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理想のママ像とのギャップに悩む“いい母プレッシャー”の克服例5選

  • 2015.2.27
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【ママからのご相談】

5歳男の子の母親です。息子は幼稚園に通っています。週1回がお弁当の日で、その日がとてもプレッシャーに感じています。 以前に、子どもが好きなものばかり入れていたら、先生から、「野菜がないですね。お肉ばかりだとバランスが悪いです」と注意されました。先生に言われた通り、お野菜を入れましたが、息子は嫌いなので、毎回残してしまいます。今のところ、野菜を残すことについては先生から指摘はありませんが、「野菜を食べさせないいい加減な母親」と思われるのが恐くて家で野菜を食べる練習をさせています。このまま野菜を残す状態が続いたら、息子のためにもならないし、また注意されると思います。どうしたらよいでしょうか?

●A. 嫌いなものは無理やり食べさせない! 親が“理想”を押し付けてもダメ。

こんにちは。ママライターのKOUです。

ご相談者さんは、幼稚園の先生からお弁当のことについて注意を受け、それをプレッシャーに感じていらっしゃるのですね。また何か言われるのでは……などと、気持ちが萎縮しているような状態だと思われます。

不安なお気持ちはよく分かりますが、そのプレッシャーはどうして感じるのでしょうか? おそらく、“ちゃんとした母親”と見られたい、思われたい……という気持ちからではないかと推測します。

これが、いわゆる“いい母プレッシャー”なのです。

●“いい母プレッシャー”とは

最近、テレビの情報番組でも特集で取り上げられていました。

“いい母プレッシャー”とは、「毎日の料理は手作りでバランスのとれたものを」「怒るなど、感情的になることは子育てとしてよくない」などと、さまざまな理想の子育てが雑誌やメディア、ママ友などから語られる中で、「自分は理想的な母親ではないのでは?」とプレッシャーを感じ、悩んでしまうことだと言います。

番組で行ったアンケートによると、9割以上の母親が、「自分はいい母じゃない」と思うことがあり、うち7割が、“いい母であるべきというプレッシャー”を感じ、悩んでいると答えたそうです。

さらに、誰から“いい母プレッシャー”を感じているのか尋ねた結果をみると、“自分の価値観”という答えが半数を超えていました。つまり、大半の人が“自分の価値観”からプレッシャーを感じていることが分かります。

この“いい母プレッシャー”から解放されるためには、どうしたらよいのでしょうか?

そこで、幼稚園・小学校向け課外教室“エンピツらんど”の創業者、立石美津子さんの著書『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のススメ』をもとに、“いい母プレッシャー”を跳ね返したという現役ママさんのご意見を伺いました。

●“いい母プレッシャー”を跳ね返したママの実例5選

●(1)子どもに過度な期待をしない!

『ピアニストになりたかった私の夢を娘に託したいと、4歳ころから、ピアノを習わせ、毎日自宅で練習をさせていました。6歳になった娘から、「ピアノをやりたくない」と言われ、私が続けさせようと、「才能があるからもったいない」と説得しましたが、結局、娘はレッスンに行かなくなり、辞めることになりました。ショックでしたが、娘から、「友だちと遊ぶ時間が増えてうれしい」と笑顔で言われたとき、初めて自分が娘にしていたことが間違っていたことに気づきました』(6歳女の子ママ/33歳)

立石さんも、著書で

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『一番良い子育てとは、親の価値観を押し付けない、力の抜けた「テキトーさ」を持って子どもと接すること』

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とおっしゃっています。

ママの、「こうなるべき、こうするべき」といった思い込みが、子どもを追い込むことになりかねませんので、過度な期待をかけないよう気を付けましょう。

●(2)情報をうのみにしない!

『育児に関する本や雑誌を読みあさったり、子育て講演会によく参加したりしていました。2人目が生まれた際、「叱らない育児」というのを実践してみようと思いましたが、育児書通りにいかず、かえってイライラして子どもにあたっていました。最近は、情報に振り回される私自身に疲れてしまい、全く育児書を読まなくなりました。今は、「育児には正解がない」と、開き直っています』(小学1年生、4歳男の子ママ/42歳)

確かに、書店やネットには、「ほめる育児」「東大に合格するための子育て」などと、理想を追い求めるママの心をくすぐる情報にあふれています。

あくまでも育児書は、育児の“参考書”だと思います。情報をうのみにしてプレッシャーを感じてイライラしていたら、かえって体に“毒”ですね。

●(3)ママ友と群れない!

『子どもの通っている幼稚園では、何となくグループに分かれていて、それぞれ集まれば別のグループのママの悪口ばかり言っています。初めは、仲間外れになるのが恐くて、「うんうん」とうなずいていましたが、「○○ちゃんママのグループの人たちが、○○くんママの悪口を言っている」という噂が先生の耳に入り、保護者会のときに先生から、「ママ同士のお付き合いもほどほどに」と遠回しに注意を受けました。それ以来、付き合いが悪いと思われても気にしないと自分に言い聞かせ、グループから離れました』(5歳女の子ママ/29歳)

女性は群れたい生き物ですから、仲間外れになりたくないという気持ちが強いですよね。

立石さんは、著書で

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『賛成したくないことに同意しなくてはならないような場面になると、自分の心にウソをつくことになり、ますます疲れる』

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と指摘しています。自分を良く見せようとする八方美人は、本音を口には出しませんから、心は解放されません。

●(4)嫌いなものは無理に食べさせない(飲ませない)!

『兄弟(長男・次男)そろって牛乳が嫌いでした。長男は学校の給食のときだけ、我慢して飲んでいたようですが、家では飲まないので、次男が、「お兄ちゃんが飲まないから、僕も飲まない!」と小学校に上がるまで全く口にしませんでした。末っ子の娘が生まれ、おいしそうに哺乳瓶に入ったミルクを飲んでいる姿を見た次男。「それって、牛乳? おいしいの?」と興味を持ったのをきっかけに、今は牛乳を飲めるようになりました』(中学1年生男の子、小学4年生男の子、5歳女の子ママ/44歳)

立石さんによると、子どもの好き嫌いを作ってしまう最大の原因は、親が、「何でも食べないといけない」という考えから、「食べろ、食べろ」と無理強いさせることだと言います。そこで食べないと、ママのイライラが募るばかりですよね。

子どもの嫌いなものを、「おいしい、おいしい」と、家族が目の前でパクパク食べている様子を見せることが、偏食をなおす早道だそうです。

●(5)親バカを恐れない!

『長女はぽっちゃりしているので、保育園では、「こぶたちゃん」とお友だちから呼ばれていると聞きました。「太っているからいじめられているのでは」と思い込み、少し痩せさせようと、カロリー控えめの食事に変えてみたのですが……。長女からは、「味が薄い」「お肉をもっと食べたい」と嫌がられ、親の心配とはよそに本人は体型をそれほど気にしていないようでした。よく考えてみると、「うちの子、太っているから、恥ずかしくて」なんて、他のママさんに話していた私の方が情けないですよね。最近は、長女には、「ぽっちゃりしてかわいいね」と言えるようになりました』(6歳女の子、2歳男の子ママ/36歳)

他人に「デブ」「ブス」などどけなされても、「ぽっちゃり型でかわいい」「愛嬌のある顔なのよ」と大好きなママが褒めてくれれば、子どもはうれしいものです。

子どもは親から自分の“あるがまま”を受け止めてもらえて自分が好きになると言います。さらに、「自分には価値がある」と思えて、自己肯定感が育つというわけです。

立石さんも、子どもを素直に認められる“親バカ”になることを提案しています。

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以上、現役ママさんの声をご紹介しました。

“テキトー”とはいっても、子育ては手抜きをしましょうというわけではありません。

繰り返しになりますが、「こうするべき」「こうなるはず」といった理想が肥大すると、親自身だけでなく、子どもにとっても、大きなプレッシャーになってしまうのではないかと考えます。

ご相談者さんも、お子さんの目の前でおいしそうに野菜を食べながら、「そのうち野菜を食べられるようになればいいよね」くらいに思ってみては、いかがでしょうか?

【参考文献】

・『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のススメ』立石美津子・著

●ライター/KOU(ママライター)

大学卒業後、新聞社に入社。地方支局や芸能部などで、10年間にわたり記者生活を送った。あっとういう間に30半ば目前に。「このままでは結婚できない」と思い立ち、婚活に専念(?)しようと、退職。数か月後には結婚相手を見つけた。36歳で1人目を出産。育児中には通信講座で保育士の資格を取得、少しは役に立っているのか、息子もすくすく育っている。現在は、のらりくらりと在宅でライター業を営む。

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