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「大阪の皆さん、ほんと、お待たせしました!」/ 舞台『ジャージー・ボーイズ』中川晃教取材会レポート

  • 2018.7.17
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1960年代、「君の瞳に恋してる」「シェリー」ほか数々のヒット曲を生み出し、世界を熱狂させた伝説のヴォーカルグループ、ザ・フォー・シーズンズ。“天使の歌声”を持つフランキー・ヴァリをはじめ、メンバー4人の栄光と波乱に満ちた成功と挫折の物語がミュージカル化され2005年にブロードウェイで上演された。トニー賞最優秀ミュージカル賞を受賞し、14年にはクリント・イーストウッド監督で映画版も公開。そして16年、東京で日本人キャスト版が初演。大ヒットし、第24回読売演劇大賞最優秀作品賞ほか、数々の演劇賞を受賞した。この作品が再演、ついに大阪・新歌舞伎座に登場する。7月7日(土)、前売りが開始された。

【写真を見る】フランキー・ヴァリを演じる中川晃教。まさに“天使の声”!

取材会にて
KADOKAWA

ニュージャージー州の貧しい片田舎。フランキー(中川晃教)は、成功を夢見る兄貴分のトミー・デヴィート(中河内雅貴/伊礼彼方)、ニック・マッシ(福井晶一/Spi)のバンドに入る。その後、作曲の才能あふれるボブ・ゴーディオ(海宝直人/矢崎 広)が加入し、過酷な下積み生活を経て、ついにボブの楽曲と4人のハーモニーが認められ…。

フランキー役には中川晃教。ほかのメンバー3名は各Wキャストで演じる。チームWHITEとチームBLUEと銘打つ2チームが、新歌舞伎座では3公演ずつ交互に上演。チームを率いる中川が来阪、再演への意気込みを語った。

【写真を見る】フランキー・ヴァリを演じる中川晃教。まさに“天使の声”!
2016年7月東京初演より 写真提供:東宝演劇部

2年前東京で大ヒットし、高評を得た作品を大阪から悔しい思いで見ていた。が、話を聞き、再演で観る方が良かったかも!? 期待がより一層膨らんだ。

【フランキー・ヴァリ役を獲得するまで】

フランキー・ヴァリを手中に収めるまでのプロセスは初体験でした。この作品で音楽を担当するボブ・ゴーディオは、ザ・フォー・シーズンズのメンバーの1人で、彼のOKがないとフランキーはできないんです。この役だけは審査があって、フランキーに必要な声を持っているかどうか。オーデションにはデモテープ3曲と歌唱する姿、それが次は6曲に増えて…。初期・中期・後期の音楽性の変化に伴う発声のコントロールも審査を経て、ようやくOKをもらって、フランキーという役を演じることができました。

【稽古場では】

演技と歌と、4人の存在感と。演出の(藤田)俊太郎さんには、みんなで舞台を作っていくという意識を求められていました。カンパニーがひとつになること。皆で助け合い、何があっても絶対大丈夫なところまで行く。だから稽古場からコミュニケーションを大事にしてきました。歌も、ハーモニーを作ることは難しいですね。ほんとに奥が深いです。

【作品の魅力】

春夏秋冬の季節ごとに担う4人の物語なんです。春はトミー。フランキーを音楽の世界に導いてくれた兄のような存在。夏はボブ。彼がフランキーの声に魅了されて曲を書いたことで転機を迎える。秋はニック。寡黙だけど、精神的にもグループの中でも要。冬がフランキー。娘を亡くし、解散の危機を迎えても歌い続ける。フォー・シーズンズ。グループ名でもあり、この作り方が見どころでもあります。

4人がそれぞれ主役として描かれていて、さらに永遠の名曲として知られている音楽に力があり、音楽が主役と思わせるミュージカルだなと思います。

チームWHITE。上左:フランキー・中川晃教、上右:トミー・中河内雅貴、下左:ボブ・海宝直人、下右:ニック・福井晶一
KADOKAWA
チームBLUE。上左:フランキー・中川晃教、上右:トミー・伊礼彼方、下左:ボブ・矢崎 広、下右:ニック・Spi
KADOKAWA

前回はホワイトとレッド、今回はホワイトとブルーのチーム。ホワイトはフレッシュで、ピュアな新鮮さを感じられると思う。ブルーは波乱万丈(笑)の熱い4人です。同じことやってるのに、何でここまで違うんだろうと。そこが楽しいところでもあるので、ぜひ両方観てほしいですね。

【初演の感想】

緊張感と集中力と。初めて自分が出会う声だったので、すごくしんどかった。1人で41ステージ、毎回ちゃんとクリアできるか、すごいプレッシャーでした。初演の最後にオールスタンディングの客席を見ていて、この役と出会えたのは奇跡なのかなと思いましたね。

でも、もっと出来たんじゃないかと悔しくて。そこが次に向かう自分の原動力につながっているので、再演できるのはすごく幸せです。

【ヴァリの声を自分のものに】

この役に出会わなかったら、あの声を見つけられなかった。1年弱ぐらいかけて“トワング”という独特の発声を自分のものにしました。求められたことを確実にクリアした時にいただいた賞の重み。それは僕自身がびっくりしました。その声は表現を磨くきっかけになり、再演までの2年間ヴァリの声を磨き続け追及して来たことによって、声に深みが出ました。今、初演の歌を聴き返すと悔しかった思いが込み上げて来ます。フランキー・ヴァリの歌の力、2年間練習してきたことを是非見てほしいです。

【30代の代表作】

18歳でデビューして、シンガーソングライターから初めて挑戦したミュージカルが「モーツァルト!」。19歳でこの作品に出会って20代前半までやっていました。10代20代の代表作が「モーツァルト!」なら、30代の代表作はこの「ジャージー・ボーイズ」だなと実感しています。でも僕、まさかこんなにミュージカルをやると思ってなかったんですよね。やりたいから、やり続けてきたから、ここまで来れた。自分の想いだけでは見れない景色をたくさん見ている気がします。

シンガーとして僕の一番の武器は歌。自分が自分であると思える歌。ミュージカルを経験することで、歌に対する表現が変わって来ました。ミュージカルをやって良かったなと思っています。お客様が「あぁ、観に来てよかった」「楽しかった!」「明日から頑張ろう!」、みたいに人を喜ばせる仕事に携わることが出来ているんだなと、そこに誇りを持つことが出来ました。

初演のチームWHITE。素晴らしいハーモニーを存分に!
2016年7月東京初演より 写真提供:東宝演劇部

でも、ほんとにフランキー・ヴァリ、ここまで来るのにメッチャ頑張ったんですよ。「モーツァルト!」も愛されたように、「ジャージー・ボーイズ」も愛される作品になるように取り組んでいきたい。30代の力を発揮したいです!

【お客様へのメッセージ】

大阪のお客様にやっと観ていただける。ほんと、お待たせしました!ですよね。ミュージカルが初めてのお客様にも楽しんでいただけるのが、作品の一つの特徴でもあります。盆(舞台上で装置が回る)を使ったり、客席から登場するシーンもあり、劇場空間で客席とステージが一つになる演出です。新歌舞伎座とマッチングした時の、お客さんの中で巻き起こるドキドキワクワク感に繋がっていけたら。大阪ならではの「ジャージー・ボーイズ」になるんじゃないかと思います。

作品全部の力で、お客さんが圧倒される。そこに、今まで経験してきた力を試され、また力を発揮できるような作品と出会えている30代の自分がいる。観に来てよかったと感じていただけるように、しっかり頑張って準備して行きたいと思います。

大阪で初めて観るお客様の反応が、再々演に向かうキーになるかなと思うので、絶対観に来てね! 多分、チケットはすぐになくなることが予想されるので、のんきにしていないで(笑)。早い者勝ちです! (関西ウォーカー・演劇ライター・はーこ)

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