1. トップ
  2. お仕事
  3. 妊娠したら要チェック! 退職後に“出産手当金”を受給する条件3つ

妊娠したら要チェック! 退職後に“出産手当金”を受給する条件3つ

  • 2015.2.27
  • 9498 views

【ママからのご相談】

現在、妊娠7か月で会社勤めをしています。長年勤めてきて、子どもを産んでからも働き続けたかったのですが、夫の転勤が決まり、出産後は退職することになりました。退職してしまうと、出産手当金を受け取ることはできなくなってしまいますか?

●A. 1年以上働き続けている人は、退職後でも出産手当金を受けられる可能性があります。

ご懐妊、おめでとうございます。労務管理や社会保障制度の専門家、社会保険労務士の糠谷栄子です。

健康保険の社会保障の1つである“出産手当金”を受けられるのは、産前6週(多胎の場合は産前14週)と産後8週の間です。そして、“出産手当金”は出産を機会に退職してしまっても、受け取ることができる場合があります。

ただし、ポイントが3つありますので、今回はその条件を詳しくみていきましょう。

●出産手当金を受け取るポイント3つ

●(1)健康保険加入期間が“継続して”1年以上あること

単純に、数年間会社員として働いていれば、通常は健康保険に加入してますので、この条件はクリアします。また、“継続して”とは、たとえば派遣スタッフのようにA会社に勤めていて、次にB会社に勤めたという場合でも問題ありません。

ただし、2月25日まではA会社、3月1日からはB会社で、2月26日~28日まで空いてしまうというように、加入期間が1日でも空白ですと、“継続して”とはいえません。また、その間の数日間に“任意継続”という制度を使って健康保険の加入期間を引き伸ばしたとしても、条件をクリアできないのです。また、空白の期間に国民健康保険に加入しても、健康保険とは制度が違うため、“継続”にはなりません。

ちなみに“継続して1年以上”の健康保険加入期間がなくても、産前42日以内の在職しつつ、産休をとっていた期間については、“出産手当金”は支払われます。たとえば、予定日が3月31日で、3月1日に退職した場合。2月17日~2月28日までの間で賃金が支払われない日数分は、“出産手当金”が受け取れます。

●(2)出産日または出産予定日より42日以内(多胎の場合は98日以内)に退職していること

体調が悪く、出産予定日の42日(双子など多胎の場合は98日)より前から産休に入ってしまうというのは、よくある話です。それでも退職日は慎重に考える必要があります。というのも、“退職日”が出産日または出産予定日より42日(多胎は98日)以内の期間にないと、出産手当金は受け取れないからです。

また体調が回復して、仕事に復帰できるケースもありますので、きちんと会社と相談して、“退職日”をこの日程の中で決めるようにしましょう。

●(3)退職日に“仕事に就いていない”こと

たとえ、(1)(2)の条件をクリアしていても、“退職日”に仕事に就いていると、出産手当金は受け取れません。ですから、出産予定日前42日(多胎98日)以内の日の、実際に産休を取りはじめる日以降に“退職日”を決めるよう、注意してくださいね。

----------

いかがでしたか?

このように条件を満たせば、退職しても出産手当金を受け取れるのです。長く勤めたにも関わらず、ほんのちょっとした条件がクリアできずに、出産手当金がもらえないのは悔しいですよね。出産を機会に仕事を辞める場合は、(1)~(3)までの条件をしっかりチェックしましょう。

●ライター/ぬかぽん(ママライター)

「女性のパワーで業績UP」を合言葉に、専業主婦からのステップアップ経験をもとに、主婦のお仕事再デビューや育休復帰などを企業の成長につなげる、社会保険労務士です。コラムでは、主に社会保障にまつわる制度をわかりやすくご紹介。引越3回の現役バリバリ転勤族の妻&小学生2人の娘のアラフォー母ちゃんの視点も生かして、パパママにお役立ちな情報をお届けいたします。

の記事をもっとみる