1. トップ
  2. 坂本美雨×Boojil対談Vol.1 アーティストであり、ママである。ふたりが語る母の悩みや子育てとは?

坂本美雨×Boojil対談Vol.1 アーティストであり、ママである。ふたりが語る母の悩みや子育てとは?

  • 2018.7.13
  • 1794 views


NHK Eテレでアニメーション番組になった「おかっぱちゃん」がいよいよ絵本になりました。

著者のBoojil(ブージル)さんは、ウーマンエキサイトでおかっぱちゃんの子育て奮闘日記を連載中。3歳になる息子さんを育てるママでもあります。そこで、『おかっぱちゃん』の絵本の出版を記念し、Boojilさん(@boojil)と以前から親交のある坂本美雨さん(@miu_sakamoto)を迎えて、対談インタビューをお届け。

坂本美雨さんとBoojilさんには共通の知人が多く、お互いに音楽とイラストと、それぞれの分野で活躍する中で縁が重なったそう。お子さんの年齢も2ヶ月違いで同学年。最近では、ママとしての会話もはずむと話してくれました。

世界を旅したBoojilさんとニューヨーク育ちの坂本美雨さん、ふたりの子育てとは?


――まず、絵本『おかっぱちゃん』を読んだ感想をお聞かせください。

<坂本> 絵本を書いたのが初めてっていうのが意外でした。気負っていなくて、軽やかさがあるなあと。それでいて、Boojilちゃん自身の体験をもとにしているから、説得力がある。動物の絵描き歌もかわいいです。

<Boojil> 褒めてもらってうれしいです。絵本の中に出てくる場所は、自分が旅行した国々をイメージして描きました。




ラオスの湿地帯や、カンボジアやグアテマラのイメージ。Boojilさんが大好きだというメキシコの世界遺産の町など、カラフルな海外のイメージが絵本を彩ります。


――10ヶ国以上を旅してきたBoojilさん。そして、ニューヨーク育ちの坂本美雨さん。ふたりの子育てにその経験は影響しているのでしょうか?

<坂本> 9歳くらいのときに渡米して、自分の価値観がまったく通用しないという経験をしたんですね。英語もしゃべれないし、サイズ感もまったく違うし。一番衝撃だったのは、貸したペンを返してもらえなかったこと。自分から主張しないといけないんです。


<Boojil> その経験って、自分の子育てに影響してる? わたしは大人になってから海外にいったから。そこで初めて海外とのギャップを感じて、子育てをするうえで、子どもにはいろいろな感覚を持ってもらいたいと思うようになった。

<坂本> そうだね。娘には社会の中で意見を持って、人と関わっていくのが大事だってことは知ってほしいかな。ただ、海外にいくだけが多様な価値観には触れる機会じゃないとも思う。

<Boojil> それは確かにそうだよね。娘ちゃんを連れて、国内はいろんなところにいってるよね?


<坂本> うん。仕事がからんでいることが多いけど、いろいろな地方に連れていってて。東京だけじゃなくて、いろいろなところに故郷と思える場所を作ってほしいから。親がいろんな人たちと仲良くなっている姿を見てもらいたいと思ってるよ。


お手本はやっぱり自分のお母さん?
――ポジティブに子育てをしている印象のおふたりですが、悩むこともあると思います。そういうときにお手本にしている人はいますか?

<Boojil> 子育てについては、やっぱり母かな。でも、あんなふうにはなれないです。一般的な事務の仕事をしているんですけど。わたしと3つ上の姉を育てながら、朝から晩まで働いている人ような人なんです。

<坂本> わたしも母と言いたいところだけど…ちょっと次元が違いすぎて参考にならないかな…(笑)。ただ、大人と子どもの線引きはしっかりする人でした。理不尽だなって思うこともあったけど、そのへんは厳しくしてもらってよかった。


<Boojil> 子どもには子どもの世界がありますからね。

<坂本> コンサート会場では静かにするとか、大人が集中しているときには話しかけないとか。空気を読み取る力をもらいました。現場に連れていってもらった思い出が良いものになっているから、自分の子どもにもそうしたいと思っています。


――今後、親子で挑戦したいことがあれば教えてください。


<Boojil> 親子留学かなあ。これからは子ども本人の意見が出てくるから、どうなるかはわからないですけど。わたしは環境を変えて創作して、子どもが現地の学校に行ってっていう感じ。楽しそう。

<坂本> 車の免許もとったし、アイスランドにいきたいですね。大自然の中で子どもとドライブしたいな。

なごやかに対談が進みます。次回は、これまでの「おかっぱちゃんの子育て奮闘日記」を振り返りながら、ふたりの子育てについて、もっとお聞きします。

坂本美雨さんが描いた絵描き歌のキャラクター! 絵本にはないイラストも?



おかっぱちゃんハウスで行われた絵本出版イベントで、Boojilさんの絵描き歌に合わせて、坂本美雨さんがその場で描いたイラストたち。左下の猫の絵は、絵描き歌はないものの、おかっぱちゃんが「お母さんの絵」を描いているシーンを読んでいる際に、坂本美雨さんが描いた猫のイラスト。

そして、対談記事vol.2では、初めての出産や育児のお話をしていただきます。こちらもお楽しみに!

(取材/いずみかな 写真/松木宏祐)




坂本美雨さん 音楽家
5月1日生まれ。1990年に両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移したことをきっかけに移住。1997年に坂本龍一 featuring Sister M「The Other Side of Love」でデビュー。現地の高校を卒業後、本格的に音楽活動を開始。ソロ活動に加え、シンガーソングラーターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても活躍。2014年には初の自著『ネコの吸い方』を発刊。“ネコ吸い妖怪”としても有名。TOKYO FM「ディアフレンズ」パーソナリティーを務める。このほど、子どもの虐待問題への取り組みとしてチーム『こどものいのちはこどものもの』を結成。


(写真左から真鍋かをり、福田萌、犬山紙子、ファンタジスタさくらだ、坂本美雨)
http://www.miuskmt.com


Boojilさん イラストレーター
1984年、横浜生まれ。世界各国を旅した経験から、カラフルでピースフルな作品を描く。NHK総合『妄想ニホン料理』のキャラクターデザインを手がけ、2011年に自身の旅エッセイ『おかっぱちゃん旅に出る』がNHK Eテレでアニメ化。絵本『おかっぱちゃん』(あかね書房)にて絵本作家デビュー。コミュニケーションを目的としたアトリエ兼イベントスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を主宰。
http://www.boojil.com



絵本「おかっぱちゃん」(あかね書房)
天気のよい日、おかっぱちゃんは絵の具とスケッチブックを持っておでかけ。いろいろな動物に「にがおえ かいて! おかっぱちゃん」とたのまれます。クマ、ワニ、キツネと出会い、最後におかっぱちゃんが似顔絵を書いてあげるのは……? 著者Boojilさんが実際に旅した国々の風景がカラフルに広がる、心温まるオリジナルストーリー。

(いずみかな)

元記事で読む
の記事をもっとみる