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ママ友や親「関係を切れない人と、どう付き合う?」【苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方 第3回】

  • 2018.8.3
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心地よい人間関係を築くために、大切なのは他者との間にバウンダリー(境界線)を引くこと。相手の侵入を許したままにしておくと、ストレスを抱え込んでしまい、病気になってしまう可能性もあります。

前回までは「バウンダリー・オーバー(境界線越え)とは何か」「上手なバウンダリーの引き方」などをテーマに、“ココロとカラダをつなぐカウンセラー”として活躍しているおのころ心平さんにうかがいました。連載3回目となる今回は、ママ友や両親、義理の両親など、ママを取り巻く具体的な人間関係について、よりくわしくお聞きします。


お話をうかがったのは…

おのころ心平さん

一般社団法人自然治癒力学校理事長。ココロとカラダをつなぐカウンセラーとして、これまで2万4000件、約5万時間のカウンセリング経験を持つ。経営者、アスリート、文化人など多くのクライアントのセルフケアを請け負っているほか、パーソナル医療コーディネーターとして病院や治療法、医療選択もサポート。セミナー・講演回数は年150回を超える。
・オフィシャルブログ






■ママ友「付き合うのが苦痛…どうしたらいい?」

一般的な友人とは異なり、距離の取り方が難しいのがママ友関係。バウンダリーを超えてズカズカと踏み込んで来るママ友に、悩まされている人は多いでしょう。そこで、よくあるママ友の悩みについて、対処法をお聞きしました。

1. 長話が止まらないママ友

ひんぱんに呼び止めて長話をしてくるママ友。忙しいのに迷惑だけれど、今後の付き合いを考えると角を立てたくはない。そんな時にはどうしたらいいのでしょうか。

「あいづちを使って、相手の話のリズムを狂わせるテクニックを使ってみましょう。最初は『うん、うん、うん』と調子よくあいづちを打っておいて、肝心なところでは『うん』と言わない。または『そう、そう、そう』と言っておいて、ある時に『そう?』と語尾を上げてみる。そうすると相手が驚いて話の流れが止まり、切り上げるきっかけができます」(おのころさん)

第1回で紹介した「手のひらを体の前に突き出してクルッと円を描く」という方法もおすすめです。

2. なにかと張り合ってくるママ友

なにかにつけて「私も」「私の場合は」「私の方が」と張り合ってくるママ友。会話を仕切って主役になろうとしたり、持ち物や洋服をまねしてきたりと、やっかいな存在です。

「いつも話の中心にいたがる人には、その人の好きな芸能人など憧れの人を聞き出してみましょう。会話の中心にその話題を持って来ると、張り合ってくることは少なくなります。一方で、もしあなたのまねをしてくるのなら、あなたの目標や夢などを一度ゆっくり話してみてはいかがでしょう。意外と良き理解者になるかもしれません」(おのころさん)

3. 愚痴ばかり言ってくるママ友

家庭や園、学校、職場など、あらゆる愚痴を延々と話してくるママ友。聞いているだけで、こちらまで暗い気持ちになってしまいます。

「愚痴を言う人は長年その考え方で生きているのですから、考え方を変えるのはかなり大変。ポジティブなアドバイスをすればするほど、相手に愚痴の材料を与えてしまいます。愚痴を言う人と話をするなら、最初の5分だけというように時間を区切りましょう。その後はスマホを見たりその場に通る人にあいさつをしたりと、空気を変えながら場を離れる機会を探るといいでしょう」(おのころさん)

よほどの覚悟がない限り、相手を変えようとは思わないほうが良さそうです。






■両親や義両親「ありがたいけどイライラする…悩んでいます」

多くのママが頭を悩ませているのが、実の両親や義理の両親との関係。孫の教育に口を出してきたり、こちらの生活に干渉してきたり。そんな時の対処法をお聞きしました。

1. 実の母親が孫の教育を押し付けてくる

子どもにとってはおばあちゃんにあたる実母が、小学校受験の情報を調べたり習い事をすすめてきたりと、教育を押しつけてくる。孫をかわいがってくれるのはありがたいけれど、教育にまで口を出されて迷惑をしている、というケース。実の母親だけに、どう伝えるか迷うところです。

「まずはなぜそんなに孫に関わりたいのか、理由を考えてみましょう。子どもや孫に期待する背景には、劣等感や不安が隠れていることが多いんです。自分が昔、勉強ができなくて辛い思いをしてきたのかもしれませんね」(おのころさん)

不安を与えないために「子どもはちゃんと頑張っていて、評価されている」と先に報告をしてあげるといいのだそう。

「それでも口出しをやめない場合は、『お母さんには関係ないでしょ』とガツンと言い、その後に『さっきはごめんね』といフォローするといいでしょう。お母さんは落ち込むかもしれませんが、言われた言葉はずっと残るので、2度と言ってこなくなるはずです」(おのころさん)

少し勇気がいりますが、気心の知れた親子だからこそ使えるテクニックといえます。

2. 同居している義理の母親が生活に干渉してくる


同居といえども、お互いの生活になるべく干渉しないのがルール。なのに、近所の人に「嫁が外出ばかりしている」「子どもの面倒を見ていない」と言いふらされている。こうした嫁姑の問題には、どう対処したらいいのでしょう。

「義理のお母さんの良いところを見つけて、あえて相手をほめてあげる、という手があります。ほめられると悪い気はしませんし、自分をほめてくれる人は良い人だと思うもの。すると意外と周囲に『うちの嫁はすごいのよ』と自慢するんですよ」(おのころさん)

イヤなことを言われているのに、相手を持ち上げるのは納得がいかないかもしれませんが、親とはこれからもずっと付き合っていかなければいけません。そこはぐっと我慢。自分の器を大きくして、人間関係を良くすることに努めましょう。

次回は、子どもに対するバウンダリー・オーバーとその対処法についてお聞きします。

参考図書:
『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(同文舘出版)
おのころ 心平 著 1,512円(税込)

(まちとこ出版社)

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