「沢尻エリカはエネルギーが半端ない」 個性派キャスト揃う映画「猫は抱くもの」犬童一心監督インタビュー

沢尻エリカの6年ぶりの主演作「猫は抱くもの」(6/23より公開中)は、人気推理小説「猫弁」シリーズでも知られる作家・大山淳子の同名小説を実写化した作品。メガホンをとったのは「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心監督。俳優が擬人化された猫を演じる大胆な手法や沢尻をはじめとする個性派キャスト起用の理由まで、犬童監督に迫った。

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猫のポーズで作品をアピールしてくれた犬童一心監督
KADOKAWA

「猫は抱くもの」は、アイドルの夢を諦めたアラサー女性と、自分は人間だと思い込んだ猫を描いた物語。これまで「強い女性」を演じることが多かった沢尻が、思うように生きられないもどかしさを抱える主人公・沙織を熱演。ロシアンブルーの猫・良男には注目俳優の吉沢亮が演じている。ほかにも「銀杏BOYZ」の峯田和伸、映画初出演となる「水曜日のカンパネラ」のコムアイら個性派キャストが集結。現実の風景で撮影された「実景パート」、古いホールを現実世界に見立てた「舞台パート」、手書き風の「アニメーションパート」の3つが組み合わさった世界観が見どころになっている。

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(C)2018 『猫は抱くもの』製作委員会

ーー俳優さんたちが擬人された猫を演じるという大胆な手法には、とても驚きました。

大山淳子さんの原作では猫が喋っている設定だったので、それを生かそうと。あとはどういう風にやるかを考えていきました。

ーー猫に声をあてる方法もあったと思いますが、なぜ擬人化にしようと考えたんですか?

意外に手間なんです。やるなら動物をCGにして作りこまないと成立しない。これまで擬人化を2回ぐらいやってて、特に「グーグーだって猫である」で主人公が昔死んだ猫と会うシーンは手応えもあったので、この手法がいいかなと。人間と思い込んでいる猫であるならば、人間が演じるほうがいいなと思いました。

俳優が擬人化された猫を演じる大胆な手法について語ってくれた犬童監督
KADOKAWA

ーー犬童監督の作品は、想像力をかき立てる作品が多いように思えますが、意識されているんですか?

漫画家の大島弓子さんに影響されていると思います。大島さんの作品を読んでいて思うのは、リアルっていうのは想像力を含まないとリアルじゃないということ。その場で起きていることだけを撮っても、そこにいる人の頭の中には別の思いがある。その想像力みたいなものも含めて映画にするほうがリアルな感じがするんです。リアルを描くように作っていくとそうなるんです。僕の作品はファンタジーだって言われますけど、大島さんのようにいろんな視点を導入したほうが、一歩踏み込んだリアルさが出るような気がします。

ーー主人公・沙織役ですが、沢尻さんの起用は監督の希望だったそうですね。

「ヘルタースケルター」を観たときから、彼女を一度撮ってみたいと思っていました。

ーー本作は「ヘルタースケルター」とは全く違うキャラクターですが、沢尻さんのどこに惹かれたんですか?

「ヘルタースケルター」を観たときに、エネルギーが半端ない女優だなと思いました。本気を出したときの爆発力が圧倒的。あの役を沢尻さん以外でできる女優って今の日本にいないんですよね。みんなやれないけど、沢尻さんだけは平気でできるから尊敬できる。日本の女優がみんな沢尻さんだったらいいのにって(笑)

「猫は抱くもの」場面写真
(C)2018 『猫は抱くもの』製作委員会

ーー沙織はアイドルの夢を諦めて田舎町のスーパーで働く地味っぽい女性ですが、役者として「強い女性」のイメージがある沢尻さんを少しダサく見せるのは大変だったように思えますが?

バランスをどれくらいにするのか、虚構線の度合いは考えました。「メゾン・ド・ヒミコ」の柴咲コウさんはノーメイクに見えるメイクをして役を作りました。じゃあ、本作の沙織をどういうメイクにしてスーパーの店員に見せるかって考えたときに、意外にディテールまで立ち入らない普通のメイクでもいいんじゃないかって思って。衣装もスーパーの店員と私服の2パターンしかないんです。ディテールにこだわると全体の虚構線がデコボコになるので避けました。

ーー沙織のシーンの中でも、アイドルたち集まるTVのバラエティ番組のシーンが印象的でした。

東京に戻ったときだけ違う世界にいくみたいな感じにしたほうがいいかなと思って、他のシーンとまるっきり切り替えました。そこだけは撮り方からスイッチング、タイトルの出し方、出演者のイメージまで、できるだけリアルにしました。彼女が東京にいたとき、どんな世界にいたかは想像力抜きでやったほうがいいなって思って。テレビ局は本当にヒドいから。(笑)

「猫は抱くもの」場面写真
(C)2018 『猫は抱くもの』製作委員会

ーー猫の良男を演じた吉沢さんもハマっていましたね。

吉沢くんは素晴らしいですよ。猫の動きに関してはウチで飼っている猫を参考にして僕が伝えました。今回の役はすごくハマってると思うし、俳優として芯がしっかりしている。あと、ちゃんとディテールを深く考えてくれていました。

ーー良男の相棒となる猫のキイロ役ですが、コムアイさんの起用には驚きました。映画初出演で演技未経験ですが、なぜ彼女を起用しようと思ったのですか?

人と猫の間に立っている役でキャラクター自体の立ち位置が難しくて、そういう役を誰がやるのがいいのかなって、ずっと考えていて。彼女の名前を出したのはプロデューサーです。ミュージシャンがいいって言ったのは僕。俳優にしないほうがいいかなって。

犬童監督は個性あふれるキャストの演技力を称賛した
KADOKAWA

ーーミュージシャンのほうがいいと思ったのはなぜですか?

俳優の場合、役を理解した上でちゃんと固めてからアクションとかセリフの言い方とかを反映してやっていこうとするから、曖昧さが出しにくいんです。実はコムアイさん、俳優さんより深く脚本を読んでくれていたんですけど、演じるとその曖昧さが自然に出るんですよね。コムアイさんが一番どこにも属さない演技手法。本人の立ち位置をそのまま映画に持ってきたみたいでした。

ーー沙織の前に現れる画家のゴッホ役の峯田さんも存在感がありました。

ゴッホは峯田さんにやってもらわないと困る役でした。沢尻さんのテンションがだんだん高くなるときに、相手役の力がいるなって思っていて。ちょっと訛っているのもズルいですよね(笑)普通の俳優さんとは全然違うので、沢尻さんもものすごく影響されていました。

「猫は抱くもの」場面写真
(C)2018 『猫は抱くもの』製作委員会

ーー古いホールを現実世界に見立てた「舞台シーン」が本作の大きな見どころかと思います。ステージ以外にも観客席や2階席まで全体を使ってひとつの世界を表現されていましたね。

劇場全部をひとつの空間にして、その中をうまく切り取って使っていこうと思っていました。あのホールはちょうど猫が集まる橋に見立てられるところもありました。擬人化した猫を普通の橋に連れていって演技してるのを想像すると、あまりにもチープで我慢できないなって(笑)このスタイルでやりたいってスタッフに言ったら、みんな一瞬「え?」って理解されなくて(笑)

ーー観ているほうは想像する楽しみが味わえそうですね。

そういうことやりすぎると「わかんない」って言われるので、僕も「沙織と良男が暮らしている楽しいシーンがいっぱいあったり、笑えたりするシーンを増やした方がいいんじゃないの?」ってプロデューサーと脚本家の高田亮さんに言ったんですよ。まったく乗らなかったですね(笑)(関西ウォーカー・山根翼)

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