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福岡へ行くなら糸島へ、街を抜け清々しい海時間。

  • 2018.8.3
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海、山、大地、と三拍子揃った自然豊かな糸島は、市内から約40分。博多っ子が愛してやまない週末のお出かけスポットで、見て食べて泊まって、いいもの巡りのプチトリップへ!

二見ヶ浦は、糸島の定番ビーチのひとつ。海岸線には、カフェやレストランがずらりと並ぶ。

福岡市内から西へ向かうこと約40分。電車や車で気軽に訪れることができる街・糸島は、かつては音楽フェスと農業のイメージが強かった。ここ数年は市の援助もあって、スローな田舎暮らしに憧れる移住者が急増。糸島最大のチャームである力強い味の野菜を最大限活用したレストランや食材店、広いスペースをアトリエとして使ううつわ作家や家具職人も増え、〝手仕事〟が生きる街に成熟している。今年2月には、糸島の自然とゆったりとした時間を楽しめるゲストハウス、スリービーハウスも誕生。観光スポットを巡らずとも、浜辺をのんびり散歩したり、部屋で潮騒を聞きながら大きな夕日を眺めるだけで、不思議と豊かな気持ちになれるだろう。

古民家で見つけた、塩にまつわるうつわと食。

スミカフェと。

玄界灘の豊富なミネラルが含まれた「またいちの塩」は、糸島名産のひとつ。この製塩所が始めたカフェでは、2016年から2階に雑貨店を併設。唐津焼やカゴバッグ、テキスタイルなど、スタッフが実際に使ってよかったものだけを集めている。注目はまたいちの塩と一緒に並べられた塩壷。地元作家5人に声掛けし、それぞれの個性が表れた塩壷が完成した。うつわ探索の後は、花塩プリンをお目当てに、カフェにも立ち寄って。

府川和泉作の唐津焼。左から時計回りに、斑八角皿¥3,240、斑マグ¥3,240、小皿¥1,620

うつわ以外にも、地元の竹細工同好会によるザルや野草茶なども販売。

店は古民家を改装。テラスもある。

1階のカフェでいただける、粒子の大きな花塩がアクセントになった「花塩プリンセット」¥850。コーヒーのマグカップは馬場勝文作。2階の雑貨店でも購入可能。ボリュームたっぷりのフォカッチャサンドも人気。

馬場勝文や川口武亮の有田焼など、5人の作家が参画したオリジナルの塩壷が並ぶ。

Sumi Caféスミカフェと。福岡県糸島市本1454営)カフェ:12時~16時30分L.O.ショップ:12時~17時休)木予約不可tel:092-330-8732http://mataichi.info/sumiJR筑肥線筑前前原駅から車で約10分

自然と地域になじむ、ミニマルな料理。

アダンソニア

東京で活躍してきたオーナーが、もっと研ぎ澄ました料理を作りたいと辿り着いた場所が、ここ糸島。食材の豊かさはもちろん、発酵ものや酒蔵など、古くから残る町の文化も決め手になった。地元の旬の食材を生かすため、メニューと値段は日々変化。イチゴの自家製ビネグレッドを和えることで、野菜の風味をくっきりと浮き出した春ニンジンのサラダなど、繊細かつ骨太な料理を生み出している。

春のランチコースの一例。この日は¥2,850で提供。上から、オレンジのババロア、ホウレン草とビーツを練り込んだファルファッレ、春ニンジンとイチゴのサラダ。鶏の出汁を含ませたパスタは、歯をたてると鶏や野菜の旨味が広がる。

海沿いに立つ店。

店内では国内外の食材や、手作りの焼き菓子も販売。

Adansoniaアダンソニア福岡県糸島市二丈浜窪396-1営)12時〜16時最終入店※売り切れ次第終了休)木、日※ほか不定休あり要予約カード不可tel:092-325-2226http://adansonia.petit.ccJR筑肥線一貴山駅から徒歩約20分

木彫アートを鑑賞しながら、大人のパフェに舌鼓。

ピノ・グリ

ブドウ畑だった高台に、一軒家を建築。糸島出身で木彫家である柴田博文オーナーのギャラリーとしてスタートし、昨年からは夫婦でカフェとして再始動。木彫家具やオブジェに囲まれながら、朝採れ野菜たっぷりのランチや、5〜6種のパフェが楽しめる。妻、香苗店主の作るパフェは、隠し味で山椒を入れたものなど大人にうれしい仕上がり。目の前に広がるのんびりとした糸島の風景もご馳走だ。

吹き抜けが気持ちいい、広々とした店内。休日には遠方から訪れるゲストも。

ピノ・グリの最新作は、イタリアの麦茶オルヅォのゼリーや、ラムコーヒーのアイスなどを盛った「パフェ ダルメシアン」¥2,000

シューを添えた「春野菜のスーププレート」¥1,600

Pinot Grisピノ・グリ福岡県糸島市志摩桜井1052営)11時~18時L.O.休)木カード不可tel:092-332-7579http://pinotgris.jpJR筑肥線筑前前原駅から車で約20分

糸島ライフを叶えてくれる、新しいゲストハウス。

スリービーハウス

海と国有林が広がる一角にぽつんと立つ、糸島の自然を目いっぱい享受した新施設。企業の保養所だった建物をリノベーションし、カフェやレストラン、ショップとゲストハウスを備える。コンセプトに“家”を掲げ、ホテルのようなサービスがないぶん、思い思いの時間が過ごせる。全5室の部屋は、北欧家具で統一されていたり、ミッドセンチュリー調の部屋があったりと、それぞれ違った趣に。糸島の美味を盛り込んだ朝食と夕食を楽しみ、選び抜かれた家具やリネンに囲まれ、なんにもしない贅沢を味わうのがおすすめの過ごし方だ。

館内のレストランでは、糸島産を主に使用。¥2,700のランチコースより。手前は、あまおうとビーツのスライスで爽やかに仕上げた「初ガツオのタタキ」。奥は「季節の野菜のクラムチャウダー」。ほかにデザートとドリンクが付く。

左:101号室のバスルーム。右:オリジナルのタオル(各¥648)やアロマ(¥1,620)はショップでも購入可能。

アルネ・ヤコブセンなど、北欧家具が中心になった101号室。

カフェに併設するデッキ。BBQ施設もある。ゆっくりと沈む夕日を眺めたり、林を散策することもできる。

左:宿泊者のみが利用できるラウンジでは、アルヴァ・アアルトの本など、施設のデザインや家具に関する本が自由に読める。右:ショップでは、糸島に関するものや、ビーチに持ち出したくなるグッズを揃える。

BBB Hausスリービーハウス福岡県糸島市志摩小金丸1897休)月、火全5室バスタブ付き2室、シャワーのみ3室ツインルーム1名¥27,000~¥32,400(1室2名、2食付き)営)カフェ:11時~17時30分L.O.レストラン:11時30分~13時30分L.O.ショップ:11時~19時休)月、火カフェは予約不可、レストランは予約したほうがいいtel:092-327-8020www.bbbhaus.comJR筑肥線筑前前原駅から車で約15分

*『フィガロジャポン』2018年6月号より抜粋

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