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身体ナビゲーションVol.40「成長ホルモンの増やし方3つ」

  • 2015.2.27
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

周りを見てみると同じ年齢でも老けて見えたり、年齢よりずっと若く見えたりと見た目年齢は個人差がありますよね。でもその原因はなんでしょう?

今回はその見た目年齢のカギを握っている成長ホルモンについて解説したいと思います。

●成長ホルモンの別名は“若返りホルモン”

成長ホルモンはその名前から、“子どもの成長期に分泌されるホルモン”“身長を伸ばすホルモン”として広く知られています。しかし成長ホルモンの働きは筋肉や骨の委縮を防止したり、皮膚の新陳代謝を促したり、体脂肪の増加を抑えたりと多岐にわたります。

筋肉や骨の委縮、皮膚の新陳代謝周期の遅れはいずれも老化を意味します。それを抑える働きをするため成長ホルモンは“若返りホルモン”とも呼ばれているのです。

●成長ホルモンは生涯、欠かせないもの

成長ホルモンは下垂体から血液中に分泌されると、主に肝臓に働きかけて細胞を増殖する作用があるIGF-1(Insulin-like growth factors)を分泌させます。また、軟骨細胞にも直接働きかけ骨の成長を促します。

さらに皮膚や筋肉でたんぱく質の合成を促進したり、心臓などさまざまな臓器や器官の発育、脂肪組織による脂肪分解、組織を修復・再生したりする働きもあり、年齢に関係なく私たちの体づくりに重要な役割を持っています。

●成長ホルモンは加齢とともに減少する

成長ホルモンは平均して16歳前後をピークに分泌量が減少していきます。これは20代のころは好きな物を好きなだけ食べても太りにくかったのに、40歳を過ぎて同じようなことをすると太ってしまうのは、加齢による成長ホルモンの減少によって脂肪の分解が減ってしまうことが一つの原因に挙げられます。

さらに成長ホルモンが不足すると、疲れやすくなったり、集中力、気力が低下しやすくなったりして、老化の進行を早めてしまいます。

●成長ホルモンを増やすポイント3つ

加齢とともに減少するといわれても、生活習慣次第でその減少を抑えることができます。食、運動、睡眠と3つのポイントに分けて見てみましょう。

●(1)アルギニンを含む食材を積極的に取る

アミノ酸は細胞を作るのに不可欠な栄養素です。中でもアルギニンは成長ホルモンの分泌を活発にするといわれているので積極的に接種したいものですね。アルギニンは大豆製品(豆腐・納豆・きな粉)や魚介類(マグロ・しらす・エビ)、肉類やナッツ類に多く含まれています。

●(2)適度な運動を心掛ける

運動をすると筋肉の中には乳酸やアデノシンといった代謝物が発生します。これらの代謝物により、感覚神経が刺激されその信号が脳の下垂体に伝わり、成長ホルモンが分泌されます。

つまり、運動による肉体的な負荷(ストレス)がかかることで成長ホルモンが分泌されて、骨や筋肉が活性化するのです。分泌量は年齢を問わず増やすことができるので、体を動かして成長ホルモンの分泌を増やしましょう。

●(3)十分な睡眠をとる

成長ホルモンは睡眠中にも多く分泌されています。睡眠中は体も休んでいるように感じますが、睡眠中に成長ホルモンが分泌され昼間の活動で傷ついたりした細胞を修復しています。

成長ホルモンが分泌されるタイミングは、眠りに入って最初に訪れる浅い睡眠(レム睡眠)から深い睡眠(ノンレム睡眠)へ入るときです。例えば23時に就寝した場合、だいたい23時半から2時ごろの間に分泌されます。

また、睡眠中に活躍するもうひとつのホルモンがメラトニン。メラトニンは前回ご紹介したセロトニンを原料とする睡眠ホルモンですが、その他にも成長ホルモンと同様に免疫力を高める働きをしたり、活性酸素を無害化したり成長ホルモンの分泌を促進したりする働きがあります。

メラトニンは朝日を浴びて15~6時間後くらいに分泌が始まり、その後数時間で分泌のピークを迎えるので、例えば朝、6時に起きて朝日を浴びると21時くらいからメラトニンの分泌が盛んになり、成長ホルモンの分泌が盛んな23時半~2時頃の時間帯に分泌のピークを合わせることができます。

そう考えると老化予防のためにも23時就寝、6時起床で7時間程度の睡眠をしっかりとるのが賢明だといえるでしょう。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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