児ネームで、サバ美が寝ている姿がなまこみたいだから、ときどき“なまこ”と呼んでいたんです。そのうち、お腹にいる娘のことも“なまこ”と呼ぶようになりました。本名だと思われている人もいるようですね(笑)。

3歳のお誕生会。幼なじみのセコムくん(#セコムとなまこ)と一緒に。
サバ美は、2010年に里親募集サイトに載っていたところ、私が一目惚れして家族に。別の名前を考えていたのですが、ボランティアさんがつけた「サバ美」に反応していたので、そのまま呼んでいます。姫気質ですが、人が大好きな甘えん坊。サバ美とは、新聞の企画で結婚式を挙げたこともあります。

お腹の赤ちゃんを温めてくれる、スフィンクスのようなサバ美。
毎日のスキンシップは、“吸う”こと。お腹に顔をうずめて息を吸い込み、サバ美と愛情交歓しています。

娘が生まれる前日に撮った写真。大きなお腹がサバ美の足置きに。


【ママに質問!】
1:愛猫・サバ美ちゃんとは、いつから一緒に暮らしていますか?

最初の頃はここまで近づくのが限界でした。
サバ美とは娘が産まれる前からいっしょに暮らしていますが、娘と初めて対面したときは「なんじゃこりゃ?」という感じで戸惑っていました。いまだに娘との距離はあるんですが、最初の頃はクーファンのなかを恐る恐る覗き込んだりしていました。

生後2週間の頃。クッションの壁があれば、近い距離にいる2人。
でも、生後2週間くらいのときに授乳をしていたら、ブランケット越しにサバ美がフミフミしてきたんです。ブランケットだと思ってフミフミしていたと思うのですが、ブランケットの向こう側には娘がいたので、サバ美から近づいてきてくれたこと自体が嬉しくて。娘に心を開いてくれたんだなと思いました。

クーファンを占領する姉。
娘もまだ赤ちゃんだったから、いろいろなことを大目に見て、サバ美なりに優しくしていたんだと思います。でも娘が成長して体も大きくなり、力も強くなってきたら、やっぱり嫌なところを触られると“パシッ”とやっていますね。

花冠をかけられ、慎重になるサバ美。
サバ美はよくごはんをはき戻してしまうんですが、娘がすごくそれを嫌がって、「また吐いてる、サバちゃんダメだよ~」と話しかけています。すごく敏感に反応してしまうんですが、娘なりに心配もしているんだと思います。

【ママに質問!】
2:サバ美ちゃんに「寂しい思いをさせている」と感じたことはありますか? また、そんなときはどう対処していますか?

それはあると思います。日中は全然家にいないですし、地方に泊まったりすることもあるし、夫は猫アレルギーで抱っこすることもできないので、サバ美は私との関係しかないんです。だから、娘が寝た後にたっぷりスキンシップをとるようにしています。

娘が起きる前にサバ吸いタイム。
留守の時に世話をしてもらったり、情報交換をしあう仲間である“猫親戚”や、キャットシッターさんにも来てもらうことで、寂しさをフォローしてもらうこともあります。夫だけが家にいる時も、猫親戚に “なで要員” としてきてもらうこともあるんです。サバは寂しいと夫に甘えざるを得ないので、夫は困ったなと思っているみたいです。

膝の上、混みあってるね(笑)。


【ママに質問!】
3:サバ美ちゃんと娘さんとはどんな関係だと思いますか?

娘が生まれる前に用意した服を、先にお姉ちゃんが試着。
サバ美は自分のことを「猫」だと思っていないですし、私もそういう風に扱ってきませんでした。だからうちの場合は、子どもと一緒になって “猫を育ててあげる” という感じではないですね。

サバ美は娘の存在について “仕方がない” と思っていると思います。「帰らないんだな、この子。ずっといるんだ」って。彼女も多分 “娘と共存していくしかない” とわかっていると思うんですよね。

長くなったわね、この子。
娘の方も「猫」がいることが当たり前すぎて、特に「猫が好き!」っていう感じでもなくて、「サバちゃんはそこにいるもの」と思っているようです。自分が “かわいがらなくちゃいけない” とも特に思っていないようで、クールだなぁと思って。“ネコ吸い”的にはちょっと物足りないんです(笑)。

それから、ときどきライバルのような存在でもあります。私がサバ美を抱っこしていると「やめて」と言ってきたり、逆に「ごはんをあげたい」とか「サバちゃん、お水を飲んで」と、自分からお世話をしたがるときもありますね。

暖房の前でくつろぐ姉の隣に、だるまを二つ並べて困惑させている妹。
“ネコ吸い”の私としては、もっと娘とサバがベタベタしているところを見たかったんですが、クールな関係ということで、それもそれでいいんじゃないかなと思っています。成長とともに、2人の関係も変わっていくと思いますしね。

【ママに質問!】
4:娘さんにサバ美ちゃんのことで “言い聞かせていること” はありますか?

“そこにいるのが当たり前” の存在だったサバ美に、興味が出てきた頃。
娘にとって、サバ美は当たり前にいる家族。特にかわいがったり、敬意を示すということはないんです。

だから、最近は「サバちゃんはもう8年もお家にいて、あなたが生まれるずっと前からママは一緒にいる。パパと出会う前から、ママはずっとサバちゃんと2人で一緒に住んでいたし、仲良しだったんだよ」って、ひたすら言い聞かせています。

サバはお姉ちゃんだから、失礼な態度をとってはいけないということは、すごく言っています。もし、娘がサバ美に対して失礼な態度をとったら、結構厳しく怒りますね。

膝の上で寝ているうちに、投げ出された足がそっとサバ美の上に。
それから、サバ美に対する“言い方”についても。娘がよく「サバちゃんは〇〇に乗っちゃだめ!」と言うので、「なんで? “自分はいいけど、サバちゃんはダメ”と言うのはダメだよ」と伝えています。

こういうことって、実の姉妹間ならよくあることですよね。娘はそれくらい “サバ美と自分は対等” だと思っているようです。サバ美のことを下には見ていないという証でもあるので、その点は逆にいいかなと思っています。

【ママに質問!】
5:サバ美ちゃんと娘さんとの、印象に残るエピソードはありますか?

娘の上に、がっつり乗っているサバ美。「この子乗っても大丈夫」と初めて認定した瞬間。1歳半頃。
先日、サバ美が脱走した際、私があまりにも取り乱したので、娘はトラウマになってしまったようで。毎日のように「サバちゃん、脱走していないかな?」って言うようになりました。

ちょうど脱走していたとき、娘が別のことで大泣きしていたんです。ふと窓を見たら網戸が開いていて、サバ美がいなくなっていて。私、慌てふためいてすごくパニックになったんです。だから、“自分が怒られるようなことをして泣いていたから、サバちゃんが脱走しちゃった”と結びついてしまったようで、「いい子にする」って言うんですよね。

それが切なくて、かわいそうだなと思って。「君のせいじゃないよ」って言いながらも、私も少し利用して「いい子にしていたら、脱走しないかもよ」って(笑)。


【ママに質問!】
6:猫と暮らすことで、娘さんにどんな影響があると思いますか?

私がとにかく「猫」に反応するので、娘も「この人、すごい猫が好きなんだな」と思っていると思います。街で猫を見かけると私が話しかけに行ったりしているので、そんな姿をちゃんと見ているようで、娘も一緒に話しかけたりしていますね。でも触るのはまだ怖いみたいです。

「サバちゃん抱っこして」と言うと、いつの間にか実行できるようになっていた娘。
娘は、犬も猫も “見ている” のが大好き。サバ美には触るけど、私が「ちゃんとサバちゃんに挨拶しな」と言うと行く感じで。自分からはベタベタしないですね。サバ美にベタベタしているのは私だけです(笑)。

【ママに質問!】
7:猫と暮らしながら子育てをすることのメリットは、ズバリ何でしょうか?

生後200日。寝ている2人の姿は見ているだけで幸せ。
お母さんの心の安定でしょうね。本当に猫がいて良かった、サバ美がいなかったら、子育てにキリキリして疲れて大変だったと思います。サバ美を撫でるとリラックスできるんです。夜、一緒にいてくれるだけで全然違いますね。

【ママに質問!】
猫と暮らしたい! と考えているママさん・パパさんに伝えたいこと

起きているときは自分から近づかないサバ美が、寝ているときだけ近くに。
ひと昔前は、おじいちゃんおばあちゃんが「赤ちゃんが猫と暮らすなんてとんでもない!」という時代もあったと思うし、うちの親ですら生まれる前はちょっと心配をしていたので、そういう考えが根付いているんだなと思います。でも「犬猫たちは優しいし、赤ちゃんを絶対に傷つけたりしないから大丈夫」と伝えたいです。

たくさんある猫アイテム。娘も猫の洋服が大好き。
ふつうに話しかけたり、嫉妬したり、怒ったり心配したり…というのは “人としての交流” だから、自分と姿形の違うものに対しても、そういう風に対等にコミュニケーションしていけるのは、素晴らしいことだと思うんですよね。

「命の大切さ」や「弱いものを守る」ということを伝えるのはもちろんですが、それだけじゃなく、動物との対等なコミュニケーションを、うちの子も当たり前にやっているので、そういうことができるということが、大事なことかなとも思います。

猫も、人間や子どもたちの言葉を理解しているんですよね。大切にする、擁護する対象としての “ペット” という意識ももちろん必要ですが、本当のきょうだいのように、怒ったり嫉妬したりすることも含めて接する、というのがいいなと思いますね。


▼愛すべき「うちのこ」たちに伝えたい! ママからのメッセージ


「優しくし合おう。これからもよろしくね」

ママより

坂本美雨さん、ありがとうございました!
【いぬねこなかまフェス2018 ~動物愛護週間に集まろう~】

坂本美雨さんも参加している、動物愛護について多くの方に知ってもらおうとスタートした「いぬねこなかまフェス」は、毎年9月の動物愛護週間に開催。獣医師による犬猫をより理解するための役立つ講演のほか、動物を愛するアーティストや俳優によるライブや朗読もあります。チケットの売上利益は、ランコントレ・ミグノンで保護している動物たちの医療費やシェルターの家賃、ドックトレーナーの人件費、フード代などに利用されます。


開催日:2018年9月9日(日)
16:00開場/17:00開演
場所:昭和女子大学人見記念講堂
料金:全席指定 4,500円(税込)
https://www.diskgarage.com/feature/inuneko2018/

<坂本美雨さんからメッセージ>
「ライブあり、トークあり、講座あり。本当にいろんなことを楽しめるイベントです。出演者もさまざまな立場で、それぞれのジャンルの表現があり、こんな楽しい動物愛護があってもいいと思うし、もっと浸透していってほしいなと思います。ぜひいらしてください」

大阪北部で発生した地震、および西日本豪雨で被害にあわれたみなさまに心からお見舞い申し上げます。また、迷子になってしまった犬猫ちゃんたちが、一日でも早くご家族のもとに戻ってくることを願っております。

ウーマンエキサイト「いぬねこ うちのこ。」編集部
災害対策記事まとめ:
https://woman.excite.co.jp/feature/lifestyle/bousai_jishin/

坂本美雨さん 撮影:村上未知

(赤木真弓)

元記事で読む
の記事をもっとみる